はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

 大道 芸

2021-03-20 16:38:32 | はがき随筆
 大道芸の若い外人さん。「ワタシでんまーく人デス」。長い風船で中学生をさして「ハァイ、 アナタ、でんまーくノ首都ハ?」「コペンハーゲン」。即答に拍手が起きたコロナ禍前。
 ワタシは (デン助さんはコペンとハゲる) と教えた、遠い日の妹を思い出した。 デン助さんはハゲのかつらの、その頃売れていたコメディアンだ。 
 街頭から大道芸が消えた。 外 人さんもデン助さんも記憶の中で消えかかる。
 「はぁい、皆さん。新型コロナ大変だったですね」――。そんな言葉で始まる大道芸が、きっと復活すると信じている。
 宮崎市 岡田政雄(73) 2021/3/20 毎日新聞鹿児島版掲載

マスクはいつまで

2021-03-20 16:32:37 | はがき随筆
 「あんた誰け」「私じゃが」 |顔を見合わせ、マスクを顎ま でずらして大笑いしている。
 北方町運動公園で、高齢者の グラウンドゴルフ大会が開催さ れた。100人ほどの男女が年 1回の大会を楽しみに集まる。
 気温も上がった。上着を脱い だり、マスクに手をやったりする人が目立つ。外したいのだろうか。 それでもコロナウイルスの怖さを知っているから誰も外 さない。「三密、三密」と苦笑 いしながら距離を取る仲間がいた。冗談だと分かっているから 笑って済む。コロナ騒動が持ち 上がって1年が過ぎた。 素顔に 戻れる日はいつくるのだろう。
 宮崎県延岡市 川並ハツ子(76) 2021/3/20 毎日新聞鹿児島版掲載