北回帰線の石碑
亡夫は台湾生まれ。夫の父が役人だった関係で、来客が多く軍人さんたちも着て、よく遊んでもらったと言っていた。
家に台湾人のお手伝いさんがいて朝はおかゆを炊くのだが、重湯をこっそり家に運ぶので、まずいおかゆだったと、姑がまゆをひそめながら言っていた。
台湾上を北回帰線が通っていて、その碑が草原にぽつんと建っていたのを見たと夫が話していたのが忘れられない。
高くそびえる雪山や玉山。台北、台南、高雄。風にそよぐ草原の碑。夫の家族が戦前を暮らし、戦後引き揚げてきた台湾。夫と一緒に行きたかった。
霧島市 秋峯いくよ 2011/7/26 毎日新聞鹿児島版掲載 写真はフォトライブラリより
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