はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

地方創生の議論を

2015-04-06 21:32:23 | ペン&ぺん
 任期満了に伴う県議選が3日告示された。鹿児島は多くの島を抱え南北600㌔と広大だ。争点は何だろう。川内原発稼働や人口減少、少子高齢化に伴う地方創生への取組だろうか。各選挙区にはそれぞれの問題があるだろう。読者の皆さんも1票に託す思いがあるはず。投票日の12日は地域の声を県議会に届ける絶好の機会であり、県議は伊藤県政をチェックする重要な役目を負っている。県議に限らず市町村議も、我々が納めた血税を有効に使ってもらうため、首長や行政を注意深く監視してほしい。
 若者の政治離れが叫ばれて久しい。棄権した青年に理由を尋ねると「1票で社会や世の中が変わるとは思えない」「政治に何も期待できないから」――といった答えが返ってくる。若い有権者にそんな考えを抱かせた大人たちの責任は重い。
 例えば、人口約10万人の私の古里。子供の頃、にぎわった商店街はシャッター通りに。あれから40年、今も若者は職を求め市街、県外へ。鹿児島と同じ課題を抱える。行政は今までどんな対策を示し、市議や県議らはどんな議論をしてきたのか。残念でならない。
 たかが1票、されど1票。投票することで、候補の氏名や所属政党、公約、主張が分かる。自分が推す候補が当選しなくても、有権者の考えがデータになって現れる。与野党の立場があったり、思想、心情が異なっても知事や国会議員、首長、首相らが誠実なリーダーであれは、必ず少数派の声に耳を傾けるはずだ。
 古里の高齢になる親の介護、学校の統廃合、早く道路を整備してほしい。街づくりもどんなビジョンがあるのか、もっと知りたいな。古里で起業したいが、どんなサポートがあるのか――など、安倍政権が掲げる地方創生に待ったなし。名前の連呼ではなく、具体的な施策を聞きたい。私は転勤族だが、棄権はしない。
  鹿児島支局長 三嶋祐一郎 2015/4/6 毎日新聞鹿児島版掲載

スマホ春愁

2015-04-06 16:04:05 | はがき随筆
 見知らぬ番号から携帯に電話が入った。出てみると、孫の声で「私、スマホを買ってもらったの」と得意そうに話している。「えっまだ小2なのに」。戸惑っていると母親に代わり、「家族割りで安かったので買ってやりました」と。孫の話では、持つには学校の許可が要り、決まりもあるという。
 それにしても、スマホを介したいろいろな事件が報道されている。子どもの言いなりに早々と与えてと思ったが、言えなかった。息子夫婦の子育てに口出しはしないと決めてはいるが、もんもんとした思いはなかなか消えない。
  出水市 清水昌子 2015/4/6 毎日新聞鹿児島版掲載