大阪で暮らす妹は、ツワブキが大好物で春を待っている。
もうそろそろかなーと友達といつもの山に行った。青々としげった青葉の根元にうすい綿毛をまとったツワブキが背伸びをしている。あるある。すぐに袋いっぱいになった。妹の笑顔が浮かんだ
5人兄妹も今や二人きりになった。戦地から帰らぬ父を待ち続け、父さん星をさがした事や、学校から帰るとハマグリやシジミを取りに行ったものだ。今や思い出を語れるのは妹だけに。来年も妹にツワブキが届けられますように「ありがとう」と言って手を合わせ下山した。
宮崎県日向市 津江保美(83) 2022.4.16 毎日新聞鹿児島版掲載
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