はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

悲惨な戦後

2008-06-06 16:15:20 | はがき随筆
 ちまきの季節になると復員を思い出す。母方の祖母宅より5㌔の道程を一人でてくてく歩いて帰ると、誰の知らせか分からないが、妹が急ぎ足で息を吐きながら向かってくる。妹は開口一番、両親も2ヶ月前に台湾より裸一貫で引き揚げてきたと言う。祖父母宅は田舎で大きな家だが、叔父夫婦も引き揚げ、3世帯の大家族。父宅は農家だが主食は供出して、常食はサツマイモとカボチャの煮付けだけ。戦後の食糧難は経験した人しか分からないと思う。
 日本も先輩の努力で築き上げた平和な国。先輩の築いたものを守り、補足していこう。
   姶良町 谷山 潔(81) 2008/6/6 毎日新聞鹿児島版掲載

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