2016年9月14日 (水)
岩国市 会 員 片山清勝
子どもたちの2学期が始まり、元気な声が通学路に戻ってきた。夏休みにはどんな思い出を残したのだろうか。私は、地域に残る伝統芸能に参加した子どもらの姿を思い出す。
それは小糠踊。太鼓と笛の音に合わせたゆったりした踊りで、基本は「差し手引く手、出る足引く足」と上品な振り付け。藩政の頃から岩国城下の子女の間で親しまれ、錦帯橋周辺で踊られてきた。
昭和半ばを最後に、路地での踊りは一時途切れていたが、昨年、地域を活気づけようと応援隊が結成されて復活。夏の一夜、錦帯橋近くの小さな通りいっぱいに踊りが繰り広げられた。
復活2年目の今年は、小学生の「子供こぬか連」と 「中学生連」も結成。地元の児童生徒が継承の担い手を志し、練習を重ねてきた。
子どもらが浴衣を着て保存会メンバーと歩調を合わせて踊る姿に、地域芸能の良さを改めて思いつつ、受け継いでくれる連の踊り子らにエールを送った。
(2016.09.14 中国新聞「広場」掲載)