岩国市 会 員 吉岡 賢一
冬の朝日がぬくみを増すころ、決まったように2羽のスズメがひなたぼっこにやってくる。
産毛を立て丸く膨らませた体にたっぷり日差しを浴びている。少し距離をおいた2羽。チュンチュンにぎやかに語るでもない。時折片方が寄り添い、耳元に何かをささやく。そしてチョンチョンと相手の羽繕いをしてまた離れる。仲むつまじい夫婦とみた。やがて訪れる春には、新たな巣作りや子育てに追われるのを見越して、餌も少ない寒い今、ゆったり英気を養っているのだろうか。日だまりに身を寄せるスズメの横で、沈丁花が小さなつぼみを付け始めた。
(2010.01.29 毎日新聞「はがき随筆」掲載)
岩国エッセイサロンより転載
写真はTarkaさん
冬の朝日がぬくみを増すころ、決まったように2羽のスズメがひなたぼっこにやってくる。
産毛を立て丸く膨らませた体にたっぷり日差しを浴びている。少し距離をおいた2羽。チュンチュンにぎやかに語るでもない。時折片方が寄り添い、耳元に何かをささやく。そしてチョンチョンと相手の羽繕いをしてまた離れる。仲むつまじい夫婦とみた。やがて訪れる春には、新たな巣作りや子育てに追われるのを見越して、餌も少ない寒い今、ゆったり英気を養っているのだろうか。日だまりに身を寄せるスズメの横で、沈丁花が小さなつぼみを付け始めた。
(2010.01.29 毎日新聞「はがき随筆」掲載)
岩国エッセイサロンより転載
写真はTarkaさん