はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

我らがパラダイス

2017-01-09 16:44:25 | はがき随筆
 毎回楽しく読ませていただいた林真理子氏の小説「我らがパラダイス」が最終回を迎えました。ちょうど自分が高齢者となり、介護3以上にならないと介護保険は使えず、人間終末の参考になると期待しながら? 毎回どうなるだろうかとハラハラどきどきしながら詠みました。外側からみるとセレブの集まりみたいなすてきな老人ホームでも、案外、中の生活は気を使い疲れる事もあるようです。
 結局、自分自身の事だから、健康に気をつけ、できない仕事は人さまにお願いし、そのためには日ごろのおつきあいが大切だと思いました。
  鹿児島市 津田康子 2017/1/9 毎日新聞鹿児島版掲載


初めての奄美

2017-01-09 16:36:45 | はがき随筆
 大島を巡る貸し切りバスの中で自然農法、有機農法についての質問が初参加の人から飛ぶ。改めて食と農について考えさせられる。静岡の清沢塾、溝辺の竹子農塾、奄美のあぶし会の人たちの三者交流会に参加した。
 島中をサキシマフヨウの花が彩っていた。湾ごとに現れるきれいな浜辺と打ち寄せる白波が車窓に続く。はるかな水平線。
 パパイア、マンゴー、バナナなどの農園や棚田を見学。農業に平和運動に携わる人たちの情熱に打たれた。2晩を共にした。交流会では島唄と三味線に酔った。奄美あぷし会の人たちの厚いもてなしに感謝です。
  霧島市 息峯いくよ 2017/1/9 毎日新聞鹿児島版掲載

タマネギの苗

2017-01-09 16:27:42 | はがき随筆
 今季のタマネギは貴重品だ。計画より少なかったが、やっと苗がそろった。
 9月初旬に種を蒔いたが、直後の強い雨ではじき飛ばされてしまった。発芽は極めて少なく、また高い種を買って蒔いた。いつもより植え方も大幅に遅れた。12月中旬にやっと終わった。プロの苗物屋さんも失敗して、やり直したと苦笑していた。多くの人が植えるのに苦労したようだ。
 これから2500本くらいの小さな苗にうんと心を注ぎ、春の貴重新タマネギを待つとしよう。
  出水市 畠中大喜 2017/1/7 毎日新聞鹿児島版掲載


女性記者

2017-01-09 16:22:03 | はがき随筆
 早朝のテレビ。某歌舞伎役者の女性問題について、大勢の中年女性記者がぶらさがり取材をしていた。
 泰然とした壮年役者に「いつ頃、その人と知り合ったんですか」「その女性は奇麗な人なんですか」「その人のどんなところが気にいったのですか」などの質問が矢継ぎ早に飛んでいたが、なぜか私には「どうして私に声を掛けてくれなかったんですか」「その人は私より奇麗な人なんですか」「どうして私ではいけなかったんですか」「なぜ私を選んでくれなかったのですか」と訴えているように聞こえてきた。
  鹿児島市 平原博 2017/1/6 毎日新聞鹿児島版掲載


渋柿の知恵

2017-01-09 16:16:03 | はがき随筆
 渋柿は完熟すると美味しいのですが、上を見上げて待っていても熟した頃には鳥に食べられてしまいます。
 ある日、どうしてだろうと考えていると、はたと気がつきました。柿はたくさん実がなると、動物や鳥に食べられないように考えているのです。そしてぎりぎりのところで、熟してすぐ落ちて良い種子を残すのです。
 このような果物は熱帯植物に多いようです。マンゴー、シャカトウ、パパイア、ライチーなどいろいろです。パパイアなどは完熟しなければあくが強くて食べられるものではありません。台湾にでも行く事ですね。
  鹿児島市 高野幸祐 2017/1/5 毎日新聞鹿児島版掲載


ブラウス作製

2017-01-09 16:06:29 | はがき随筆
 プリント地の布生地を広げて型紙を当てる。前、後ろ、身頃、襟、見返し部分にチョークで型どりし、ハサミで裁つ。マチ針を打ち、しつけ縫いをする。袖ぐりも上手にバイアステープで仕上がった。襟ぐりのカーブが美しい。ところが、全体に目を配ると袖がヘン。右と左が反対についていた。ああ、かなしい。縫い直しをした。仕上がったので袖を通すと、ぴったりと肌に合う。「弘法も筆の誤り」というが袖でよかった。両腕が左右反対だったらサスペンス劇場に登場したろうに。体は親から授かったたまもの。親をあがめる心に深い愛情と感謝を。
  姶良市 堀美代子 2017/1/4 毎日新聞鹿児島版掲載