新・ほろ酔い気分

酔っているような気分のまま、
愚にもつかない身辺雑記や俳句で遊んでおります。
お目に留めて下されば嬉しいです。

男は臆病なのです

2016年10月03日 01時33分11秒 | 身辺雑記

 その筋のベテラン女性から聞いた話二題。

①  「純情なんだか朴念仁なんだか、とんだ分からず屋でさァ」

    銀座裏のバアのマダムの話だ。

    「この頃箱根に行っていないのよねぇ、行って見たいわァ~」

    40代の男性客に言ったそうだ。

    もちろん、そう言われれば、40代紳士に否も応もない。

    週末にその幸運紳士のマイカーで二人は箱根へ。

    「そいつ、強羅温泉あたりで、あたしに『お風呂に入る?』って訊きやがんの。

    あたし、当然、『入るわ』って言ったのよ」

    迷惑なのろけ話なのだが、義理半分、興味半分で聞いていた。

    「そいつ、なんて言ったと思う?『オレ、車で待っているから……』だってさ。

    恥を掻かすなってんだよね。あんた、どう思う?」 

    なるほど、マダムが怒るのは無理もない。 

    ライバルが一人消えたので、私としては、内心ホッとした話だった。

②  次は、小さな料亭の女将の話だ。

    「月に一度か二度は来てくれるお客さんだったのよねぇ。

    その人にウチの女の子が惚れちゃって」

    こんな話を聞かされるのは好きではないが、拝聴することにした。

    「お客さんが帰るとき、その子をその子のマンションまで送って貰ったの。

    男だったら何か気付くはずよねぇ」

    ところが、そのお客はまったく気付かなかった。

    幾夜も幾夜も、女の子をマンションの前で降ろして、さーっと帰って行ったとか。

    「可哀想に、その子、ウチを辞めちゃったわ。絶望したのかしらねぇ」

 この二つの話、平均的(?)男性の私としては、勿体ないなァと思わぬでもない。

 しかし、そのような折りの女性の気持ちなんぞ、なかなか分かりにくい。

 私だったらどうするだろうか。

 おそらくこの男たちと同じような行動をとったに違いない。

 本当のところ、男は女の気持ちが分からない。

 いや、単に男は臆病なのです。

   

コメント (8)
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