ようやくハセツネレポートです。サラリとは行かず、こってりレポになりました。
■スタート前
掲示板で予告済みのテーピングサービスで今年のハセツネは幕開け。10人以上の方々にテーピング。やっぱり腰や膝や足首等々、不安を抱えている人は多いです。今年は自分の膝の処置もしなけりゃならないけど、ここは一発プロの技を。ゴール後に喜んでいただけて、走る前に汗をかいた甲斐があったというもんです。
なので、スタート前は余裕と思っていた3時間余りの時間なんてあっという間。レースの荷造りもここでゆっくりとなんてちょっと甘かった。時間がない!バタバタと慌て出すハリ天(そのくらい家でやって来いって)。
でも、バタバタしながらも懐かしい人、レースでしか会えない人・・・同窓会状態の一角は熱気でムンムン。この輪に夫婦共々入れてもらえた幸せを味わう大事なひとときでした。
さて、過去8人のハリ天とのバーチャルかつリアルレースの始まりです。
■スタート~第1関門(浅間峠・22.66km)3:18:17(151位)
あまりの人数にスタートの不安(一昨年の富士登山競走の悪夢)がよぎり、とにかく安全に安全にスタート。でも流石に興奮押さえきれず、心拍数は高い!あと、天気が良すぎて暑い。
走りながら知り合いを見つけては近況報告会。
先を急ぐ気持ちは今はなし。
入山峠前後、chinさんのチームメイト・ひげちゃんやリキちゃん、fujiさんと楽しいトレイルラン。
【走り出して約1時間。こんなに汗びっしょりはリキちゃんとハリ天だけだった・・写真はリキちゃんのお尻】
オールスポーツの写真撮影ポイントで~す。社員も笑顔です。ってカメラマンもです。
浅間峠まではいい加減に走ろうと決めていたので、非常に気分は楽。なのに(ちょっとは欲があるもんだから)心拍数がやや高い。
かきぴさんと一緒に応援のため登ってきてくれているハリマネには、通過予想タイムを「3時間15分~30分の間」と伝えてある。その通りの18分で到着だったけど、直前の急登で毎度お馴染みの痙攣が一発やってきているのは、やっぱり欲のかきすぎ。
3時間18分はハリ天4番目の記録。でも、まぁ余裕あるからいいかな。
応援の人達の写真を撮っていたら、キャーキャー喜ばれた(あきれられた)。
それにしても声援を受けるとホント元気は湧いてくる。昨年50代初の10時間切りを達成されたSoumaさんが体調不良でリタイア。ここで「頑張って」と声をかけられ、パワーをいただく。
rikaさん達からも盛大に応援を受ける。ありがとう!!
■~第2関門(月夜見第2駐車場・42.09km)6:32:37(104位)
浅間峠を過ぎてからようやくスタートと言い聞かせる。ここまでがえげつなく、ここからは走れる区間がかなりある。
春のTTR同様、「走れる区間をしっかりと走る」。
暗くなってそろそろライトをというころから、先行していた知人の背中が次々見えてきた。
神戸のモリバタ氏・kojikenさん・・・。
抜いて、振り向きざまに1枚と思ったら「あっ、今カメラ出そうとしてるでしょ。」ってkoikenさんに簡単に見破られてしまった。あわてたらブレブレ。なのでやり直し(フラッシュ使用)。↓
暗くなるとスピード感が増し気持ちよく走れる・・気がする。闇を渡る風になるのだ(またまたカッコイイ)。姿が見えてからなかなか追いつかなかったのはhiroさん。結果的に随分引っ張っていただいちゃいました(後で後ろからプレッシャーで困ったと笑っておられましたが)。
三頭山の上りに入るとかどさん。後ろからはDiet Go Go!!さんも。暗い山道だけど、苦しいながらも知り合いと二言三言言葉を交わしていると気分はぐんと楽になる。
今年はあっという間の三頭山。イイ感じ。頂上では役員の方から「おぉ、50代頑張れ!」と特別にハッパをかけていただく。
元気に下り始めたけど、ここらで疲労の第1波到来。ガツンガツンと下らず、5~6人の集団の最後尾で普通に走る。
鞘口峠からの上りは流石にちょいダレ。登りきると集団からちぎられた一人の選手の後につき、ダラダラ走る。ペースはぐんと落ちてしまったけど走れているからいいやって感じ。
40km地点付近から、また突然ドアが開いた感じでスピードアップ。とっても気持ちいいスピード感。たぶんこのあたりで同級生強豪選手(目の上のたんこぶ)Goさんをかわした模様。何故気づかなかったんだろ・・・。
奥多摩周遊道路に出ると堅い路面の感触がなんだかうれしく、更にスピードアップ。第2関門の煌々と照らされる灯りにホッとする。
寸前に鳳凰三山でお会いしたTukamuraさんに追いつく。
関門では水を1リットル補給、スポーツドリンクを0.5リットル飲み干し、大急ぎで一気に通過。
バーチャルレース編は2位にアップ(ちなみに4年前・48歳のハリ天がまだ約8分先行中)。
■~第3関門(御岳山長尾平・58km)9:09:44(72位)
給水で気分転換でき、走りも軽くなっていると、間もなく目の前にakihageさん。突っ込みすぎたと歩いている・・・化け物級に進化中だっただけに残念。しばらくおしゃべりジョグモード。でも内もも痙攣ピクピクで安全ピンは右手に持ったまま。この安全ピンの痙攣止めの術は完璧に機能、実に頼りになる。ビクンと来ると全く走れなくなるが、安全ピンを使えばたちどころに回復。ただ、この痙攣対策がハリ天にとっては大きな課題であることは確か。
45kmポスト手前で何とmakotoさんにも追いつく。ちょっと目を疑うが間違いない。後半にバカ強いmakotoさんのことだからどうせ後で追いつかれるだろう、とりあえず滅多にないことなので先行!一気に惣岳山、御前山を越える。三頭山の下りで先行されたかどさんの姿が。下りで何人かかわして進むと、ハコネで一緒にゴールしたポカラさんに追いつく。さらに程なく山じゃんさん。二人に先行して進むとhiroさんにも再度追いつく。
気づいたら、この日のレースは先行している知人を一人ずつ捕まえていく旅になっている。次は誰かな、楽しみ楽しみ。
ここまで来ると追いつけそうなのはあと一人・・。
大ダワを過ぎ、50km地点も通過。ちょっと腹が減った感じが気になるけど、今回は固形の食料を持っていない。う~ん、失敗したかなぁ・・・と考えながら走っていると、道の真ん中にビニール袋発見。中にはかむかむレモンやパワージェル。堂々たる落ち方、これは拾ってやろう・・・。でも誰のだかわからないから、いざとなったらかむかむレモンもらってもいいかな。ちょっと安心。
それだけでまたぐいぐい走れるようになった。
初参加の時の真夜中、突然ひっくり返って動けなくなった忘れもしない地点、今やあっさり駆け抜ける。体も足もきついがここらへんもしっかり走れて稼げる区間。
前後に選手が見えない。たった一人のランニング、参加者が多くなってあまり味わえなくなったけど、静かでとっても嬉しい貴重な時間が過ぎる。少し疲労の波が来ていたがいつの間にか去っていってくれた。大岳山の上りも行ける!
あっという間に頂上・・・に着いたぁと思った瞬間、目に飛び込んできたのは岩の上に座り込んでいるペターくん。「さぁ、見っけぇ!」
昨年のハセツネの表彰式会場で話したのが初めてだった青年に、今年はずいぶん遊んでもらった。いつも彼が先行、後半ハリ天が追いつくというお決まりのパターンが出来上がっている。先行していくときの嬉しそうな笑顔、追いつかれた時の苦笑い、どちらもなんだかいいんだよなぁ。
「今日は、最後まで一緒に行こうよ」無理やり促して走り出す。「かむかむレモンあるよ~」って何気なく口にしたら、「オレ持ってますよ、食べますか? あれ?ザックが開いている」・・・なんと拾ったビニール袋はペターくんのでした。
岩場を過ぎ、しっかり走れるようになり、エンジン全開で下り出す。ペターくん、もう無理と離れて行くから、下から「絶対についてこいよ~」と怒鳴る。御岳山ロックガーデン上の水場で顔を洗っているとしっかり追いついてきた。後は平坦。さすがに走り込んでいるから今度は引っ張ってもらう。実はこれが作戦。このあたりは一人で走るより、誰かと並走するに限る。走力もわかっているペターくんと一緒は実に心強い。彼だってそう思っているに違いないともう半ば強制的。10時間台が見えている。
第3関門・長尾平到着は9時間9分。バーチャルレースでもついにトップに立つ(約3分差)。
「はい、こちらでチェックを受けて下さ~い」の指示に従ってタイムチェック。ペターくんのチェックを待っていると、なんだスタッフじゃなくて応援に駆けつけて下さっていた女将さんじゃありませんか。ペターくんと記念写真を撮って貰い、「二人ともいい笑顔だよ~」と励まされ(あっ、そうなんだ、俺たち元気なんだ)、いよいよ最後のひと区間へ。
■~ゴール(71.5km)10:36:19(67位)
旅館街を抜け、日の出山へ向け突進。途中で応援の女性達に「50代、2位ですよ~」と。まぁ、珍しく順位はいいや、それより自己ベスト。狙うはこれ。日の出の上りはペターくん先行。後ろを追わせてもらう。頂上に出ると、今年も見事な光の海。もちろん写真を撮ったけど、落ち着きが足らん!ぶれてしまった(↓)、もったいない。(この時はいいのが撮れたって満足してたけど)
さぁ、いよいよラスト。どれくらい走れるか。ホッとしたのか少々疲労感顔出す。ペターくんにもぐんと先行される。後方からやっぱりやってきましたmakotoさん。あっという間に姿見えなくなりがっくり。
・・が、今年はここからが違った。我慢して走っていたら、また勢いが戻ってきた。ペターくんにも追いつき、転倒してしまったというmakotoさんにも追いつく。そのまま突き進め。
残り2.5kmほどか、「圏外マーク」が消えたところでゴールで待っていてくれるハリマネに電話。どうだぁ、予想通り、電話口でビックリしている。一生懸命、あれだけ応援してくれたら、応えないワケにはいかない(ですよね)。このレース、このタイムは自分のためというより、彼女のために行け!だ。
残り2km。金比羅神社の横で2人を抜く。コンクリート道路に突入。足も実に元気。どうせだから40分を切ろう。住宅街に出たところでもう一度電話。はるか前に一人、後方からは誰も追ってきていない。息を整え、最後のカーブを曲がる。どこにいるか分からないけど、とりあえずスーパーファイアーを振ってみる。あと10m。ゴンゾーさんが「ハリ天狗さんだ」と迎えてくれる。10時間36分19秒、出来過ぎのエキサイティングゴール!!
4年前・48歳のハリ天に、リアル52歳のハリ天が完全勝利した瞬間でした。
ハリ天にしては、これ珍しく感激の涙はなく、代わりに突き抜けるような充足感・達成感に包まれた瞬間でした。
【2度目の挑戦で10時間台!よく頑張ったペターくんと】
迎えて下さったかきぴさん、ハリマネ(応援団)、ゴンゾーさん、モリバタさん、ひげちゃん、しもがもさん(以上残念ながら体調不良でリタイア)、TWさん(25分も前にゴール)等々、それになんと優勝した相馬さんまで(先日一番で来ますと言っていたのは彼だったのでした)。どうもありがとう!
数分後、5000番台の選手が一人ゴール。あっ、最後に抜いた選手だ。なんというどんでん返し。まさかのハセツネ初の年代別優勝が転がり込んできたのは、残り2km地点だったとは。最後までしっかり走っておいてよかったぁ。