5月半ばになって、テレビで気温上昇にともなう熱中症の予報を報じている。私の住まいは、木々に囲まれた山寺である。日中は気温30度くらいまで上昇するが、朝夕は15度前後で肌寒い。最近は冬を越したメジロがすみ着き、早朝からにぎやかである。口笛で鳴きまねをすると一段とさえずる。縄張りをもったウグイスも、他を寄せ付けない威厳をもってかん高い。庭にはケラマツツジの古木が2本、新緑の中に南国特有の情熱的な赤に映えている。この風景の中に八十数年間生きてきた。いまだ経験しない明日へ向かって歩みを踏みしめている。
鹿児島県志布志市 一木法明(83) 2019/6/27 毎日新聞鹿児島版掲載
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