父の居る施設から苦情の電話。今回も兄弟姉妹によるコロナ下面会への厳重注意。担当者もお疲れか、今日は30分の弾丸トーク。しかと伝えます、と丁寧に嘘をつく。翌日、叔母から「兄ちゃんにおはぎば届けたばってん食べたろうか」と予想通り電話が来た。「きっと喜んで食べたばい、ありがとう」とまた嘘をつく。状況的に差し入れ厳禁は常識だが、兄を想う89歳の優しさは尊い。夕方には見知らぬ番号から防犯カメラ設置の営業電話。うちはもう百個のカメラを付けてると大嘘をついた。私が死んだら浄玻璃の前で、閻魔様を困らせるに違いない。
熊本県八代市 廣野香代子(57) 2022.8.25 毎日新聞鹿児島版掲載
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