ハリ天狗の日々奮戦

天狗のごとく山を駆け、野を走る(かな^^;)。 東京は西の端・青梅発、全国行き。日々鍼を打つランニング鍼灸師の奮戦記。

Thanks Steve Jobs

2011年10月06日 | 日々奮戦



忘れもしない遡ること22年前、ハリ天33歳の春。3月31日。強引に引っ張られて出向いた先は六本木の森ビルにあったアップルコンピュータージャパン。ここで衝撃のMacintoshとの出会い。
どうしてもはずせない用件があったので絶対にお昼までということで渋々出かけたのに、重要な用件も全てキャンセル。ビルを閉めるという時間まで1台のMacintosh Plusの前でハイパーカード(当時のMacに標準装備されていたカード型の・・・なんて言えばいいのでしょ。とにかく想像力が爆発する自由自在ソフト)を始めとするMacの描き出す世界にずたずたに切り裂かれていたのでした。

これはまだ小学校の教員をしていた頃の話。ある試験に合格して「研究生」として学校を離れ教育研究所で教材データベースの研究に没頭した1年でした。dBaseⅢというソフトを使って、小学生が自由に図書館の本や教材室の資料を検索できるシステム・「資料の館」を開発した直後。今のインターネットの世界をうんと狭くしたような感じの出来栄えで、我ながら結構満足の1年だったのです。
と、そんな折、研究発表会に来て下さったある先生が、ハリ天の作った生徒用マニュアルを見て、「この人に是非Macを」とひらめいたと。そして、猛アタックをかけられて3月31日へと繋がって行ったのです。
まさに運命的な出会い、革命そのものでした。目の前で初めて触るMacの中で動くハイパーカードを使ったら、必死になって1年間を費やして作ったデータベース検索システム「資料の館」の何倍も魅力的なシステムが作れるじゃないですか。そう直感。頭の中の固定観念が完全にひっくり返された衝撃の1日でした。画面の中の文字や画像同士を次々とリンク、しかも音までも繋がる。現在のインターネット世界では当たり前になっているけど、22年前、すでに同じ形で楽しい世界をどんどん作り出せていたのです。

バリバリ文系人間のハリ天が、どういう訳かコンピュータと関わることになったものの、やっぱりコンピュータは理系の人達が用意してくれるもの。ましてや子どもが使うなんていうのは限られた範囲でのこと。これが持っていた答え。
しかし、Macとの出会いはそんな狭い感覚を遙かに超越していました。コンピュータを「道具」として使える。とんでもないことになる。わくわく感は爆発寸前。
そしてMac伝道師へと。

どれだけ魅力的なコンピュータかをハリマネに伝え、ボーナスをはたいて即「Macintosh Plus」を購入。一緒に買ったハードディスクの容量は40メガバイト。40GBじゃないですよ、たったの40MB。それで総額40万円近くしたのだからびっくり。
でも、この我が家の初代Macは大枚をはたいただけの活躍も十二分に果たしてくれました(現行は8代目&9代目)。幼かった3人の娘達も大喜びで遊んでいたものです。

フロッピーディスクを出す時やファイルを消去する時は「ゴミ箱」にドラッグ。小さな画面だったけど見たままそのままの大きさで絵も文字も。誕生日に立ち上げると「Happy Birthday」の文字。どんなソフトを使っていても、あちこちに仕掛けられている遊び心には、ずいぶんやられました。
あれもしてみよう、これもだって次から次へとアイデアが湧き出し、毎日が楽しくて仕方なかったなぁ。
スイッチオンすると3姉妹の元気な声で「こんにちはっ!」
システム終了の時は「ばいば~い」
警告音は3女の「ぎょえ~」

あぁ、キリがない。

今朝、スティーブ・ジョブス氏逝去をツイッターで知った時にはかなり動揺しました。同じ1955年生まれの56歳(彼は2月生まれなので日本的学年では一つ上だけど)。会ったこともない遠くの人だけど、やっぱりハリ天の人生あみだくじの横棒を引いてくれた一人であることは間違いないからです。その人にどれだけ関わったかで心の動きも決まって来ます。これまでJobsの仕掛けでどれだけワクワクさせてもらったか、そのことを思うと胸が熱くなりました。

 
 
仕事が終わってから物置部屋に入り込み、一番奥に鎮座していた「Macintosh Plus」を引っ張り出してきた。初めて目にする長男・弾の目が爛々と輝いた。父があんまり熱く語るものだから、まだ明日あと1日試験が残っているというのにジョブズの演説をYouTube動画で熱心に聴き入っていた。ま、これも彼の言うとおりどこかで必ず繋がると信じて。

遠くからの勝手な追悼ブログでした。
Thank you Steve Jobs !

緑風堂鍼灸院WEBSITE
ハリ天狗マネージャーの笑顔いっぱい!

コメント (4)
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