昭和という少年時代の思い出を絵で伝えている。よく問われるのが「オハン(あなた)な母子家庭ナア」である。たしかに絵の中に父の姿はない。父は郵便局員で朝早く夜遅くの日々だった。母は小さな田畑を耕し、私は母の小さな背中を見て成長していた。あらためて父を思い返してみると、父は旧満州に渡り、戦後は波瀾万丈の人生を生きてきたが、私たちには希望を与えてくれていた。多くを語らない親父だった。古希を過ぎた今だからこそ、言えなかった感謝の言葉を絵にしたためて送りたい。
鹿児島県さつま町 小向井一成(72) 2020/8/3 毎日新聞鹿児島版掲載
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます