夜が明け始めるころの桜並木は実に美しい。ウオーキング中の私の肩に花びらがヒラヒラと舞い落ちる。道路は花びらで埋められた絨毯のようで、上を踏み歩くことにおののく。
少子化に伴い3月で144年の歴史を閉じた小学校の門には二宮金次郎の銅像がポツンと学校を見守っているようだ。薪を背負って本を読みながら歩く姿に子供の頃は道徳心をたたき込まれたけれど、現代流にみれば歩きスマホに似ているかも?
そんな雑念を振り払い遠くを見ると雲仙岳や有明海の絶景が広がる。そこで自己流のラジオ体操で一日はスタートする。
熊本県玉名市 大村土美子(81) 2020/4/30 毎日新聞鹿児島版掲載