夜9時半、ようやく時間ができました。
29日は八ヶ岳・本沢温泉(通年営業では日本一高所の温泉)から、携帯で投稿の予定が・・・無情にもつながらず(一応圏外ではなかったんですけどねぇ)、残念でした。
氷雨強風~満天の星空~曇天~快晴~ガス・・・とフルメニューの八ヶ岳2日間でした。その一端を報告します。本日は時間がないのでとりあえず1日目。
■29日(土)
予報は朝の9時から雨。覚悟の出発。今回掲示板で知り合った同好の方々4人との山行。家族向けサブプランに乗っかった妻と長男も一緒に早朝5時半車にて出発。私はピラタス蓼科ロープウェイ駅で降ろしてもらい、電車利用の仲間と合流。妻と長男は別行動、別ルート(稲子湯~ミドリ池・しらびそ小屋経由で本沢温泉)で合流予定。さて、薄日も差すくらい、八ヶ岳も南アルプスもくっきりと見え、予報がいい方にはずれたぞとにやけたのも束の間、ロープウェイ山頂駅をスタートの時からさっそく雨。茶臼山~麦草峠あたりまではまだそれほどでもなかったものの、白駒池付近からは本降りに。高見石小屋では思わず雨宿り、雨具をしっかり着込む。標高が上がるにつれ気温もグンと下がる。手がかじかんでよく動かない。
中山峠、数年前にあったレースで通過していて、眺望に感動した覚えがある・・・が、もちろん何も見えない。天狗岳に登る頃からは風も一段と強まり、皆無言に。互いの顔をのぞき込むと皆、唇青く顔色さえない。スピードも出ていないこともあって体が冷え、口には出さぬものの早く温泉につかりたい・・・頭
の中はそのことばかり。夏沢峠経由で本沢温泉に下る予定は、さっさと変更。最短で本沢温泉へ。
ここでは予定より遅れていた我々を、まだかまだかと不安顔で妻と長男が待っていた。
まずは暖を取り、全てを後回しで温泉に直行。指の一本一本までがゆっくりと溶け出していくのがよくわかる。この日の終点が温泉とはなんとも絶妙。温かい風呂がこんなにもありがたきものとは・・・。生き返るとはまさにこの瞬間。
さて、夕食を済ませた頃より、天候は休息に回復。星も見え出す。長男にせっつかれ、ヘッドランプを灯して小屋から5分という露天風呂に向かう。5分はうそだろ、なかなかたどり着かない。しっかり山道を登るナイトウォーク。硫黄の臭いが強くなりようやく到着。服を引っかけておける柵があるだけの本当の露天風呂。服を脱ぐのが、その始末が、結構難しい。ライトがなければ真っ暗でなにもわからない。裸になると、おーっ、寒っ! 6~7人でいっぱいになろうかという小さな風呂だが、何ともいえぬ風情だ。しかも、時間が経つにつれ、あれよあれよという間に空の星はその輝きを増してくる。雨上がりの空気は澄み切っていて、星に手が届きそう。満天の星空の下での露天風呂、何とも贅沢な時間。みんなして見とれていると時間の過ぎるのを忘れていた。
現実に引き戻されたのは、長男の「なんだか心臓が痛い、気持ち悪い気がする・・・」の台詞。よし、じゃぁ出ようと体を拭いてやっていると、様子がおかしい。・・・うわっ、すっかり戻してしまってさっぱりする。たらふく食べた夕飯直後の温泉長湯でこりゃどうも湯あたりだ。
部屋に戻って8時半前には消灯。一斉に電気が消えてしまうので・・・こんなに早く寝られるのはチャンスとばかり、あっという間にスヤスヤ。
もう朝かなと目覚め、時計を見ると0時7分。うっすらと頭痛がするのは恒例の高山病症状。それでもまだまだ眠れたのだからよし。どうなることかと思った八ヶ岳縦走の初日。展望は全くきかず残念だったものの、悪条件の後の山中風呂というのは驚くべき絶妙の取り合わせ。この悪天候はこれを味わうための必須条件だったのでありました。