伏高の海苔

2013-09-05 20:03:25 | 食べる
鰹節や昆布など主に海産の干物を一般家庭に
届けてくれる有り難い問屋さんです。
最近はネットでもCMをよく見かけますね。

田舎の相場から考えると「高いなあ」とも思いますが、
思いっ切り良い品を扱っておられ
値段にも理由があると納得できます。


干出の「あさくさ海苔」を頂きました。
この夏の新発売です。

極上に薄い逸品で、舌触りがよい。
味は「本物の海苔」です。
(今出回ってる海苔はほぼ偽物
 松茸とエリンギくらい違います)

祖母が「海苔は瀬戸内、間違っても韓国なんかは」と
よく言ってました。
食感、味、香り、すべてにおいて格段の差がありましたね。

現在、出回っている海苔は祖母が言うところの
「輸入物、ちょーせんの海苔、堅くて味がない紙みたい」な
シロモノに近いのです。

若い人は可哀そう。


伏高さんの新商品で、昔、当たり前のように頂けていた、
「幻の海苔」に再び出会えました。

味、香り、食感すべてにおいて極上です。

パリっとしているのに口中でほどけ
香りと共に優しい味が広がります。
食べなきゃぜったい分かりませんね。


昔だって海苔は高かった筈です。
通常、貧乏人の食卓には上がりませんでした。
ハレの日の食べ物でしたね。
(ゆえに味の記憶があるのです)


伏高のHPを見ると、他の商品の感想と同様に
沢山の、正直な感想が載せられています。

この「あさくさ海苔」は
「美味い。昔の味に邂逅した。」などというコメントに
混じり、「価格が高いなあ」という感想もあります。

それは、海苔というものは高い食品であった
ということを知らないから言えることでしょう。
相場が動いたのですね。

私が子供のころは広島では河豚も松茸も安かった。
それが相対的に品薄になり、高価になった。
いま、微量の松茸を前にして「高いなあ」は
あまりに平凡な感想になりますよね。

同様に、良い海苔は高い、ということなのです。

こんなものにお金は払えない、という人は
味オンチの欧米人と同じ感覚ですね。

美味い海苔を食べたければ一定のお金を出すのです。


ちなみに伏高の「あさくさ海苔」は全型5枚で\1575-
一枚が税込315円。

この辺りのスーパーの相場からすると「高い」
私に言わせると「高かーない」
だけど、いつも買えるモノではありませんね。
(以前のバブリーな生計なら常備します)


詳しくは伏高のHPに書いてありますが
「あさくさ海苔」は生産が難しいので
日本中が別の品種「スサビ海苔」に替わったのです。
(昭和40年代)

だから「あさくさ海苔」が現在たいへん希少なのです。

また同じ品種のスサビ海苔でも酸で処理する方法が
一般的になって、昔ながらの製法はこれまた少ない。
(昭和60年くらいに変わった)

当然、味は落ちます。(生産は増える)

伏高さんで、スサビ海苔で古来の干出をした海苔も
扱っておられますが「あさくさ海苔」の半値です。


現代は味が濃いものが好まれます。

ウニ、イクラなら高くても売れますね。

品の良い出汁、極上の米、海苔の逸品、などは
どちらかというと敬遠されます。

この淡あわとした、品の良さも和風の極みなのですが
キムチや生クリームばかりを食ってると・・・


最新の画像もっと見る

コメントを投稿