ハリ天狗の日々奮戦

天狗のごとく山を駆け、野を走る(かな^^;)。 東京は西の端・青梅発、全国行き。日々鍼を打つランニング鍼灸師の奮戦記。

フィンランド世界戦アラカルト

2023年09月28日 | 日々奮戦


あまりに過密日程が続き、書き残しておくべき(自分用に)諸々のことが頭の中で散らかったまま早1ヶ月が過ぎ去ろうとしている。

とりあえず初体験だった世界戦での印象的なあれこれをいくつか。
フィンランド遠征の全般的な様子は妻のブログでよろしくです。

■スロット
現地での登録の際にCongratulationsといただいたスロット。
これが出場権取得証明。次はフルアイアンマンのスロットが欲しいよな。


【表と裏か裏と表か😅】

■パレード
どんなものかと思っていたら各国の国旗が用意されていて、アルファベット順にスタジアムをパレード。


MCが元気にパレードの選手と会場を盛り上げてくれていて、思いの外盛大でびっくり。いい記念になった。日本、結構人気だった様子。



■涙
8/27朝、スターティングエリアでスイムスタートを待つ間、実は涙を流してしまった。

周りは皆でかい外国人ばかり(65〜69歳の参加者は日本人は1人きりだった)。皆同じ年代なんだと思うと感無量。寡黙にじっとスタート時刻が近づくのを待っていた。
すぐ脇のフェンスの向こうにやはり同年代の女性たちの姿。夫を応援する奥様たちだ。手招きで離れたところにいる夫を呼ぶ妻、夫婦でハグを交わし、行ってくるよ、頑張ってねみたいな会話(英語じゃなかったな)。そして離れていく夫を見送る奥さんの眼差しを見ていたら突如涙が溢れて来て、まだ必要のないゴーグルをかけてしまった。
あの優し気な女性達の眼差しから、それまでの夫婦が歩んできた長い長い道のり(みんな65歳以上だからね)が垣間見えたような気がしたからだ。積み上げて来た2人の歴史が感じられた瞬間、目の前に妻の姿はなかったけど、自分達の姿とも重なり、胸の奥の方から突如熱いものが込み上げてきたのだった。そんなスタート前の大切な光景だった。



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母の命日に

2023年09月25日 | 日々奮戦

【9月19日早朝、赤岳山頂にて】

今日、9月25日は36年前、58歳でこの世を去って行った母の命日。
亡くなる2日前、秋分の日の夜、病室で家族だけで紅白のワインで母とお別れをした。そうしようと母が言い出したのだ。
お酒を飲まない母が一口ワインを口にしてあぁ美味しいと一言。そして「お父さんをよろしくね、兄弟仲良くね」とだけ口にした。

2013年9月、私は母の生きた歳を超えた。さらにそれから早くも10年の年月が過ぎて行った。母が見ることがなかった10年、悔いなく充実した日々を送って来たと自負している(思い込んでいる)。
父とは色々ぶつかりながら(一方的だけど)よろしくしていたら一層元気になって今年の4月96歳の長寿を全うした。
もう一つ、大阪にいる弟とはとっても仲良くやれている。それぞれ子ども達が独立し、山に興味を抱き出した弟夫婦達と兄弟登山に興じるようになった。去年は燕岳、今年は先週八ヶ岳で仲良くフィーバーして来た。こんな話をしたなら「あら、いいじゃな〜い」とものすごく喜ぶに決まってる母の顔が目に浮んだ。自分じゃ山なんか金輪際登らないと明言(昔、雲取山へ行き懲りたらしい)していた母の顔が。

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リアルシミュレーション

2023年09月24日 | 日々奮戦


昨日は10日のハセツネ前半部試走会に続き、チーム獣人・ケグさん主催の「ハセツネ・リアルスタートシミュレーション」にスタッフとして参加。


【スタッフ】

2週間後に迫るハセツネに向け、同時刻(午後1時)にフル装備でスタートしレース当日のシミュレーションが目的。ハリ天のミッションは浅間峠までを5時間20分という設定で引っ張ること。
前回よりちょっと早目。コース上ではスズメバチが暴れている状況が報告されていて、スズメバチ対策も入念にしていた、、、のではありますが、天候は雨。今熊神社からの登りまでは滝汗も、あとは涼しいレイントレイル。強い降りになると小川のように水が流れ落ちて来る。


【醍醐丸にて】

醍醐丸でライト装着。動いているので寒くはないが、状況はまさに本番のシミュレーション的に。
ペーサーとしてはチェックポイントの入山峠、市道山分岐、醍醐丸と少しずつ早く通過し、滑るトレイルに若干苦労しながらも浅間峠は5時間15分と今回も理想的ペース配分に成功。


【下山中最後尾でこんなことしてたらすぐ遅れをとる羽目に。でもビュンビュン行けたのでまだまだトレイルOKだな】

浅間峠からは完全にナイトラン。皆さん快適に飛ばして上川乗のバス停へと。
ほぼ1年ぶり(昨年のハセツネ以来か)の雨中ナイトトレイルラン。気持ちよくて楽しかったぞ。

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Ironman70.3World Championship Lahti/Finland 参戦記

2023年09月16日 | 大会レポート


佐渡レポから遡り、ようやくフィンランドでの世界戦レポ!

【朝〜スイム1.9km】

前日土曜日の女子のレースは朝の霧が濃くてスタート時間が遅れた。が、日曜日(8/27)、天気はいいぞ。


【スタート時刻が早い先発組】

6時半。ツアーで手配して下さったタクシーでスイムゴール(バイクトランジット)地点へと向かう。


【後発組と応援団に見送られて】

前日預託済みのバイクチェック。問題なし。あまり神経質になると墓穴を掘る傾向があるので、ここはサラリと。


【夜明けのバイクトランジットエリアは壮観】


【セッティングOK】

選手が続々と集まって来ているが朝、一緒にホテルを出た2人と別れてからは日本人には会わない。国際大会だ。スイムスタート地点へ500m程移動。


【スイムコース最初のターンの目印ブイ】

第5ウェーブのM65のスタート時間は8:22。時間はたっぷり。適当な場所でとりあえず横になる。ストレッチしてみる。ちょっと歩き回ってみる。


【国旗が目印】

応援団も集まりだし、日の丸の旗が見えてすぐに妻にも合流できた。
フィンランド国歌斉唱からのプロのスタート。やっぱり迫力。

【プロフェッショナル部門のスタート。流石にカッコよくて迫力満点】


【雨がパラついたと思ったら虹出現】


【いざ出陣!ウェットスーツは10年以上ぶりのおニューだぜ】

今回がデビュー戦となる新しいShiromotoのウェットを着てスタート待機ブロックに移動。M65(65〜69歳)の出場選手は90名。うーん、そうだよなぁっていう年寄り連中が集まって来る。ただ、でかい、みんなでかい。小柄な選手でも胸板厚い、腕太い。流石に皆様緊張の面持ちで寡黙になっている。
後ろに並んだアメリカ人選手が周りの選手に声をかけまくっている。Hi ! とハリ天にも声をかけて来た。日本からだと答えると、今度はそれまで挨拶を交わしていた選手たちを紹介してくれる。彼はオーストラリアだ、スペインだ、そしてオレはUSAだと。互いに握手を交わし健闘を誓い合う。勢いづいて前の選手に思い切って声かけ。おぉ、南アフリカからの選手だった。そしてその隣はイタリアーノ。
こうして世界から同じ年月を生きて来た同世代の同好の士が集う。心がギューンと震えた。なんだか熱いものが込み上げで来る。
MCの盛り上げも音楽と共に迫力で迫って来る。やがて番が巡って来た。6人ずつ10秒ごとのローリングスタート。M65の最後列になってしまったが初めての1人ずつのエリアがあるスタートゲートを越え湖にダイブ!頭から行くと格好いいけど、もう何年も飛び込みなんてやってないので安全策で足からドボン。

【M65エイジグループのスタート風景。プロとはかなり違う😅】

6〜7人ずつのスタートなので混乱やバトルとは皆無。気持ちよく自分のペースで泳ぎ始める。水温は18℃くらいらしいがウエット着てるし快適だ。なんたって塩素ないから久しぶりの堂々鼻から息を吐いて口から吸う。楽で気持ちいいなぁ。
まずは500m先の黄色いブイを目指す。左に折れ沖に600m。前にいた同じオレンジキャップの選手何人かに追いつき追い越す。悠々と。が、しばらくすると後方から次のグループの先頭が追いついて来た。
これが恐ろしいほどのスピード。スイスイと気持ちよく泳いでいる横をスーパーカーが通り過ぎるくらいの速さであっという間に前方に消えていく。その速度差には呆然だ。次々に水色キャップにパスされる。みんなはえ〜。
また黄色の大きなブイを右にカーブ。最後にもう一度右に曲がりフィニッシュまで頑張る。スイムゴール地点は湖から木の階段があるのだがこの一段一段が高い。ボランティアが手を差し伸べてくれていて、早速ありがたく手を借りる。とてもじゃないが1人でよじ登るのは大変なほど。


【高さがある段をよじ登るのが大変だった😅】


スイムフィニッシュは45分ちょうど。まぁ、予定通り。気持ちよく泳げればOKだ。



【バイク/90.1km】

トランジットエリアは広い。脱いだウエットスーツを抱えて走る。



【バイクトランジットエリアへ向かう】

妻から声がかかった。いい感じだよ。預けてあったバイク用のバッグを取りバイクラックへと急ぐ。端から端まで移動する感じ。遠い。

【端から端までの移動になった】

バイクにまたがりスタート。最初のこの勢いは気持ちいいが、いい気になると大変なので落ち着いてペダルを回す。
広い道路の街中を抜け郊外へと。右側通行がどうにも落ち着かないの。ついつい左側に寄りがちだが、後方から速いバイクは左側を抜いて行く。邪魔、邪魔。慌てて右端に寄りKeep Right。ソーリー。
外人は総じてバイクが強いという認識だったけど、もう確信確信。すごい勢いで左側を抜けていく。自分だって十分満足のいく速度で巡行しているのに、だ。
しばらく行くと路面が濡れている。ポツポツと雨粒も感じるように。そして結構な降りになってきた。涼しい。
バイクコースはrollingという。要するにアップダウンがあるよ。下りカーブもたいていは見通しがきくのでDHポジションのまま下ることにする。スピード感がたまらない。自分的にはかなり攻めた下りなのに、まるで小さな子ども扱いされているかのように左側を超特急が駆け抜けて行く。どうするとあんな速度で下れるのか。路面が濡れて光り出したら余計に感じた。
長閑な牧歌的風景が続いていて晴れていたらもっともっと素敵なはず。それが残念。
雨脚は次第に強くなり、ヘルメットのシールドを叩きつけてくる。メーターの数字がよく見えなくなって来た。気温もかなり低そうだがそれはあまり気にならなかった。のだが、、、流石にずぶ濡れ状態でかっ飛ばしてるので冷えて来た。
残り30kmを切った頃からこれはもしかするとやばいかも、、、と。安全策で下りでハンドルバーのブレーキパッドに手を置くと体は開き前面に雨風が当たる。これがやたら寒い。慌てて体を縮こませてDHポジションに復帰。風の抵抗が少ないことが改めてよく知れる。寒さはだいぶ違う。だけどDHバーの先端を握る手が寒さでかじかんで来る。紫色だ。補給をとろうにも指先がよく動かないし片手操作も怖くなって来た。速度が落ちる。左脇を寒さなんて何のそのと言った感じで馬鹿でかい外国人選手がかっ飛んで行く。ひえ〜。寒さで動けなくなっている選手もチラホラ。救うことは出来ないから心ばかりのエールを送る。が、自分も余裕がなくなって来た。速度が落ち、パワーも落ちると余計に寒さが浸透して来る。これもまずい。脚は動く。ならば、回せ回せ。クルクルととにかくペダルを回し続け、ようやくバイクフィニッシュのメイン会場に近づく。
最後に1番の急坂が待っていてちょっと慌てた。その坂を越え、右に急カーブしてバイクゴール。これで寒さからとりあえず逃れられると一安心。妻もここで迎えてくれた。2:58:58 ギリギリアベレージ30km/hを死守した感じだ。


【とにかくさ、さ、寒い!】


【手がかじかんでヤバい!】

【ラン/21.1km】

広い室内のバイクトランジットエリア。降車ラインから自分のバイクスタンドまでが遠い。
さぁ、補給だ。腹が減ってるとかではないがなんかエネルギーを入れないと体が温まらない。




【バイクで補給出来なかったジェル投入】

さて、元気よく走り出したはいいが、前ももが痙攣したかのように突っ張っていて走りづらい。というかまともに脚が動かない。寒さで固まってしまった感じ。トイレにも立ち寄る。スキーの世界選手権とかでは有名な土地、大きなジャンプ台があり、その下に立派な400mトラックを備えた競技場がある。前々日のパレードで日の丸を先頭に皆で練り歩いたところだ。


【はじめはとにかく脚が固まっていて動かず泣きそう、、、】

ここに入りトラック1周してコースに復帰。脚の感覚が戻って来ない。ランスタートを見送ってくれた妻が待っていてくれた地点まですぐそこだったはずがずいぶん時間がかかってしまった。遅いので案の定心配していたらしい。
アップダウンを繰り返す序盤。後方スタートのツアーで一緒の若者に追いつかれ抜かれた。軽い足取り。こちら脚がうまく動かない。この北欧の地までやって来て最後のランが歩きみたいになってしまうのか、、、とがっかりしかかったが、そんなことは自分で許せない。止まらず脚を動かし続けていたらだんだん体も温まって来たようで4km過ぎくらいからペースが上がって来た。よし、粘れ。
一気には上げないよう落ち着いて1周目を終える。

【2周目突入。これからトラック1周】


【2回目のトラック1周が終わる】


【別人のように余裕が出てきた】


2周目はコースの様子がわかったので戦略的に走る。周回コースはこういう計画が成り立つので案外いい。途中、ペースが合う選手と競り合いながら攻めることが出来るようになった。なんとか5分ちょうどから4分台に突入。それでも後ろのウエーブでスタートしている若い選手にはガンガン抜かれる。恐ろしいスピードだ。自分がヨレヨレになっているのかと錯覚してしまう。
ところでエイドでは積極的にジェルに手を出す。景気がいいぜチャンピオンシップ。なんたって高額のモルテンのジェルだ。ウエアのポケットにも突っ込んでお土産用にも。美味しいジェルだ。ランコースの後半は住宅街も通過する。地元民の応援も熱心で嬉しい。ここは日本ではなく声援がとっても新鮮。気持ちも盛り上がる。


【スイム会場の湖に。あと3kmくらい】

スイム会場の湖畔に出てラスト1km。嗚呼、もうじき終わってしまうのか、、、なんて余裕も出て来ていた。
フィニッシュ地点は大盛り上がり。ゴール手前で妻も待ち構えていてくれた。

【フィニッシュ手前】


【サングラスは外してと、、、】

目標タイムには及ばずも最低ラインの6時間は切ることが出来た。大満足とは言えないが色々な条件を考えると合格かな。


【フィニッシュ】


周りに日本人が1人も見当たらない初めてのチャンピオンシップのフィニッシュラインは独特の不思議な空間だった。



<完>

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スタミナ・・・

2023年09月09日 | 日々奮戦
ガーミンのスタミナ表示、、、「タンクに残った燃料の量」を知ることが出来る。のだが、、、
自分史の中で堂々「壮絶ランキング」のトップ10入りを果たした佐渡トライアスロン。 Garmin connectのスタミナを確認したらとんでもないグラフが出て来た。

【バイク90.1km】         【ラン21.1km】

バイク6時間を経過したあたりで終了しているじゃないか。ランスタート時に既に「1」(1は実質ゼロってこと、終わっていたということ)。これは笑い話というか大いなるネタだ。
そもそも今回驚いたのはスイムが終わった時点(バイクスタート時で既に54%しかない)で相当にくたびれた状況だったのか。これはかなりの検討事項っぽい。

 Garminのヘルプ解説によれば、「スタミナ」は現時点でのエフォートレベルに基づき、アクティビティに残っているスタミナの量のこと。以前のアクティビティ実行時の運動量や、実行後の回復時間も考慮されるとのこと。

ちなみに1週前の世界戦と世界戦のスロットを獲得した6月のレースでのスタミナも参考までに。

■Ironman70.3World Championship(2023.08.27)

【バイク90.1km】          【ラン21.1km】

■Ironman70.3東三河(2023.06.10)

【バイク90.1km】          【ラン21.1km】

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2023佐渡国際トライアスロン大会完結

2023年09月08日 | 大会レポート


遠く超涼しかったフィンランドからの、酷暑が続く新潟県佐渡島だ。今年は当初からAタイプ参戦が決まっていた。ここ2回(2019,2022)ほど短い方のBタイプ出場が続いていて、振り返ってみたら2018年以来5年ぶりのAタイプ参戦だった。スイム4km、バイク190km、ラン42.2km、総距離236.2kmの日本最長トライアスロンだ。
フィンランドでのIronman70.3世界選手権の後、まさかのロストバゲージでバイクだけでなく決戦セットが戻って来ない事件のおかげですっかり開き直り、佐渡は気楽な気持ちで迎えることが出来た。落ち着いていた。ただ、連日の熱中症アラート発令でまさかの開催危機。前日のジュニアトライアスロンは中止。大人の部は当時午前4時に全面開催が確定。ホッとしたのは当日の朝だったのだ。


【まだ夜明け前のトランジットエリア】


【TTバイクがフィンランドから戻らず、ロードバイクで参戦】

■スイム(4km)1:33:51(704位)
フィンランドの前にウエットスーツをついに新調したので、本来ならもう処分したはずのあちこちに破れがある古いウエットスーツ、万が一のためにちょっと取っておこう。なんて長年愛用したからただ捨てられなかっただけのウエットに「万が一」の機会が早々に訪れてしまった。
発表された水温は29℃。ウエット不要の水温(25℃以上は自由)。ただこの高水温でクラゲが大量発生しているので、、、そうでなくても当然、暑くても着用。


【スタートエリアへ向かう】

1周2kmの三角形のコースを右回りで泳ぐ。一度浜に上がって2周回の合計4kmのスイムだ。



スタートはほぼ最後尾の大外。ひたすら混雑回避作戦だ。おかげで誰の足にも触れず触れられず悠々と進むことが出来た。水は澄み気持ちいい。浜へ向かうときは朝陽が眩しいが進行方向を定める目安になってよかった。のんびりスイムジョグって感じ。
浜へ上がり時計を見ると46分。スタート時のロスを引けば、まずはいつも通り。
応援の妻たちに大きく手を振ったが気づいてくれたかな。
2周目突入。引き続き大外コース。左呼吸でブイは見えにくいのだけど、左手にいるサーフボード上のライフセーバーの方々を目印にするので大丈夫。すっかり海にも泳ぎにも馴染んだので1周目より気持ちピッチを上げる。2ビートがしっかり打てるようになっていく。本番なのに今更の練習モードだ!
塩素アレルギーが出て、ほとんどスイムの練習はしていないので欲はかかない。久々の海での泳ぎを楽しもうと思った。その通りに楽しめた。嫌だったクラゲの被害もほんのちょっぴりで済んでやれやれ。


【 Garminより。ま、ちゃんと真っ直ぐ泳げてるな】

スイムフィニッシュは1時間33分。うーん、遅いが最後尾スタートのロスを考えればまず実力通りかな。



■トランジット9:39
もう処分すべきウエットなので乱暴に脱ぎ捨ててもいいのだけど、やっぱりね丁寧に脱ぎ、トライスーツを下に着ていないのでバイクジャージをあらためて着る。ヘルメットを被りバイクシューズを履いたところでトイレに行きたくなった。先に行っておけよと1人ツッコミ。スイム後トイレは実は初体験。

■バイク(190km)7:56:19(605位)
さて、今日はロードバイクだ。昔ヤフオクで落札した古いピナレロ。昨年の徳之島に続き、もうないと思っていたのにまさかの再登板。メーターもなし。


【10年前くらいにヤフオクで購入のピナレロP3】


【バイクスタート。今日は旅感覚で】

戦闘的はTTバイクではないが、佐渡島一周の長丁場だ。いつものZwift感覚でしっかり走ってやる。自分的には普段乗りの感じなのでロードバイク参戦、なんの問題もない。



下ハンで風を切る。高級TTバイクに徹底抗戦だ。と、あんまりムキになってはいけない。しっかり冷静に心拍140付近を目安に進む。
小さなアップダウンを繰り返し海岸線を進む。すっかり目に馴染んだ佐渡の風景。実りの季節を迎え黄色くなった稲と青い海と空。このコントラストはいつもながら本当に美しい。


【写真はレース翌日に】

澄み渡った海を左手に見ながらやがて佐渡トラ名物「Z坂」。多くの人がウヘーっと嘆く急坂だが、ハリ天には好物。このエリアでこの位置だと抜かれることはまずない。精神的にモリモリと力を頂戴する区間だ。
今年もしっかり抜きまくり、そのまま大佐渡を。大野亀、二ツ亀の坂も相当に稼がせてもらった。
大佐渡を回るとどんと南下。下り基調でしかも追い風。上り坂で落としていた平均速度を盛り返すようにビュンビュン飛ばす。1週間前のレースならバイクゴールの90km地点は3時間半弱くらい。微妙だがまぁこんなものか。今日はまだ半分に届かない。急にその距離の長さに圧倒され始める。
100km地点を過ぎ両津の街を抜け再び海岸線に出た。と、ここで急に右内転筋に痙攣勃発。やばいやばい。まだあと半分。こんなで痙攣が来てしまうのか。
速度緩め、右足を休めるように左主導でペダルを回す。が、いきなりの痙攣はかなりしつこい。残念ながら安全ピンを持っていない。仕方なく手のひらでパンパンと腿を叩く。なんとか復帰。
・・・が、もうこの時が地獄の始まりだった。以後、右、左、右と同じ内転筋の激しい攣りが続くことになったのだ。富士登山競走の前に仕込んだ秘密の梅粒を投入しようとしたら振動で全部ばら撒いてしまうという失態。気持ちも落ち込む。足が動かないので心拍ぐんぐん落ちる。
ゆるゆると抜いて行った選手に全くついていけない。情けなさ爆発だ。
激しく腿を叩きまくり、いっときは回復するのだが安全ピンの時のようにはいかない。
とうとう止まり尖った石のかけらで突く。応援の女性に大丈夫ですかと声をかけられたので「安全ピンとかお持ちではないですか?」と。うーん、持ってるわけないですね。
こうして迎える後半の激坂はやはり名物小木の坂だ。この区間だけは何故か奇跡的に痙攣が治まってくれてまたまた数十人を抜き去ってしばしの幸福感に浸らせてもらった。
が、残りの10kmほどはもう時速15kmとか、、、あり得ない。それ以上回すと両足いっぺんに痙攣が来て、本当に動けなくなってしまう。もうヤダヤダと小学生かお前は。2016年のケアンズの時より酷いかもしれない。暑いし、向かい風だし。
泣く思いでようやくのバイクフィニッシュ。嬉しい。変な「嬉しい」。ホントはあってはならない「嬉しい」。

■トランジッション
降車ラインでなんとか降りることは出来た。が、バイクを押して前になかなか進めない。バイクラックの列を間違える。バイクをラックにかける所まではよかったが、バイクシューズを脱げない。やっと脱いだが今度はランシュー問題だ。なんとかソックスまではクリア。ランシューに足を入れるが踵を入れられないのだ。靴べらを用意してあるがかがもうとすると足が攣る。そんなではどうしようもないと思い切ってかがめば今度は腹筋が攣った。悶絶だぜ。ため息。
ドスンと尻をついて座り込み、延々と時間を費やしランシューに足を入れることは出来た。でも締めることは諦めた。シューレースを引くだけでいいのに、、、それが出来ない。バイクラックの隣の選手が来た。オレ、すげぇ邪魔。すんません。場所を空けるのに時間がかかる。いざって横に移動。立てないのだ。嗚呼。

■ラン(42.2km) 5:10:28(349位)



なんとかスタート。もちろん歩き。足を前に出そうとするとバイクの時の内転筋ではなくハムストが攣りそうになる。そろりそろり。


【妻の前で走ろうとしたが、、、いたたたた〜】

ピンクの応援Tシャツのバラキンの金髪アフロの妻がもうやめてもいいよと。このまま歩きでは制限時間に間に合わないと計算しての声だった(後で聞かされる)。ボーッとしているハリ天、後は全歩きでも大丈夫だと思い込んでいた。歩きでもいいのだから止める気は全くなかった。とにかく水を被り、水を飲み、前に進めだ。


【頚、前に落ち、腰、曲がる】

まともではない歩き。なんか気持ち悪いしな。ひょこひょこと。ギラつく太陽は全身を焼き尽くす勢い。萎びた足は全く走れない。エイド毎にザブザブ水をかけてもらいなんとか命繋いでいる感じ。
最初の折り返し付近、4kmで41分もかかっていた。
体びしょびしょで歩き続けて折り返すと少しは走ってみようかという気が起きてきた。走り出す。キロ9分から8分、7分。案外行けるものだ。キャンプ場前、妻のあれ?という顔。元気はないが走れるようになって来たよ。スタートゴール会場に戻り、街の方へ。2度の折り返しで商店街を抜け2周目へ。


エイドでは水を被りまくり、コーラとお茶と水、梅干し。歩きながら補給。しばらく歩いてから徐々に走り出す、、、を繰り返す。そうしているうちに時々は5分台にまで突入。いい感じだ。陽が傾き始めるともっと走れるように。ちょうど陽が沈む頃にいつもお世話になっているカメラマンの小野口さんの前に。ダッシュで距離を広げて逆光写真撮って下さった。ラストですかと聞かれたが、、、今日はまだあと2周。


3周目はかなり快調だった。乗って来た感じ。コースに残っているのは赤ゼッケン(Aタイプ)の選手のみ。暗くなって涼しくなったためか平均して皆走れるようになっているみたい。


ラスト1周回。少し気が緩んだで速度落としたら、自分のナンバーカードに近いナンバーの選手に抜かれたことに気づき、これは負けてはいられない。まだそんな火が自分の中に残っていた。最後の力を振り絞り速度アップしてラスト5km。
ゴール地点へ向かう直線路は妻が歩道を並走してくれた。けど、速い。引きずられるように足を運ぶ。フィニッシュゲート前を通り過ぎ、あと2kmほど街中を。
最後の商店街ではなんとタッキーさんが迎えてくれた。


もう終わると思うと不思議と足が動くようになる。そしてついに長い長い1日が終わる。午後8時50分、朝6時にスタートしてから14時間と50分。佐渡ワーストタイムだけど、無事最後まで動けたし、終わり良ければ全て良しの笑顔でフィニッシュ完了。


■ゴール(236.2km) 14:50:17(471位)

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格別のフィニッシュ

2023年09月06日 | 日々奮戦





【雑誌「Triathlon Lumina」他で大活躍中の小野口健太カメラマンより(Instagram →@k.onoguchi) 】

酷暑の佐渡トライアスロン。妻まかせにしていたレース報告&結果でしたが、レースレポの前にとりあえず。
写真は小野口カメラマンよりいただきました。Special thanksです。
記録は佐渡ワーストでしたが、記憶にガッツリ刻まれる格別なフィニッシュ写真になったなぁ。(苦しかったんじゃないのか?なんか楽しそうじゃん)


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一件落着

2023年09月05日 | 日々奮戦

【お帰り、長い旅だった】

フィンランドから帰国の際、最後の最後で爆弾喰らう。
まさかまさかのロストバゲージ。バイクケースが飛行機に積み込まれていなかった、、、だなんて。
当然のようにバイクケースの中には、TTバイク以外にもウエットスーツ、トライスーツ、バイクシューズ、ランシューズ、ヘルメット等々の決戦用具が。佐渡どうする!
つい1ヶ月前に新調したウエットだったが、数ヶ所破れていた古いウエットを何かあった時用にと捨てていなかった。これが見事に生きた。バイクはロードレーサーで。ヘルメットも昔ケアンズで仕方なく購入した安物だったが処分していなかった。その他諸々掻き集め、無事佐渡に渡ることが出来、酷暑の中、佐渡ワーストながら完走を果たせた。
涼しく快適だったフィンランドだったがレースの時だけ大雨極寒。1週間後の佐渡島は暑さで開催すら危ぶまれるという酷暑。記憶にしっかり刻み込まれる忘れられない連戦となった。
本日、無事にバイクケースが届いた。
恐る恐る開けると意外や意外、フィンランドの香りがふわ〜っと漂った。


【一気に洗濯乾燥】

Ironman70.3 World Championshipのレポ、そして酷暑の佐渡レポ。自分の記録のために残さなきゃだけど。が、とりあえず一段落ということで。

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