はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

親父へ

2020-08-10 16:58:19 | はがき随筆
 昭和という少年時代の思い出を絵で伝えている。よく問われるのが「オハン(あなた)な母子家庭ナア」である。たしかに絵の中に父の姿はない。父は郵便局員で朝早く夜遅くの日々だった。母は小さな田畑を耕し、私は母の小さな背中を見て成長していた。あらためて父を思い返してみると、父は旧満州に渡り、戦後は波瀾万丈の人生を生きてきたが、私たちには希望を与えてくれていた。多くを語らない親父だった。古希を過ぎた今だからこそ、言えなかった感謝の言葉を絵にしたためて送りたい。
 鹿児島県さつま町 小向井一成(72) 2020/8/3 毎日新聞鹿児島版掲載

最新の画像もっと見る

コメントを投稿