後輩のY君が、髭を生やし始めた。
多忙を極めていた環境から、ちょっと解放されたからかも知れない。
「あれ・・?」
髭を生やしたY君を見たのは、これで2回目だった。
なぜ髭を生やす気になったのか、本人から聞いていない。
はじめて見たときは、照れくさそうにモジモジしていた。無精髭的な感じだった。
「どうしたんだい?」
私の問いかけに、答えてもらえなかった。
2度目に会ったのは、半「公的」な場面だった。髭はしっかり整えられていた。
質問はしなかった。
本人は、小声で、「まだ照れ臭いンですよねえ」と言って、微苦笑していた。
髭を蓄えている知人は、Y君以外にも何人かいる。
彼らの誰からも、髭を生やした理由を、まだ聞いていない。
本当のところ、私には髭の理由が分からない。意外に聞きにくいものだ。
理由を聞けば、「なぜ髭を剃っているのですか」と、聞き返されるかもしれない。
「髭もいいかもしれないな」 ふっと、そんなことを思った。
しかし、私には似合わない。頭と同じような禿かただったら、それこそ大変だ。
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