はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

和む

2008-01-15 11:39:38 | はがき随筆
 お正月の生け花をしようと、花を探しに庭に出た。
 鮮やかな緑の松の葉、小さな小さな蕾をつけている梅の枝、ころころとした丸い実が可愛い千両、真っ赤でかれんな小菊の花。なんとサルビアも真っ赤な花を咲かせ続けている。薄桃色のバラの花も、ツワブキの黄色の花も──。足元を見ると、ナズナも小さな白い花を揺らしている。寒風の中、みなそれぞれに美しく咲いている。
 風に色があるとしたら、冬の風は何色だろう。「世界に一つだけの花」を口ずさみながら、しばし眺め、ホット一息。心が和んだ。ありがとう。
   出水市 山岡淳子(49) 2008/1/15 毎日新聞鹿児島版掲載

おせち料理

2008-01-15 11:32:25 | はがき随筆
 手作りのおせち料理を始めて今年で11年。娘が嫁いでから作っている。12月も終わりに近づくと必要な材料をメモして保存の利くものから買い集める。煮豆、田作り、こぶ巻き、傷みにくいものから始め、31日は朝から家にこもってクリきんとん、だて巻きを最後に仕上げる。面倒だけど皆の喜ぶ顔見たさでやめられない。元旦は6時前から重箱に詰め、孫たちには盛り皿用の料理を作る。昼にかけて集まった来る。所狭しと並べた料理を囲み、大にぎわいの正月を迎えられる喜びをかみしめ、今年も皆無事で幸多かれと願う。
 出水市 川頭和子(56) 2008/1/14 毎日新聞鹿児島版掲載