さて、ちょうど半分、コース上最も標高の低いのが50km地点(880m)。あまり調子には乗らず、我ながら落ち着いた走りで4時間34分。前方にはたぶんマカニ・トモさんらしき人がずっと見えていました。
5年前はこのあたりから、目に見えてスピードが落ちたんだったなぁ、とちょっとしたカーブのあたりで鮮烈な思い出が蘇ります。
さぁ、今年はどうだ。
あぁ、菜の花の黄色がきれいだな。
・・とか、これはなんの花?と、かなり余裕たっぷり。突っ込みそうになるはやる気持ちをカメラが抑えてくれます。
ランナーズの取材とのフジマキカメラマンがあちこち出没でシャッターを切ってくれます。一緒にレンズからパワーも飛んできたりして。全部いただいておきました。
・・が、そうこうしながら前方確認だけは怠りません。
写真ではほとんどわかりませんが、100m程前方にマカニ・トモさん、そのまた100m先にはmakotoさん。ウエアの色やランニングフォームから間違いありません。
よっしゃぁ、二人をロックオン!
途中のエイドでトイレタイム中にトモさんをパス。気づいていないかな。
makotoさんをロックオンしたまま折り返しポイントの北相木村役場に向かいます。
先行する選手が前方より、一人・・・、二人目、早くものまダッシュさん!
わかっちゃいるけど相当に速い。
次は初ウルトラのそげんさん!ナイスなペースで楽しそう。
TJAR2位の紺野さん!あれっ、今日はファンランかな。
折り返しの役場前広場に突入。エイドに寄っていたmakotoさんをここでパス。
折り返してコースに戻るや否やマカニ・トモさん。トイレタイム中に抜いたことを告げてひとまず逃げることに。
60kmは5時間31分。貯金はだいぶ貯まってきたなとにんまり。
その後は後方から追いかけてくる選手がポツポツ。
まずは、ポカラさん!早く追いついてきてよ~。
KEROさん!頚大丈夫?
あれ? 前にいると思っていたジツイさん!
・・・な~んて挨拶を交わしつつ、ゲッツコレクションに精出していると、makotoさんがひたひたと迫ってきます。もう足音だけでもわかっちゃう。
後ろを振り向くと「(先に)行って、行って!」と声を張り上げていますが、ここはもう待ちましょう。![0519_nobeyama38 0519_nobeyama38](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/bb/21e5bfefba1ff46f316b70fc63aa1e56.jpg)
野辺山のコースを熟知していて、しかも何度も一緒に走っている彼とこの区間を走れることはなんとも心強いはず。
勢いづいてペースが安定(キロ5分20秒~30秒)。
・・し出したら、先ほどすれ違った紺野さんに追いついた。
今日は調子がよろしくないようでしたが、こんな機会は滅多にないので・・・
ゲッツコレクションに加えさせていただきました~。
さて、すれ違う最後のコレクションメンバーは、唯一女性のイタキチさん。
「イタキチさ~ん」「ハリ天さ~ん!」っとジャンプ!元気です。(カメラマンは飛びませんが)
やがてコースは左へ折れ・・・る分岐点でコーチさんの声援を受け、またまた元気いただきでした。
コースは静かになり、ハリマネが先回りしているはずの第2関門・滝見の湯(71km)へ向かいます。
そのままmakotoさんと二人旅は68kmあたりまで。ピッチもピタリ、いい感じです。
一昨年のTTR以来でしょうか。あの時の闇夜の引っ張り合いを思い出しました。
フォームが崩れず安定した走りは流石デカフォレスト(10回完走者に贈られる称号)!
上りで徐々に先行させてもらい、久々の一人旅。途中、車で先回りのmakotoさんの奥様からも声援をいただきました。
そうして、71kmの部のゴール地点、滝見の湯。まだまだOK、サブテンはかなり余裕・・とハリマネを安心させてそのままエイドはスル~。
ここから約5km、馬越峠(1620m)への急坂が続く最難関区間だ。とにかく走って上る。makotoさん情報によれば、峠を歩いても大丈夫とのタイムだったが、5年前の自分を思い出すとここは耳を塞いで少しでも稼ぐ。
雨はさほどでもなくなっていたけど風が強くて、折れた枝が突然落ちてくる。プチ嵐状態だ。
さっき抜いてきた「奥武蔵道場」のユニフォームを着た青年が後ろから迫ってきた。野辺山は初参加とのことで、この峠の上りだけはしっかり走り続けるつもりだと。そうだそうだ、同感だ。
ということで、二人でしっかり走る。歩いている選手を一人、二人とパス。
ハリマネ号もやって来てエールを送りつつ去っていく。
素浪人号もやって来て、お別れを。半日ありがとう!
奥武蔵道場の青年には流石について行けず、ジリジリと離され一人旅。
峠のちょっと手前で応援してくれていたハリマネにも、ここはきつくて笑顔返せず・・・(ショボン)
けど、帰って写真見たら、しっかり笑ってた。
一番ホッとした瞬間。無事峠を走り切れた。
さて、下り。初めてのウルトラ特有の筋肉痛が!下り始めはキロ6分を上回る。うへっ!
やがて痛みに慣れたらピッチも上がってきた。ゴールへ先回りする黒いビートルを見送りつつ、気持ちよく下り続ける。
下りきった80kmは7時間48分。だいぶ貯金をへずってしまった。
どうやら後ろからヤマジャンさんが迫っているようだけど、まぁ余裕もあるぜ。
しっかし、87km地点の大エイド。とうとうヤマジャンさんに被ゲッツされ・・てしまった。
・・・が、ヤマジャンさんがうどんを食している間にバナナだけで先にスタート。悪あがきだとはわかっちゃいるけど、ちょっと頑張って逃げてみよう。
自分ではいいリズム、いいペースだと感じているけど、時計のペースを見るとぐっと落ちている(キロ6分をかろうじて切っているくらい)。
90km地点(8時間46分)を過ぎて、さぁ、ラスト10km。
ただし問題の10kmだ。前回はここからはキロ13分なんていうあり得ないスピードに落ち込んでいる。半べそ状態の長い長い10kmだった。
今年はどうだ?
雨脚はぐんと強くなり、道路端は川のよう。風もよりによって前から吹き付けてくる。
さっき抜いてきた選手があっという間に再び抜き去っていく。
後ろに付こうにもペースは上がらない。今日は必要ないと思っていた最後へ来てからの時間計算が始まった。余裕はまだあるけど万が一ということもある。気は抜けない。
エイドで順位が入れ替わった選手に再び追いつかれたが、今度はしっかり併走。
ものすごく踏ん張っているうちにまた走れだしてきた。
上り坂、向かい風。実は、向かい風にカラダを浮かす秘術を持っているハリ天(内緒だけど)、なんと風よけ引っ張り役を自然と引き受けることに。
替わりに坂があとどれくらいとか、その後の詳細なコース情報を仕入れ、もう少しだからもう少しだからと我に言い聞かせる。
おかげで90kmではグンと迫られていたヤマジャンさんの姿は見えなくなっていた。一安心と腹が黒ずむ。
いよいよ残り5km。突然車が止まったかと思ったら、助手席から天狗ファンさんが飛び出してきて大声援を!故障を抱えたままの強行出場だったから、リタイヤされたか・・。
嗚呼、でも力になりました。嬉しいです。
残り3km。体育館のすぐそばを通るのでゴール地点のMCが高らかに聞こえてくる。
「さぁ、ラストです。思いっきり走って下さい」とずっと併走した選手に言われるが、坂が終わってホッとした途端、思うように足が出ない。
先に行ってもらい、最後のエイドで本日初めてのアンパンをドリンクで一気食い。
たたきつけるような横殴りの雨に向かって走り出す。さっきまで隣にいた彼はあっという間に遙か彼方。
ピッチは落ちてしまったけど、今日は最後までしっかり走り切れたな。実はタイムよりもそのことが一番の課題だったのです。
100kmという距離をダラダラとへたれることなく、たとえピッチは落ちるにせよ「走り切った」と胸張れるようなレースをしたい。
そう、これこそが5年前の自分へのリベンジ!
さて、残り2km。直角に戻るようにコースが変わります。強風に顔をそむけるようにして何気なく後ろを振り返ったそこには・・・・
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・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
衝撃の黄色のウエア!。折り返し(58km)以降、ずっと引き離してきていたはずのマカニ・トモさんじゃないですか。
4月の高水山トレイルレース、ハセツネ30Kに続いての追撃。恐怖の追撃。最後をマイペースで味わっていたハリ天、予期せぬよもやの終盤で大きな音を立ててスイッチが入ってしまいました。そんなスイッチどこにあったのでしょう。
我ながらびっくりするような「ヘンシ~ン!」です。
実はへそくりを使いました。へそくりが隠してあったのです。
さぁ、2000mの全力走のスタートです。直線で後方確認。トモさんも諦めていません。しっかり走り迫っています。しかし、思いの外へそくりはたっぷりあったのですね。ロケット点火を2度、3度。まだ上げられる、もっと行ける。いやぁ、こりゃ凄いぞ、自分。
残り1km。ラストを併走していた選手にも再び追いつき檄を。
前方に踏切。けど、電車が通過したばかりだったので止められることなく通過。
70km付近から前にいた女子選手にも並ぶ。並んだ途端ペースを上げるという彼女も相当な走力(女子総合2位でした)だったけど、すでにヘンシンしてしまっていたハリ天はさらに、「まだ持ってるもんねぇ」。余裕でへそくり投入。キロ4分ペースに突入。
最後のカーブを曲がり、前にはターゲットはいない。でも全部吐き出せ、全部出せ。たまにはいいじゃないか。へそくり全部使っちゃえ~!
MCの女性が高らかに名前を呼んでくれている。あぁ、トライアスロンのゴールみたいだ。
さぁ、ラスト10m!直前でせっかく手に持っているのだからと、止まらずにこの位置でしか撮れないゴールゲートを激写!
【激写の瞬間はこんな↓ by ハリマネ】
うぉぉぉ~!!!
柄にもなく、まさに心臓がクチから飛び出てしまったゴール!
ナンダナンダ、まだまだ走れるじゃないか。リベンジ達成の瞬間はこんなことが思い浮かんでいたのでした。
さて、1分もしないうちにマカニ・トモさん、ゴール!
彼のよもやの追撃で最後にものすごいスパイスが加わり、満足感もぎゅんとアップ。感謝感謝です。流石お料理上手!
そして、続いて連続サブテン中のヤマジャンさん。彼の10km以上に及ぶ追撃も苦しい苦しいスパイスでした。感謝感謝です。
最後を引っ張り合った彼にも感謝。
レース最後のつばぜり合いを一緒に演じてくれた彼女にも感謝。
かくして、ハリ天の野辺山リベンジは取り敢えず完結したのでした。
いやぁ、そりゃ苦しいですけどね、こうしてしっかり走りきれると・・・Qちゃんじゃないけど「とっても楽しい100kmでした!」って言っちゃいそうです(言ってるけど)。
詳細データや考察はさらに続きます。
【本日のトレーニング】
・10km_trail/77min.(ハリマネについて行け!)
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ハリ天狗マネージャーの笑顔いっぱい!