「何して遊ぶ?」「う~ん」と真新しい服におおきなランドセルを背負ったピカピカの1年生がみちくさを食っていた。かわいいその姿に、ぼくらのみちくさがよみがえってきた。あっちこっち寄り道しながら道端の草を食べていた。みちくさといえばスイバ(スカンポ)である。若い茎を折って食べていた。味はすっぱいが、腹ペコのぼくらにはおいしかった。ともだちが、これをつけると「ウンメ」と、塩をつけて食べたこともあった。時間がゆったりと流れていた少年時代。〝みちくさ〟の楽しさは今でもぼくの心の奥底に残っている。
鹿児島県南さつま町 小向井一成 2016/6/16 毎日新聞鹿児島版掲載