はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

半額品

2021-11-12 16:14:36 | はがき随筆
 私は孫たちのため、日南の百貨店の青果コーナーで、朝一番に見切り品の半額品を買います。
 友人は自分の食べるものは半額品を買うが、孫の分は半額品は買わないと言います。そうなんだ。世間のじいさんは孫のためには半額品は買わないのですね。
 私はいちごやスイカやカットパインの見切り品を月に1回以上買っています。娘たちや孫たちも半額の果物を楽しみにしています。当然半額でなくてもよく買っています。
 私は孫たちのため果物や食べものや服を買うのが楽しみで、一生懸命生きています。
 宮崎県日南市 宮田隆雄(70) 2021.10.26 毎日新聞鹿児島版掲載

干し柿

2021-11-12 16:05:24 | はがき随筆
 躑躅綿貝殻虫が大発生した時に、伐ろうと思った柿の木に、昨年は十個、今年は五十個ほどの実りがあった。丈夫な綿に包まれた幼虫に、殺虫剤は効くのかと思いつつ、木肌に点々と付くあわ粒大の白い物は何かと聞いてみたが、造園業者も知らない。自分で害虫図鑑で調べ、へばりついた綿の中の端っこにいる幼虫を捕殺。木肌は削りそぐ。それを延々とやる。仕事でそんな手間をかけるのは無理だろうな。しかし、簡単に木を伐らなくてかった。毎年買って干し柿にしたが、今年は我が家で収穫の渋柿で出来た。金木犀が香り立ち実りの秋は存分。
 熊本県阿蘇市 北窓和代(66) 2021.10.25 毎日新聞鹿児島版掲載