感情のもつれは厄介なもの。ほんの些細な原因であっても、往々にして、関係の破綻にまで進む。
ビジネスの関係であれば、多少の行き違いがあっても、損得勘定によって乗り越えることが可能だ。
しかし、「友情」や「恋情」にあっては、ビジネスのように割り切ることが出来ないのではなかろうか。
なんやかやの損得が絡まないのだから、処理に当たる主役は「情」だ。「情」ほど危ういものはない。
「恋情」となればなおさらのこと。
もともと硝子細工のように繊細なのだから、その経緯によっては、脆く崩れやすい。
あちらが良いのどちらが悪いのと言っているようでは、その関係に明るい未来はあるまい。
双方が共同の意思で守らない限り、あっという間に破綻の運命を辿るに違いない。
もとより「情」は、「いのち」よりもさらに儚いのだから。
秋の暮何処かでものの割れる音 ひよどり 一平