先日、住職から五木寛之の「人間の運命」という新刊を頂いた。作者は私と同じ朝鮮半島からの引き揚げ者で、以前からのファンでもあることから一気に読み干した。そして「明らかに究める」ことを学んだ。人間はすべて闇をかかえて生きている。ありのままの現実を勇気をもって認め、運命と共に生きることの大切さを読み、救われる思いがした。私も引き揚げて3ヵ月後に父を亡くし、闇から抜け出せない自分だったのだ。「明らかに究める」ことで明かりが見えた思いは「一隅を照らす」最澄の言葉と重なり体の中を心地よい風となって通りすぎた。
志布志市 稲木政子(74) 2009/12/3 毎日新聞鹿児島版掲載
志布志市 稲木政子(74) 2009/12/3 毎日新聞鹿児島版掲載
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