はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

ギブアンドテイク

2019-11-22 12:23:46 | はがき随筆
 近年、小鳥や昆虫が減って寂しい気持ちになる。無農薬、有機肥料の菜園で体を動かしている。10月、キャベツ5本は防虫ネットをかけ、2本は縁近くに植えた。先日、菜園を見ると無防備のキャベツは幼虫の食生になり、葉脈だけの網状になっていた。昨年もそうだった。数日後、太った幼虫はサナギの準備かいなくなった。ボロボロのキャベツはしばらくして新しい葉を出した。小さく結球して遅れて収穫できる。あの幼虫はどこかで羽化しただろう。郷土に飛来する鶴に、広大な田の二番穂は鶴に残し、餌も与える。譲り合って飛来を楽しんでいる。
 鹿児島県出水市 年神貞子(83) 2019/11/22 毎日新聞鹿児島版掲載

やっちゃった

2019-11-22 12:15:19 | はがき随筆
 切符自動販売機の前でモタモタして見えたのか、駅員さんが購入してくれた。だが、行く先が延岡になっていた。「日向市に行くんですが」「さっき延岡と」。無意識に言ったかも。謝って超過分を返してもらった。
 日向市駅まで1時間なのに熟睡。「ドアが閉まります」の放送で目が覚めた。外を見ると日向市駅だった。次の南延岡駅までの長かったこと。結局、返金と同等の乗り越し分を払う羽目になった。娘には遠くまで迎えに来てもらい恥ずかしかった。
 帰途は終点までなので眠ろうとしたが、全然目はパッチリだった。何か笑える日だった。
 宮崎市 堀柾子(74) 2019/11/21 毎日新聞鹿児島版掲載