2014年6月26日 (木)
岩国市 会 員 角 智之
薫風を受けて新緑も色濃くなる頃、初夏の風物詩、ホタルたちの出番となる。
たそがれ時に川辺の草むらに目をやると、鈍い光を放ちながら飛び立つタイミングをうかがっているようだ。初めは思い思いに光っているが、やがて一つのグループとなって乱舞する。
子どもの頃、近所の友達と夢中で追い掛けた記憶がある。走りながら狙いを定め、竹ぼうきを振り上げると、いきなり光を消して高く舞い上がる様子が月明かりに見えた。小さな虫でさえ、身を守るすべを心得ているのに驚いた。今では見ない光景となった。
コンクリート護岸工事で隠れ場となる雑草が少なくなったのと、上流のダム工事で川底に土砂が堆積し餌のカワニナが減少、幼虫の生息の場が狭められた。
人間の生活を豊かにする河川工事も、自然環境の保全と両立させながら進めるべきではないかと思う。
(2014.05.08 中国新聞「広場」掲載岩国エッセイサロン)より転載
岩国市 会 員 角 智之
薫風を受けて新緑も色濃くなる頃、初夏の風物詩、ホタルたちの出番となる。
たそがれ時に川辺の草むらに目をやると、鈍い光を放ちながら飛び立つタイミングをうかがっているようだ。初めは思い思いに光っているが、やがて一つのグループとなって乱舞する。
子どもの頃、近所の友達と夢中で追い掛けた記憶がある。走りながら狙いを定め、竹ぼうきを振り上げると、いきなり光を消して高く舞い上がる様子が月明かりに見えた。小さな虫でさえ、身を守るすべを心得ているのに驚いた。今では見ない光景となった。
コンクリート護岸工事で隠れ場となる雑草が少なくなったのと、上流のダム工事で川底に土砂が堆積し餌のカワニナが減少、幼虫の生息の場が狭められた。
人間の生活を豊かにする河川工事も、自然環境の保全と両立させながら進めるべきではないかと思う。
(2014.05.08 中国新聞「広場」掲載岩国エッセイサロン)より転載
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