ご存知、白川静の『常用字解』です。
小中生の多い当学習塾のようなところでは
使いやすいですよね。
本当は辞書ももっとキチンと揃えて、勉強しなければ
ならないのでしょうが、お茶を濁す私です。
私、もともと勉強はさっぱりです。
数学も英語も、国語や音楽・体育などなど
何をとっても苦手で好きになれません。
(だから教えるのに向いている・・ヘンな自慢)
白川さんの本も立派な高いのには手が出ないし
文庫や新書にはいくつも挑戦するのですが・・
きちんと読みこなせたためしがない!
そんな私としてはオリがあれば引いて見る辞書的な
ものをちょっと齧るくらいが精一杯かなあ。
生徒に説明するときには重宝します。
先日も「根」の右=ツクリの部分の「艮」と
「即」の右の部分を混同している子がいました。
一画がつくかつかないか、ヘンの位置とツクリとか
そういう問題ではない、などと私が言うより
本を開いて見せれば一発で納得してくれます。
似ている字なのですが成り立ちが違っています。
『常用字解』によりますと艮は目の下に後ろ向きの
人(ヒ)を書きます。
「即」の右は正字で見れば分ります。
白の下に(ヒ)でした。
もっと遡ればまったく違うということが分ります。
絵としてみれば点の一つの違いではありません。
たとえ小学生でも、字のよってきたるところの
一定の説明は必要でしょう。
機械的に覚えて○をとる勉強では不十分です。
○
それにしても漢字って難しいですよね。
パタン認識に弱点がある人はなおさらでしょう。
もっとも最近、朗報があります。
漢字が読めずとも一国の首相になれるという事です。
国語より英語を勉強しやすくなったかなあ?
筆頭格の子分も通常国会の財政演説で漢字その他
読み違いを数多く犯したという報道がありました。
勉強よりも、学歴・家柄・体力・人脈みたいですね。
学歴は金で買えそうだし。
学校で勉強を教えにくい筈です。
規制と競争に頼りたくもなりますよね。
◎
政治の世界では漢字が読めなくてもいい、という空気
のようですが、ヘンな国ですねえ。
つまらない国というべきでしょうか。
漢字が読めないということは普段そういう認識がない
ということなのです。
未曾有の経済危機って会話がなかった証拠でしょう。
あるいは周りがそう言ってても真剣に向き合っていな
かった、に違いありません。
周りの人もルビくらいふってあげればよいのに。
○
国会の財政演説訂正事件は、いかに形式的な仕事に
なってるかの証明でもあります。
官僚が敷いたレールの上を歩いてみせる人形ですから
首相が答弁していても閣僚席で眠りこけている大臣が
複数いても誰も問題にしません。
エライ人の世界はつくづく不思議なものですねえ。