「新しいのに替えましたよ」。いつもと変わらないわが家の朝食風景。匂い立つ手作り味噌の湯気が、真新しい朱色の「お椀」をひと際引き立てる。十数年前、会津若松市に夫の恩師を訪ねた折り、いただいた「会津塗り」の汁碗十客。日常使って欲しいと女性ならではの暖かい思いやりの一品。
戦前、平城市の日本人学校に夫が入学した時の担任と教え子の関係は、家族ぐるみの交流があった由、引き揚げ後も消息を案じ続けた亡き姑を思う。凛として米寿を迎えられる恩師と同じ道を志し、還暦を過ぎた夫の再会の旅は感動の一語に尽きた。
鹿屋市 神田橋弘子(69) 2007/2/19 掲載
戦前、平城市の日本人学校に夫が入学した時の担任と教え子の関係は、家族ぐるみの交流があった由、引き揚げ後も消息を案じ続けた亡き姑を思う。凛として米寿を迎えられる恩師と同じ道を志し、還暦を過ぎた夫の再会の旅は感動の一語に尽きた。
鹿屋市 神田橋弘子(69) 2007/2/19 掲載