はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

宿直の思い出

2021-11-14 21:52:32 | はがき随筆
 小説「坊ちゃん」では主人公が中学校の宿直で寄宿生にいたずらされ、大騒動になる。漱石は宿直を面白がって描いている。
 私の若い頃、宿直は仕事の一部だった。支店は人数も少ないので6日に1度、宿直が回ってくる。深夜にトラックの運転手に起こされた。2人で倉庫に4㌧の資料を下ろすと、夜が明けた。台風時に宿直を何度か経験した。家は心配だったが、仕事優先なので仕方なかった。
 小学5年生の夏休み。担任の先生が宿直の日に級友3人で押しかけた。宿直室の布団の中で、少年たちの夢を熱心に聞いていただいた先生に感謝している。
 鹿児島市 田中健一郎(83) 2021.11.6 毎日新聞鹿児島版掲載

出会えて良かった

2021-11-14 21:45:22 | はがき随筆
 10月13日の毎日新聞を見ていて、目が点になった。大正天皇の写真がある。集合写真だが中央にりんとした姿。私が父からきいた話では、体が弱く早世されたと。ぼんやりと聞いていた私は、はっと思った。
 毎日新聞に出会えて良かった。新聞には投稿もできる。「はがき随筆」のコーナー。掲載されることが私の誉であり、身が引き締まる。
 過日、私の随筆が掲載された。「新聞に載っていますね」と保育園勤務時代にお世話した子が喜んでくれた。
 新聞は私の生きる指針だと実感する。
 宮崎市 田原雅子(87) 2021.11.6 毎日新聞鹿児島版掲載

難解なカタカナ語

2021-11-14 21:37:02 | はがき随筆
 このごろ「2回ワクチン接種していてもブレークスルー感染するから油断しないように」とよく注意される。それって何? 
 早速ブレークスルーの語で辞典を引いてみると、「(科学的な発明による)飛躍的な前進」とある。そういえばコロナワクチン開発に貢献したカリコ博士は生命科学ブレークスルー賞を授与されたのだっけ。この語に感染の文字を加えると全く別の意味の医学用語になるのかな?
 新型コロナの流行拡大以来、ややこしいカタカナ語がむやみに使われていると思う。わざわざ難しくしなくたってと文句の一つも言いたくなる。
 熊本市中央区 増永陽(91) 2021.11.6 毎日新聞鹿児島版掲載