薩摩藩は「阿弥陀仏を信じ、念仏を唱えれば悪人でも往生できる」という一向宗(浄土真宗)の信仰を強く禁止した。禁制の理由は諸説あるが、最大の理由は封建社会の体制維持のために、人間の平等を説く信仰は、都合が悪かったからだといわれる。しかし、男女や職業、身分などに関係なく同じように救われるという教えは、多くの人々に受け入れられた。我が郷土加世田にも禁制を犯し、隠れて信仰を続けた人々の遺跡が二ヵ所残っている。奥深い山の洞窟と、畑の端に巧妙に掘られたかなり広い穴である。今は憲法で信教の自由が保障されていて有り難い。
南さつま市 川久保隼人(72) 2007/2/27 掲載
南さつま市 川久保隼人(72) 2007/2/27 掲載