ハリ天狗の日々奮戦

天狗のごとく山を駆け、野を走る(かな^^;)。 東京は西の端・青梅発、全国行き。日々鍼を打つランニング鍼灸師の奮戦記。

水を訪ねて30000m(ハセツネ2/4)

2011年10月26日 | 大会レポート


【いざ出陣直前。漆黒な二人と】


悪魔が来たりて水を抜かれたハリ天。気持ちは十二分に立て直したつもり。色気満々だから現実には目を背け、メイクドラマのための舞台は揃ったぜと強気キープ。強いブログ記事が書けると張り切った。


【by オールスポーツ】

が、時間が経つにつれて事態は深刻だぞという割合が広がっていく。まだ市道山手前だよ。スピードダウン。完走狙いだということを再確認。天候は急激に回復傾向。富士山もくっきりと姿を現し始めた。何事もなければ最高の光景だが、ハリ天、心ここにあらずだ。よりいっそう心拍低レベルで進む。だけど水分補給せずにいたら筋肉がぴくついてきた。来た。いつもの痙攣が何気ない顔で近づいてくる。この心拍数では起こり得ないはずなのにだ。脱水の黄信号点滅だ。次々と後方からお馴染みの知人達が迫り来て遠ざかっていく。醍醐丸でも賑やかな大声援を受けた。手にぶら下げた黒い小さなかたまりが恥ずかしい。後でケノケノからはなんでハリ天さんデジイチ持って走ってるんだって思った、って言われた。見えないこともない。


【by オールスポーツ】

3時間23分で第1CPの浅間峠到着。ここでも大勢の知人が大声援を送って下さる。ありがたい。照れながら駆け抜けるがホントは大ピンチだよ。しばらく進み手に持っていたハイドレの残り200mlほどをボトルに移す。水と合わせてちょうど600mlだ。
闇があたりを覆い、風が強く吹いてきた。一気に心地よさが増す。ライトを点灯。日原峠、少し下れば水場があることは承知していたし、心配してくれた選手が水場のことも口にして下さった。が、完走狙いのくせに「少しでも速く」が「水場までの往復がもったいない」に勝ってしまった。涼しくなってきたこの時点では体はしっかりと動いていたし、迷いはほんの一瞬で過ぎ去ってしまっていた。
アクシデントになんか絶対負けないという気持ちは持ち合わせていたつもりだけど、スピードを落としたら落としたなりに色んなものも落ちてくる。急激に足が重くなる。安全ピンを持ち出すほどではないが確実に筋肉があえぎだしていた。三頭山への本格的上りが始まるまでは最初の稼ぎ所なのに遅くてイライラする。
あれ?ハリ天さんですか、どうしたんですか、これ飲みます?
色んな方の優しさが身に染みてくる。お気持ちだけありがたく頂戴致しました。感謝です。
その後もひたすら水分だけはけちりつつ進む。西原峠付近はぼ~っと通過。三頭山の上りも超惰性。ださい。避難小屋下の水場のことがチラリとよぎるがまたまた一瞬で通過。往生際悪く、まだまだあのボトル1本分の水分で大丈夫だと思い込んでいた。
ようやく三頭山に到着。6時間18分。あ~あ。のどがカラカラだ。水で薄まったガス抜きコーラが極上の味。でも一口だけ。下りの最中から何だかむかむかしてきた。気持ち悪い。ちょっと前までの強い気持ちも風前の灯火状態。一気に萎えてきた。鞘口峠からの上り返し。ミスターアイアンマン、初登場のKEROさんがやって来た。でも全くついては行けない。走れる黄金の区間も歩くようなスピードになってしまった。だけど確実に給水ポイントの月夜見駐車場が近づいている。希望の灯り目指して踏ん張るのだ。水をもらったらまずは思いっきり一気飲みだ。そのことばかり考えながら足を出していた。
悪魔に水を抜かれてから進むこと、およそ30000mの道のりだった。

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ハリ天狗マネージャーの笑顔いっぱい!

コメント (4)
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