はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

歌いましょ

2007-02-26 13:51:30 | アカショウビンのつぶやき












昨日は「鹿屋市民合唱団」の第13回定期演奏会でした。
生憎の冷たい雨にもかかわらず、沢山の方々が応援に来てくださいました。
そして一緒に歌いました、会場いっぱいのお客様と!
懐かしい「朧月夜・もみじ・ふるさと」。

私たち「信愛コーラス」14名は友情出演で参加させて頂きました。
「市民さん」の足を引っ張りかねない私たちと一緒にハモって下さり有難うございました。

「かのやオーケストラ」の皆さん、有難うございました。
まあいろいろありましたが、お許し下さいね。

鹿屋市民合唱団のラストステージはいつも楽しい趣向で、今年はどんなステージになるんだろうとワクワクします。

今年は団員のお子さんたちも登場し、ママと一緒にステージを飾ってくれました。

そして、「うっちゃげ」は、更に楽しかったことは言うまでもありません。

   今日もルンルンのアカショウビンです。

あの日も

2007-02-26 11:56:05 | はがき随筆
 突然、膝に痛みが走る事がある。原因が見つからないので、神様からのサインだと思うことにしている。
 あの日はサインを解読して、傘を持った腕に手をのばすと、あの人は傘を持ちかえて腕を貸してくれた。こんな何でもないしぐさが私を幸せにする。
 心は見えないけれど見えることを、この人はそっとわからせてくれる。時にふとざけたり、叱ったりしながら。
 だから氷雨が雪に変わり、堂塔や杉木立を白く染め上げていった日も、あの人から目をそらすことが出来なかった。
   鹿屋市 伊地知咲子(70) 2007/2/26 特集版-6

鶯とメジロ

2007-02-26 11:50:57 | はがき随筆
 年が明けた5日早朝。新年のごあいさつに鶯が訪れたが、お目当ての梅のつぼみは固く、早々にお帰りに。翌朝にはメジロも新年のごあいさつに。小枝のつぼみをのぞいて「ん」と小首を傾げる様子は、ちゃめっ気たっぷりの幼児を思い出すほどに愛らしい。次の日から鶯とメジロが交互に飛来して、梅の開花をせかせる。鳥たちの健気な来訪に、太陽が睦月の大地を暖かく照らして協力する。花の精が17日の朝に二輪咲かせた。鶯は感謝の念を表して「チッチッ」。メジロは蜜を吸って「ん」と、今度は満足の様子。1ヶ月も早い開花に私も「ん」。
   出水市 道田道範(57) 2007/2/26 特集版-5

写真はバセさんからお借りしました。

ああ、雛人形

2007-02-26 11:45:01 | はがき随筆
 我が家には娘ばかり3人もいたのに、雛人形がなかった。もちろん貧しかったからだろうが、子ども心に父が息子がいないことを嘆くのを聞いて、娘は歓迎されていないからだと思っていた。私は雛人形が欲しかった。大人になって自分のために何度か買おうとしたが、十数万円の出費にためらった。娘にも恵まれず悲願五十余年、ついに昨夏、孫娘誕生! 買い初めは雛人形をと張り切っていたら、嫁の里からの年始の電話で「当地の習わしですので、雛人形はうちから贈ります」。二つはいらないよねえ、と思いつつもなかなか諦め切れない私です。
   出水市 清水昌子(54) 2007/2/26 特集版-4

おしゃべり

2007-02-26 11:38:03 | はがき随筆
 「あんなに喋ることがあるなあ」と男性が呆れるほど女はよく喋る。こんな真理がわかるだけに、ご主人様の留守を狙っておしゃべりが弾む。姦しいという字が女三人寄ればの形ですもの、仕方がありません。お喋りは聞いてくれる人がいて弾むというもの。
 当然ながら否定ばかりされると話は続かない。お喋り出来る雰囲気というものがあり、喋りやすい人がある。昔から「井戸端会議」などと、女のお喋りを言っているのだろう。お喋りの紅葉はストレス解消、きょうも、またまた女のお喋りが始まる。
   霧島市 口町円子(67) 2007/2/26 特集版-3

別れ遠足

2007-02-26 11:04:36 | はがき随筆
 仲間たちと大隅路の巨木巡りを始めて早や5年経った。毎年春先に神社や里山を訪ね実際に幹周りを計測してみて、3㍍以上の巨木が40本以上もあったのは驚きだった。ハイキング気分で気楽に歩くのだが、大樹の下に立つと、威厳に圧倒される。数百年の樹齢を重ねた古木のほこらに入ってみると、優しい温もりを感じ、子どものころを思い出す。
 校庭に大きいエノキがあった母校も訪ねた。かつて運動会で万国旗が飾られ、卒業式にはクラス写真を撮ったが、今はもうなかった。巨木巡りは、懐かしい別れ遠足の名残なのか。
   鹿屋市札元 上村 泉(66) 2007/2/26 特集版-2

ありがとうJR

2007-02-26 11:00:34 | はがき随筆
 右半身が不自由な妻と新幹線で博多に行った。出水駅には妻の車椅子の手配を頼んでいたが、病後、初めて遠出をする妻の電車の乗り降りに不安があった。が、それは杞憂に過ぎなかった。出水や新八代、博多の各駅では駅員が素早く、かつ安全に車椅子を押してくれるし、車内では女性乗務員が、妻が転ばないように手助けするので、心配することはなかったのである。用事が済み、帰る電車の中で「私、自信がついた」と妻が言う。目も輝いている。身障者の妻に〝希望〟を与えてくれたJR九州さん、ありがとう。
   出水市 清田文雄(67) 2007/2/26 掲載 特集版-1