はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

孤独ではないの

2008-06-07 19:39:17 | はがき随筆
 真っ赤な夕日。「きれい」
 結婚して56年間、多忙な毎日だったので少女の時以来だ。趣味の書道・拓本・表装には手が出ず、他のことを求めるが本気で打ち込めない。あせらないでの忠告。
 やっと家事の一部と庭掃除を日課と決めた。体調が悪く全身が痛む時は、目を閉じ耳を澄まし、鳥や外部の音を聴くゆとりが生まれた。歩行困難な一人暮らしの正月も連休も、誰かが電話か便りをくれる。孤独ではないのよ。
 夕日を浴び足元に力を入れ一歩ずつ踏みしめる。うれしい涙目にアマリリスがにじむ。
   薩摩川内市 上野昭子(79) 2008/6/7 毎日新聞鹿児島版掲載
写真はウマナリ トウシロウさん

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2 コメント

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ステキなアマリリス (Michi)
2008-06-10 18:21:00
とってもステキなアマリリスですね!
花びらの脈の一筋一筋がはっきり見えて、
スケッチしてみたくなりました。
一人住まいの切なさ強さジーンときます。
みんな、すぐそんな日が来るのでしょうね!
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おひとりさま (アカショウビン)
2008-06-10 22:05:22
と言われて私も13年経ちました。
今でも時々言いしれぬ寂しさに襲われます。
でも「誰かが便りをくれる…」と上野さんもおっしゃってますが、そうなんです。
いつも誰かに助けられて来ました。

白紫陽花は夫の花。
もうすぐ13回目の召天記念日がまいります。

Michiさま
今を大切にね
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