ハリ天狗の日々奮戦

天狗のごとく山を駆け、野を走る(かな^^;)。 東京は西の端・青梅発、全国行き。日々鍼を打つランニング鍼灸師の奮戦記。

自己記録更新への花道(ハセツネ4/4)

2011年10月28日 | 大会レポート

いよいよ最終章。もうじきおしま~い。現在第3関門・長尾平を出発した所。
 
一人になったらすぐにさんぽさんとDMJ7号さんが追いついてきた。御岳神社からお土産やの通りと一緒に。イケさん恒例の激写にもろくに答えられず。申し訳ない。栃木から初参戦の二人にちょっぴり地元の観光ガイドしながら日の出に向かう。話していると元気出てきたというさんぽさん達、ハリ天はそんなことこれっぽっちもなく、徐々に遠ざかっていく二人の背中を羨ましく見送るばかり。呼吸も苦しくて本当に精一杯なのだ。左手首のガーミンに目をやれば心拍数は高い。140台後半から150台の数字。歩いているのに、だ。なるほどな。う~ん、本気で無茶は危険だと誰かが頭の中で訴えている。
何度も何度も座り込みながらもなんとか日の出山に到着。ここでは毎年あんちゃんがステキな応援を繰り広げてくれている。


【by オールスポーツ】

彼女の声を聞いたらホッとして思わずザックをおろしてベンチに横になってしまった。しばしの本格的休息だ。何をしゃべったのかよく覚えていない。気持ち悪くて笑えなかったことは確か。そんな状況でも日の出山から見える光の海は幻想的だ。雨予報だったからこの光景はあきらめていたけど、遠くから参戦の選手の方々にも見ていただけてよかった。
どれくらいひっくり返っていたのか。ふと寒さを感じで起き上がる。あんちゃんにお礼を言って下りに突入。

 

木が切り倒され、様相が一変した下り道。あと10kmだけど、あと少しなんだけど、ここからの長さもわかっている。何も考えるな。空腹感の気持ち悪さもある。だけどジェルを口にするのもはばかられ、もちろん他の固形物(おにぎり、羊羹、柿ピー等が残っていた)なんて言語道断。2つだけ持っていた飴がここでは役に立った。水は相変わらず一口二口ずつしか飲めない。背中から足にかけてハイドレから流れ出たコーラが乾きベトベトしている。体の周りからはコーラ臭か。そんなどうでもいいことに気づくと気持ち悪さ倍増だ。
悪魔に打ちのめされたのか自分のふがいなさにまいっているのか、混乱して何がなんだかわからない。こんな時は一人になりたい。前の選手に追いつくことはなく、後ろから追いつかれるばかりだけど、一緒に進むのはなんだか今日は勘弁!ライトの気配を感じたらすぐに止まって道を譲る、譲る、譲る。いったいどれだけ「どうぞ」と譲れば気が済むのか。譲ってはうつむき、うつむいては譲る。
あと5km。どうやら初参加の時の自己ワースト記録を塗り替えることは絶対となった。やるじゃんオレ。どうせ凹むならとことん凹んでおいた方がいいのだ。思えば11km地点から始まった長い長い葛藤の道のりだった。何故止めないのか。何が自分を前へ運んでいるのか。哲学的な声がどこからか聞こえて来そうで耳をそばだてる。だけど脳みそさえも枯れきって思考が思うように展開しない。そんなことはどうでもいいのだ。人間はとにかく一番楽な道を選んでいる。ハリ天にとっては最後まで行くことが一番楽な選択肢だったのだ。13回も積み重ねてきて、あと2回で15回完走。優先エントリー権をゲット出来る。止めて、後でグダグダ後悔することを考えれば、今日だけちょびっと踏ん張ればいいのだ。記録に挑む走りやライバルとのギリギリの勝負を思えば、マイペースでただゴールすればいいという状況はものすごい楽な選択なのだ。
いよいよ街の灯りが目に入ってきた。金比羅神社だ。電池残量が僅かになっていて奥多摩山中で全く役目を果たさぬiPhoneのスイッチを入れ、ハリマネに電話。歩いているハリ天メロス。もうただただ一言、待たせてごめん。待ってくれている人がいる幸せも今は苦しさとごちゃ混ぜになってしまっている。後一踏ん張りもへったくれもないのだ。
住宅街に突入。そうだ、こうなったらゴールも演出しちゃおう。ゴールの記念写真用さ。いきなり余裕か。ザックに突っ込んでおいたハイドレーションを取り出す。あと500m。前方からヘッドライトが近づいてきた。ひげちゃんじゃないか。迎えに来てくれたのか。トボトボと歩調を合わせてもらいゴールへと向かう。最後の角を曲がると、ひげちゃん、来ましたよ~と声をあげる。知らせてきますと先に走り出した。大ダワから戻っていた雲助さん&かおちゃん、そして既にゴールしていたアズさんが迎えてくれる。



涙が出るかなと思っていたら、逆だった。無事帰って来られたと実感が湧いた途端、なんだか無闇におかしくなって来て笑ってしまった。



写真を見たらげっそり幽霊仮面じゃなく、満面の笑みじゃないか。悪魔が来たりて水を抜かれたハイドレーションを高く掲げてゴールイン。記念になるなぁ。



優勝した相馬さんや2位の奥宮さんがもう1周出来ちゃう程の時間を待たせてのゴール。15時間と20分。ワースト自己記録達成!
 
メロスになったハリ天の長い長いハセツネが幕を閉じたのは、間もなく夜が明けようとする4時20分過ぎのことだった。
【ゴール後の写真は byよっちマン】

緑風堂鍼灸院WEBSITE
ハリ天狗マネージャーの笑顔いっぱい!

コメント (25)
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