JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

報告!

2007年03月18日 | g-i

昨晩は、夜7時過ぎから10時過ぎまで、たっぷりとコンサートを楽しんでまいりました。
なんと会場は車屋さんの事務所というちょっと考えられない場所でしたが、音楽好きのオーナーが「なんとしてもやりたい」という、まさにその意気込みを感じる素敵なコンサートでした。
客席は約50名のお客がさまざまな椅子に詰め合いながら腰掛けるといった状態ではありましたけど、サービスで振る舞われた『ヤナイコーヒー』さん入れ立ての珈琲を飲みながら聴くという演出と共に、アットホームな雰囲気をかもしだし、とてもよかったように思います。
もちろん、音も「生音でじゅうぶん」といった間近で聴けたので、私的に充分なものでありました。

かんじんの出演メンバーは、岩佐真帆呂(bs,ss,アコーディオン,ピアニカ)城田有子(p,vo)村重光敏(b)牧野せつ子(ds)+ほんごさとこ(vo) というメンバーにオーボエが加わったり、前座的に以前地元のFM局のDJなどもやっていらしたソングライターの出演があったり、もう少し聴いていたいと思うほど素敵な方々でした。
岩佐真帆呂さん、城田優子さんはアルバムも出していらっしゃいますし、ほんごさとこさんは日本Jazzボーカル大賞「新人賞受賞」もとられた実力者、牧野せつ子さんは以前、地元でも活動されていて、現在は中央でも活躍されています。
村重光敏さんは地元のミュージシャンですが、このあたりでは有名なギターマンです。(今回はベースを弾いておられましたけどね。)
曲も、スタンダードからボサ、ルンバ、はたまたジャズ・アレンジした童謡までと、じつに多彩でした。

ともかく、久しぶりに聴いた生音という条件も重なって、楽しい時間を過ごすことができました。お誘いいただいたヤナイさんには、心より感謝いたします。ありがとうございました。

コンサート後はお腹も空きましたので行きつけの料理屋で一杯、最後はいつものバーで締めるという、なんだかといも良い誕生日だったと・・・・思いません?

さて、今日の一枚は昨晩ボーカルを聴いてきたからというわけではないのですが、ビリー・ホリデーであります。
このアルバムは、サンフランシスコの「BLACK HAWK」というレーベルから1986年にリリースされたアルバムです。
第一回モンタレー・ジャズ・フェスティバルは1958年10月3日から三日間開催されました。最後に『夕べのジャム・セッション』と名付けられたステージが用意され、その時の録音がこのアルバムということになります。
この時、ビリーの身体はすでにボロボロ、この演奏を「歌うというよりは話していた」とか、「彼女が衰えた姿でステージに上がるのを見るのはとても辛い。彼女が歌うたびに、すべての苦しみが誰の目にもわかるのだ。」等々、悪く評するものはいても、褒める評は一つもありませんでした。見るに堪えないほど衰えていたということでしょう。
たしかに、このレコードを聴くと以前のビリーの歌声ではありません。
でもね、私はこのアルバムがわりと好きなんですよ。
そもそもビリーの歌は「一聴しただけでは良さがどうにもわからない」と思うわけで、まして晩年は二聴してもわからないかもしれない(笑)。
ビリーという人は、何だかとても重いものをいつも背負い込んでいる、そしてそれが彼女の魅力にもなっている、みたいなところがありますよね。
身勝手な言い方ですが、晩年のビリーにはそれプラス『ボロボロ』があるわけで、何度も何度も聴いていくとそれすら魅力とも思えるところがあるんです。

ちなみに、このアルバム途中で飛行機の音やらなんやらがお構いなしで入ってきます。野外ライブですから勘弁してやって下さいね。

AT MONTEREY 1958 / BILLIE HOLIDAY
1958年10月5日録音
BILLIE HOLIDAY(vo) MAL WALDRON(p) EDDIE KHAN(b) DICK BERK(ds) GERRY MULLIGAN(bs) BENNY CARTER(as) BUDDY DE FRANCO(cl)

1.AIN'T NOBODY'S BUSINESS
2.WILLOW WEEP FOR ME
3.WHEN YOUR LOVER HAS GONE
4.GOD BLESS THE CHILD
5.I ONLY HAVE EYES FOR YOU
6.GOOD MORNING HEARTACHE
7.THEM THERE EYES
8.FINE AND MELLOW
9.OH, WHAT A LITTLE MOONLIGHT CAN DO
10.TRAV'LIN LIGHT
11.LOVER CAME BACK TO ME

追伸、
岩佐真帆呂さん、城田有子さんの出演アルバム写真と、ほんごさとこさんのブログ『ぼんご日記』をここで紹介させていただきます。


左が城田有子さん、右が岩佐真帆呂さん

おまけ、
今週の『料理当番、本日の一品』
「一人盛り辛味噌海鮮チゲ」です。

何故に一人盛りか?じつは辛い鍋を食べるのは私だけでして(笑)、ですから家人用には普通の海鮮鍋を別に作りました。
まったく、チゲのほうが絶対に旨いっていうに・・・ねぇ。


誕生日の親バカは許して

2007年03月17日 | p-r

今日は更新をお休みしようかとも思っていたのですが、ちょっとだけ嬉しいことがあったもので、コンサートを聴きに出かける前にご報告しようかと・・・・

いつものように寒い中にも春を見つけられないかと土曜恒例『ロング散歩』へ出かけました。

桜もまだつぼみは堅く、野に土筆も見つけられません。舞い戻った冬将軍があざ笑うかのごとく冷たい風をあびせてきました。
「ヘンだ、お前の風など、我が皮下脂肪の衣がみごと跳ね返してみせるわい。」

さあさあ、ここからが今日の本番(笑)、家に帰ると娘から荷物が届いておりました。自分の演奏を映したビデオ・テープです。
以前、雑誌に掲載されたと大喜びした「東日本学校吹奏楽大会」と「定期演奏会」、「校内演奏会」のソロに、「ソロコンテスト」、この四演奏が納められていました。
じつに親バカではありますが、いくぶんフラットするところもあったものの、そこそこの演奏に感激しております。だてに音楽高校に通っているわけではなさそう、ずいぶん上達しました。


こちらが定期演奏会、いちおう女の子ですから、目隠しを

本人曰く、この時が一番太っていたときだそうです。

子供の頃からスマートな子ではありませんでしたけど、演奏をしているときの首のあたりは、いっぱしのサックス奏者であります。
「お父さん、校内演奏会の時は一番太っていたときだからね!」
いいのいいの、太っていようとやせていようと、
なんと、「東日本学校吹奏楽大会」のときは、アルトだけじゃなくて、ソプラノもテナーも吹いているじゃありませんか・・・・

今年はなんとか都合をつけて、生演奏を聴きに行かなくちゃいけませんね。
親バカバブには最高の誕生日プレゼントでした。

さて、今日の一枚はじつにベタではありますが、先日娘の誕生日にプレゼント共に贈った二枚のうちの一枚にしました。
説明は不要のアルバムでしょう、娘も「BLUES IN」のソロが気に入ったようで、よく聴いているそうであります。
一緒に聴いているつもりになって、お出かけ前に聴いてから出かけましょう。

MODERN ART / ART PEPPER
1956年12月28日, 1957年1月14日録音
ART PEPPER(as) RUSS FREEMAN(p) BEN TUCKER(b) CHUCK FLORES(ds)

1.BLUES IN
2.BEWITCHED
3.WHEN YOU'RE SMILING
4.COOL BUNNY
5.DIANNE'S DILEMMA
6.STOMPIN' AT THE SAVOY
7.WHAT IS THIS THING CALLED LOVE
8.BLUES OUT


小悪魔に見える?

2007年03月16日 | s-u

昨日桜の話をしたものの、三月も半ば過ぎというのにこの寒さはなんとしたことでありましょう。日曜日にはもっと気温が下がるとか、う~ん、二月のほうが暖かかったなんて、何だか変な感じです。
そうそう、今朝がた東京で初雪でしょ、
「このへんじゃ、今朝は降らなかったけど、この前の夜中降ったもんねぇ~~~」
って、そういう問題ではありませんね。(笑)



これだけ寒いとせめて写真だけでも何となく暖かくと思い、今朝、窓越しの陽光を浴びる鉢植えの花を撮ってみました。

「かあちゃん(いまだに私は母をこう呼びます)、ところでこの花はなんていう花だろうね?」
「あん?蘭だ蘭!」
「・・・・・・・・・・!?」
そりゃぁいくら花の名前を知らない私だって、この花が蘭の一種であることぐらいはわかるわけで
「だから、なに蘭か訊いてんでしょうが」

どちらも『シンビジョーム』の一種のようで、育てている母も細かいところまではよく把握しておりません。白いほうは『アルハンブラ・ブリジットバルドー』という花らしいことはわかりましたが、もう一つの名前は全くの不明でありました。

この花の名前を聞けば、あの『BB(ベベ)』こと、フランス女優のブリジッド・バルドーをどうしても思い出してしまいます。
若い人はご存じないかもしれませんね。妖艶な小悪魔、身体は大人心は子供、そんな代名詞がついた女優さんでした。おそらくはそこから来た名前の花なのでしょうね???(確信はありません。)

なんとも男心をくすぐる女優さんで、結婚はたしか4回位だったものの、浮き名話には事欠かない人のように覚えています。
そういえば、彼女が原因で奥様が自殺までされたのは・・・・・・・たしか『真実』のアンリ・ジョルジュ・クルーゾー監督の奥様でしたよね。いや待てよ『真実』でいい仲になったのは共演のサミー・フレイでしたっけ?しかもその時は自身も『バベット戦争へ行く』で共演したジャック・シャリエの奥様であったような・・・・・・・
ははははは、古い話でわからなくなってしまいました。

『裸で御免なさい』『ビバ・マリア』『世にも奇怪な物語』『パリは気まぐれ』『気まぐれに愛して』『シャラコ』なんてあたりは観た記憶があります。
歳をとってからは野生動物の保護活動なんてやってましたが、今はどうしてるんでしょう?まだ亡くなってないでしょ?????????

話がとんでもない方向に行ってしまいました。(いつものことですが)
ともかく、寒い毎日も綺麗な花の姿を見れば、いくぶん過ごしやすくも感じるというお話でありますよ。

さて、今日の一枚は、以前アルバム「IN ORBIT」を紹介した、クラーク・テリーです。エリントン楽団のトランペット奏者、そして、どちらかといえばいわゆる『中間派』というイメージの強いテリーですが、ウイントン・ケリー、ポール・チェンバース、フリー・ジョーという、彼から見れば若造を従え、バリバリのハード・バップを聴かせているというアルバムです。
モンクとの共演等々でもそうでしたが、ここでも彼のトランペットに古臭さは微塵もなく、素敵な演奏を聴かせてくれます。大好きな曲「STARDUST」もなんともいい感じですし、ジョニー・グリフィンも、あーた、ええんですよ。
というか、よくよくメンバーを見てみれば、私好みのミュージシャンばかりですので、私がこのアルバムを嫌いと言ったらきっとバチが当たってしまいます。

SERENADE TO A BUS SEAT / CLARK TERRY
1957年4月27日録音
CLARK TERRY(tp) JOHNNY GRIFFIN(ts) WYNTON KELLY(p) PAUL CHAMBERS(b) PHILLY JOE JONES(ds)
1.DONNA LEE
2.BOARDWALK
3.BOOMERANG
4.DIGITS
5.SERENADE TO A BUS SEAT
6.STARDUST
7.CRUISING
8.THAT OLD BLACK MAGIC

追伸、
明日は、なんと私のお誕生日(パチパチパチパチ)、
だからというわけではないのですが、『ヤナイコーヒー』のヤナイさんにお誘いを受け、ちょっとしたジャズ・コンサートへと出かけてまいります。
内容は・・・・・・・・・後日、報告を待て! 


膝枕で桜の雲

2007年03月15日 | v-x

昨晩はMさんのお付き合いで、またしてもお酒をいただいてまいりました。
一軒目の焼鳥屋で、片隅にあるTVから「開花予想、データ入力ミスで修正、各方面に影響有り」とのニュースが、
「影響たって、自然のものだもんなぁ、気象庁に文句言ってもしょうがないし、そんなんで右往左往する人がいるとすれば、日本もまだまだ平和だねぇ」とMさん
「いや、そうとも言えないかもしれないですよ。桜がもたらす経済効果は、桜の名所にとってはかなりのもんでしょ」

日本人は桜の花が大好き、まして有名な桜には大挙して押し寄せるのが常であります。近くの道路はもとより、一本の桜のせいで高速道路まで渋滞、てなこともままあるではないですか。これを整理する人員の確保だけ考えても、開花予想のズレは大きな問題なのでしょう。

「花見に出かけるぞ」と言って、桃の花を連想する人はほとんどいませんよね。桜以外の花を見に行くときは「○○の花を見に行く」と表現するものです。どうして桜だけは例外なのでしょうか????
小さな時から桜の花は別ものだと思わされている???
これは完全な『すり込み』か????
まっ、そんなことはどうでもいいわけで、つまりは一気に咲き誇る桜を愛でながら、花見酒を楽しむ、これぞ日本人の日本人たらんを自覚できる数少ない機会なのであります。


これは三春の滝桜です。もちろんまだ咲いてませんよ。

大山桜に山桜、彼岸桜に里桜、霞桜に豆桜、深山桜に大島桜、緋寒桜に染井吉野、桜にはじつに300種を超える品種があるそうで、私にはどれがなにやらとんとわかりません。へたすりゃ全部が染井吉野だと思ったりして(笑)今年は桜の種類でも勉強してみましょうか。

開花の目安となる桜はほとんど染井吉野ですが、染井吉野は彼岸桜と大島桜の交配でできた比較的新しい品種なのだそうですね。吉野の山桜に似ていて、今は東京都になってしまっている染井村で誕生した桜なので染井吉野という名がついたのだそうですよ。
全国に染井吉野が広がったのは、成長が早い、葉より先に花が咲くので見栄えがよい、などの特徴にあるのだとか、ただ、いっせいに咲いて、華々しく散ることが軍人精神と合致するということで、旧日本軍の駐屯地にはこぞって植えられた事なども一因ではあるそうです。

 春は嬉しや 二人でうて花見の酒
 庭の桜におぼろ月 それを邪魔する雨と風
 ちょいと散らして又咲かす

やっぱり桜には色気が良く合いますよね、だけど今年もせいぜい『むさい男とうて』になるのは必定、それでも酒が飲めれば良しとしますか・・・・いやいや夢はあきらめちゃいけない。

 杯重ね、桜の雲を眺むれば
 酒に酔ったか、花に酔ったか
 膝を枕に一眠り・・・・・・
 あぁぁ、そんな花見をしてみたい。
                (バーーカ!!)

さて、今日の一枚はベン・ウェブスターです。
春らしいジャケットとか、春らしい曲というのも考えてみましたが、最後が美女の膝枕で終わった話ですので、こんどはこちらが耳元で囁くような・・・・ちょっとエッチっぽい感じというか・・・・・(ベンのサックスってそんな感じじゃありません?)それで膝枕の彼女にせまってみようかなんてね。(笑)
優しくも男らしいサックス、いかにレーベルがインパルスでも、それは変わらぬベンのスタイルです。

SEE YOU AT THE FAIR / BEN WEBSTER
1964年3月11,12録音
BEN WEBSTER(ts) HANK JONES, ROGER KELLAWAY(p) RICHARD DAVIS(b) OSIE JOHNSON(ds)

1.SEE YOU AT THE FAIR
2.OVER THE RAINBOW
3.OUR LOVE IS HERE TO STAY
4.IN A MELLOW TONE
5.LULLABY OF JAZZLAND
6.STARDUST
7.FALL OF LOVE
8.WHILE WE'RE DANCING
9.SOMEONE TO WATCH OVER ME


私のブログは『なに日誌』?

2007年03月13日 | a-c

今日も寒い一日でした。ちょっと前のあの暖かさは何処へ行ってしまったのでしょうね。
昨晩は『お手製塩辛』を手土産に、その暖かいときに風邪による高熱にうなされていた友人S君の事務所へ、
「よし、せっかくだから全快祝いということで」
あっははははは、理由は何でもいいんですよね、軽く焼き鳥で一杯のはずが、結局は梯子酒とあいなりました。

今日の昼近く、以前私がアルバイトとして雇っていたM君から、突然電話がかかってきました。約3年ぶりの連絡です。
「なんだぁ、珍しいなお前が電話をよこすなんて」
何か用事でもあったのかと思いきや、
「べつに用事があったわけじゃないんですけどね」

つまりは、今彼が読んでいる坪内祐三著『酒日誌』の内容にふと私を思い出し、久しぶりに声を聞こうかと電話をよこしたそうなのです。
「坪内さんとバブさんって、歳近いですよねぇ。何となく同じ匂いがするんだよなぁ」
なにが同じ匂いでありましょうか。
たしかに坪内氏は私と同年代、しかし、私には彼ほどの文才もなければ、論説力もありもしないわけで
「何処がどう似てんだよ。バーカ」
「えっ?酒の飲み方が似てますよ。いちど『酒日誌』を読んでみて下さい。」

さっそく、帰りがけに本屋をまわってみました。
『酒日誌』、雑誌『ダカーポ』に連載されていた坪内氏お得意の日記を、一冊の本にまとめたものでした。
坪内氏がいつ誰とどこで酒を飲んだか、どんな話をしたかが最初から最後まで続いているという、たしかに私のブログにも類似したような内容ではありました。(もちろん、文章の上手さは比ではありませんが)

そこで、私もふと思い出したことが、
あれは一昨年だったでしょうか、とあるラーメン屋で昼食をとっているときに、『SPA!』だか『FRIDAY』だかで読んだ記事のことです。
坪内氏と・・・・・(う~ん思い出せない)・・・誰かとの対談記事だったと思います。
(えっ?よく覚えてるって?
二人がブログについて語っていたので、ブログを始めたばかりの私でしたから記憶にあるのだと思います。)

内容は「小説家やコラムニストを目指すものは、ブログを止めるべきだ」みたいな、取るに足らないものでどうでもよいのですが、そのなかで坪内氏が「日誌を連載しているが、日記をタダで書く気はない」的発言をされていたかと思います。それを思い出したのです。

「なぁ~るほど、たしかに彼は日記で金を取ってるわなぁ」

さて、文章の上手い下手は別として、皆さんが毎日タダで公開されている日誌(あえてブログをこう呼ばせていただきますが)と、大枚1600円を取られるこの『酒日誌』、はたしてどちらが・・・・・・・・・・???

話を濁したところで(笑)、今日の一枚はパブロお得意の大物顔合わせ盤です。
発売当時、すでにジャズを聴き始めていた私は、電化やクロスオーバーといった流れに、少々嫌気がさした時期でもありました。そんな中、ノーマン・グランツが新たに創設したパブロというレーベルは、一服の清涼剤でもあったように思います。
ただ、嵐のような新譜ラッシュとどれもにかよった白黒のジャケット、全てをチェックするにはいささか無理があったレーベルでもありました。

ベーシーとズートの組み合わせ、グランツはどんな仕掛けを用意して対峙させるのか?
仕掛けなどな~んもありません。ズートのワンホーン・カルテットでありながら、ベイシー節に染まっているみたいな。かといってズートが死んでいるのかと思えばさにあらず、二人がお互いに自分の色で楽しみあっている、そんな感じのアルバムだと思います。
悪く言えば、新鮮みはありません。ただ、一服の清涼剤としてはこの上ない一枚でありました。

BASIE & ZOOT
1975年4月9日録音
COUNT BASIE(p,org) ZOOT SIMS(ts) JOHN HEARD(b) LOUIS BELLSON(ds)

1.I NEVER KNEW
2.IT'S ONLY A PAPER MOON
3.BLUES FOR NAT COLE
4.CAPTAIN BLIGH
5.HONEYSUCKLE ROSE
6.HARDAV
7.MEAN TO ME
8.I SURRENDER, DEAR


天才の魅力

2007年03月12日 | p-r

ここ二、三日、冷たい風が吹きまくり、春さんもなかなか前に進めないようです。それでも我が家の庭には春の香りが漂います。



そう、夏の『梔子(クチナシ)』秋の『金木犀(キンモクセイ)』そして、春の『沈丁花(ジンチョウゲ)』その花であります。
ものの本によれば、香りが香木の沈香(じんこう)に似ていて、さらに葉が丁子(ちょうじ)に似ていることからこの名がついたのだとか。
花言葉は「優しさ、おとなしさ」だそうですから、私にピッタリの花ではありませんか。(だれだ!両手を上に向けながらあきれ顔をしている奴は!!!!欧米か!!!!!!)

「音楽はきみ自身の体験であり、想像であり、知恵なのだ。もしきみがまことの生活を送らなければ、きみの楽器は真実の響きを持たないだろう。」(チャーリー・パーカー)

チャリー・パーカーは、今から52年まえの今日、ニカ夫人のアパートでTV「ドーシー・ブラザース・ショー」を見ていて、笑った拍子に咳き込み、そのまま帰らぬ人となりました。そう今日は彼の命日なのです。
命日にこけ落とすつもりはありませんが、彼にとって「まことの生活」とは何だったのか?、他人の楽器を平気で使って質入れまでしてしまう人に「きみの楽器」と言われても・・・みたいなところもあったりして(笑)

それでも、ジャズの歴史において、彼が残した業績はその後の全てを方向付けた事は確かですし、彼がいなければ私がジャズに出会うことも無かった(直接彼と出会ったわけではありませんが)かもしれないとまで思わせる人物です。

私ごときがパーカーについてとやかく述べるなど、またまた、両手を上に向けながら呆れられそうでもありますが、
何故彼だけがモダン・ジャズの創始者と呼ばれるのか?チャリー・クリスチャンだって、ロイ・エルドリッチだって、もちろんディジーだって・・・・・・・などと単純に考えたときもありました。
彼が他と違うのは何なのだろう????????

絵画であっても、あるいはその他の芸術と呼ばれるものであっても、改革というのは、正しいと思われていたことを逆から眺めてみた成果なんじゃないかなんて思うんです。
例えば、ブルース音階を西洋音階で表すとE(ミ)とB(シ)の音が半音下がった音階とみるのは西洋音階からの観点であって、逆の視線、つまりブルース音階から西洋音階を眺める事を試みたら・・・
つまり、パーカーという人はこれを即座にやる事ができた大バカ野郎(すいませんこれは褒め言葉です)だったわけで、この才だけは他を圧倒的するものだったのかもしれません。
理屈など後からついてくるもの、それを思うままの即興の中で作り上げていってしまった男、それがチャーリー・パーカーなのでしょう。

そして、その才に多くの者が憧れ、近づこうとし、ハチャメチャな彼からどんなに迷惑を受けても、それ以上に吸収すべきものを彼に見いだしていたということなのでしょう。
金に汚く、時と場所はまったく気にせず、他人のものは自分のもの、自分勝手で酒と薬に溺れたジャンキー野郎・・・
これをかき消すほどの魅力と才能、そう考えると彼のそれはとてつもなく大きなものだったのだと思います。

チャーリー・パーカーの命日に、パーカーのパの字も知らないテキトウ野郎(私です)が、勝手なごたくを並べまして申し訳ありませんでした。
パーカーに関してはまだまだ聴き込みの足りない私、もっともっと彼の演奏を聴いて、彼の魅力をまだまだ知る必要がありますね。

さて、今日の一枚はパーカーのCD盤です。
ダイアルに残る録音を二枚にまとめたうちの一枚目。
ハリウッド大通りに「テンポ・ミュージック・ショップ」を開いていたロス・ラッセルは、いつか独立レーベルを持つことを夢見ていました。
ニューヨークでの仕事がめっきり少なくなっていたパーカーとデジィは、カリフォルニアの長期遠征へと出かけます。
これを知ったラッセルはこのコンボに期待し、録音を敢行。「ビ・バップ」は一部の支持を得ただけではあったものの、これこそジャズの未来を示唆するものだと信じ、ダイアルを創設したのでありました。
航空券を換金して使い込んだためにカリフォルニア居残ったパーカーが、ベニー・カーター楽団の一員として西海岸に来ていたマイルス(19才)を起用して録音した2~6や、れいのぼや事件寸前に録音した伝説の「LOVER MAN」などが納められたCDです。

CHARLIE PARKER STORY ON DIAL Vol.1 Westcoast Days
1946年2月5日~1947年2月26日録音
CHARLIE PARKER(as)
DIZZY GILLESPIE(tp) MILES DAVIS(tp) LUCKY THOMPSON(ts) DODO MARMAROSA(p) その他

1.DIGGIN' DIZ
2.MOOSE THE MOOCHE
3.TARDBIRD SUITE
4.ORNITHOLOGY
5.FAMOUS ALTO BREAK
6.NIGHT IN TUNISIA
7.MAX MAKING WAX
8.LOVER MAN
9.THE GYPSY
10.BEBOP
11.THIS IS ALWAYS
12.DARK SHADOWS
13.BIRD'S NEST
14.HOT BLUES
15.COOL BLUES
16.RELAXIN' AT CAMARILLO
17.CHEERS
18.CARVIN' THE BIRD
19.STUPENDOUS

追伸、
当時のバッパーが著作権を意識したのかどうかは定かではありませんが、すでにスタンダードとして広く親しまれた音楽を、オリジナル・メロディーを取り払い、やりやすいコード進行を生かし、別名の曲として演奏するということを行っていました。
4曲目「ORNITHOLOGY」の原曲はモーガン・ルイスが書いたミュージカル・ナンバー「ハウハイ・ザ・ムーン」です。機会があれば聴き比べなさってみてください。

おまけ、
本日は良き友S君と焼き鳥でいっぱいひっかけに行ってまいります。寒い日にはこれにかぎなぁ~~~!


映画でジャズ

2007年03月11日 | m-o

昨日、Mさんからのご依頼(???笑)で、Mさんと同じコンビニ経営者仲間Fさんのお宅へおじゃましてきました。
依頼といっても「デジタル・ハイビジョンの録画等々に関して、いまひとつ理解できていないので教えてもらいたい。」というだけのことで、
「CPRM対応DVDに録画したものは、他のDVDプレーヤーではどうしても再生できないものなのかね?」
「同じフォーマット形式を再生できるプレヤーなら再生できますよ。」
「???????・・そのあたりが、まだ理解できてないんだよなぁ」
てな話で終始しました。
「Mさん、我々団塊世代以前の人間には、理解するのが大変だよ」とFさん、
よ~~~くわかります。

「バブさんは、映画は観ないの?」
「いやぁ、大好きですよ。最近は別としても高校生あたりまでは、いっぱしの映画小僧でしたから」
「じゃあ、古い映画もけっこう観てるんだ」
「はい、そこそこは」
「なんだ、話が合いそうだねぇ」
の話から映画談義に、そして「最近の映画ではあるけど」ということで『ワールド・トレード・センター』のDVDを観てみることになったのです。

それにしても、42インチ液晶モニターを中心に高そうな5.1チャンネル・システムがドッドーンと配置されたお部屋は、我々庶民にはうらやましいかぎりで、下手な映画館より臨場感満点です。
「やっぱり、いいですよねぇ。これじゃ映画館なんか行ってらんないよなぁ、煙草吸いながら観られるし・・・・」
「だけどバブさん、どんなに良いものでも、使い方がわからなかったら何にもなんないよ。」
はははははは、やっぱり話はそこに落ち着くわけですか。
(ちなみにCPRM対応DVDはブルーレイ対応プレーヤー(プレステ3も)では再生可能だそうですよ。参考までに)

そんなことがあった翌日の今朝、『題名のない音楽会』で「団塊世代が選ぶ、映画音楽ベスト30」なるものをやっていました。これはタイムリーとばかりに見入ってしまい、その後は、我が家に残る映画音楽のEP盤をかけまくってみることに
「うんうん、音楽は古くても新しくても、良いものは良いんだなぁ~~~~」
てなわけで、映画音楽限定の日曜日でした。

ということで、今日の一枚もジェリー・マリガンの映画音楽であります。
はたしてこの映画『私は死にたくない』をご覧になったことがある方がどのくらいいるか・・・?????

前科があったために殺人事件の犯人と決めつけられ、無実を叫びながらガス室送りとなった実在の女性死刑囚バーバラ・グレアムの手記をネルソン・ギディングとドン・マンキウィッツが脚色、ロバート・ワイズが演出・監督した映画でありました。
このあたりの映画にはジャズメンが多く係わっていたわけで、ウエストコースト・ジャズの発展にハリウッドは欠かせぬ存在であったということでしょう。
このアルバムは、サウンド・トラックとは別に吹き込まれたものではありますが、作曲と編曲はジョニー・マンデルそのままで、じゅうぶん映画のイメージを感じ取れるアルバムになっています。(映画の中でもこのセプテットが登場しています。)

もちろん今日のアルバムはLPでの所有なのですが、別にこんなCDも持っておりまして、
後半6曲が『私は死にたくない』のサントラ、前半は同じくマリガンが係わった『地下街の住人』という、ビート族の代表みたいなジャック・ケルアックの小説を映画化したもののサントラ、二つが合体しちゃったというお得CDであります。
『地下街の住人』では、アンドレ・プレヴィン、アート・ペッパーやカーメン・マクレエの歌声まで聴けるという・・・・(じつはこちらのLP盤は持っていないものですから、このCDをいさんで買ったのですけどね)こちらの紹介はまたということにしましょう。

I WANT TO LIVE / GERRY MULIGAN
1958年5月24日録音
GERRY MULIGAN(bs) ART FARMER(tp) BUD SHANK(as) FRANK ROSOLIND(tb) PETE JOLLY(p) RED MITCHELL(b) SHELLY MANNE(ds)

1.BLACK NIGHTGOWN
2.THEME FROM I WANT TO LIVE
3.NIGHT WATCH
4.FRISCO CLUB
5.BARBARA'S THEME
6.LIFE'S A FUNNY THING

おまけ、
「料理当番、本日のの一品」
自家製塩辛は別として、まずは、鳥の団子汁であります。
鶏団子の中にはんぺんも一緒に加えるのがミソ、フワフワで美味しく仕上がりますよ。



もう一品は『鱈の洋風焼き』、そり切りした鱈に軽く塩をし、しばらくしてから水気を取り小麦粉を軽くふって、マスタードとマヨネーズで味付けした卵に漬けて焼き上げます。


名人語り

2007年03月09日 | g-i

先日、車中でラジオなんぞを聴いておりますと
山本直純氏の ♪チャンチャチャ、チャカチャカ、チャンチャンチャン♪ (雰囲気だけわかってください)というお囃子にのって、「小沢昭一の小沢昭一的こころ、今週は純情一途、阿部定について考える」と流れてきました。
皆さんも一度はお聴きになったことがあるのではないでしょうか、昭和48年スタートといいますから、30年以上続いているTBSラジオの超長寿番組『小沢昭一の小沢昭一的こころ』であります。
小沢昭一氏の絶妙な語りとユーモア溢れる内容についつい引き込まれてしまう、じつに素敵な番組でありますが、これを聴いていて、以前から読もう読もうと思っていたのに、まだ入手していなかった本を思い出したのです。

平成17年6月、小沢氏は、句会が縁だという柳家小三治師匠の「いっぺん寄席に出てみないか」との勧めに答えるかたちで、新宿末広亭の高座に10日間上がられたことがありました。
この時の全記録として昨年発刊されたのが、読みたかった『新宿末廣亭十夜』であります。
思い立ったが何とかで、その日早速に本屋さんで入手、読み始めたらあーた、アッいう間に読み終わってしまいました。(笑)

 仏説 あほだら経
 恐れながら すなわちだんだん
 手枕やっかい 諸芸一座のお定まり
 芝居で三番叟(さんばんそう) 相撲なら千鳥
 祭文ならば デレンデレンの ホラ貝しらべ
 阿呆陀羅経という奴は
 誰がやっても 何年やっても 同じことかよ

        (中略)

 犬は喜び ころこび
 弘法大師に 貰ろうた足に
 小便かけたら 勿体ないと
 いまだに 片足持ちゃげて
 小便するには まちがいないわーい

はははは、中略付きをしかも文字で見たって何の事やらわけがわからないでしょうが、小沢氏が、リズム良く語る『あほだら経』
「くそう!その場で聴きたかった」
と思ってしまうのであります。

志ん生師匠のお宅へ伺った時に、いろんなお話を伺ったんですけど、その中でも、 わたくし、感動した言葉がございます。それを申し上げまして、お別れしたいなと思うんです。ほんのちょっとの短い言葉なんですけど。さっきもちょっと申し上げましたように、冷やでお酒を召し上がっているんでね。
「師匠、あれですか、やっぱり御酒が一番お好きなんですか」
なんて聞いたんですよ。そうしたら一言。
「ウーン、ビールは、ビールは小便になって出ちまうけれども、酒は、うんこになる」(爆笑)
すごい奥の深いことをおっしゃる方でございますね。(笑・拍手)並大抵の人じゃ言えないお言葉でございましてね。(笑)
ずいぶんいろんなお話を伺ったんですが、これが一番わたくしの心に、強く強く残っている名言なんでございます。(笑)

話芸もまた、志ん生師匠のお言葉のように奥が深い。先日、円楽師匠のお話をしましたが、落語の師匠連中も、小沢昭一氏も、その深さに恐れをなしつつも、さらにさらに極めてこられたのでしょう。
名人の語りには美しさすら感じてしまいます。

『小沢昭一の小沢昭一的こころ』のこんなページを見つけてしまいました。よければ名人語りを味わってみてください。

さて、今日の一枚は・・・・
正直に言うとエリック・ドルフィー目的で買ったアンドリュー・ヒルのアルバムです。
ヒルの初リーダーアルバムは「SO IN LOVE」(WARWICK)でありますが、当初1955年録音との表示に「えっ?高校生でリーダー?」みたいな話もあったものの、実際は1959年録音だったという曰く付きのアルバムでもありました。
まぁ17才でも22才でもいいんですが、このヒルから、ブルーノート時代のヒルを想像できた人がどのくらいいたのか?少なくとも私には不可能だったと思います。(それほど違うということ)

ブルーノートでは、ジョー・ヘンダーソンの「OUR THING」(4152)、ハンク・モブレーの「NO ROOM FOR SQUARES」(4149)とお付き合いして、初リーダー盤「BLACK FIRE」(4151)から、怒濤の約半年でアルバム5枚という何だかものすごいことをやりのけてしまったわけです。さらに全曲オリジナルってんですから、まさに彼の才能に脱帽でありますね。

でもね、私的にはひじょうに不満があるんです。というのは、どのアルバムも同じような感じで変化がないというか・・・・・
いや、悪くないんですよ。むしろ私は好きなタイプなんですが、「だったらどれでもいいジャン」みたいな・・・・・・

そのせいでしょうか、私が持っているのは今日の一枚+「BLACK FIRE」(4151)、「ANDREW !!! 」(4203)の3枚だけ、それでじゅうぶんのように思っています。
そのかわり、私としての評価はどれも高く、今日のアルバムもドルフィー好きもあいまって、大好きな一枚としてよく聴いていますよ。

POINT OF DEPARTURE / ANDREW HILL
1964年3月31日録音
ANDREW HILL(p) KENNY DORHAM(tp) JOE HENDERSON(ts) ERIC DOLPHY(as,fl,bcl) RICHARD DAVIS(b) TONNY WILLIAMS(ds)

1.REFUGE
2.NEW MONASTERY
3.SPECTRUM
4.FLIGHT 19
5.DEDICATION


岐神に脱帽

2007年03月08日 | d-f

やったやりました、ついに初雪です、間違いなく初雪です。
昨晩いつものバーで飲み過ぎた後、深夜1時頃に代行運転の車で自分の車のところへ、なんとボンネットに白くほんのりと雪が残っているではありませんか。
「あれ?運転手さん雪降った雪????」
「ええ、さっきまで小一時間ほど降ってましたよ」
いやぁ、今年は初雪も見ずに冬が終わるものだとばかり思っていたら、きましたねぇ。
「帰宅したら家人に教えてあげなくっちゃ」

当然ではありますが帰宅しても家人がおきているわけもなく・・・・・
今朝になって
「ねえねえ、昨夜、雪降ったんだよ雪」と報告すると
「何バカ言ってんの?何処に雪があるって?酔っぱらって夢でも見たんじゃないの」
(「え~~~ん、夢じゃないってばぁ、絶対に降ったんだってばさ、くっそう写真撮っておけば良かった。」)
誰も信じてくれません。
っていうか、ふつうこの場合、
「へぇ~~雪なんか降ったんだ。どうりで寒かったものね。帰りの道路大丈夫だった?」
てなこと言って当然だと思いません?
はなっから私の言うことなどどうでもいいんでしょうねぇ、一人すねるバブ君でありました。
それにしても、この時期になって初雪というのも、まったくおかしな季候です。

話はコロッと変わりますが
今日は天気も良く、昼はさほど寒くもなかったので、またも神社の駐車場でコンビニ弁当を食べ、お参りをしてきました。



するとご神木の脇にこんなものが、これはまさに道祖神、道祖金勢(どうそこんせい)であります。
道祖神というのは、そもそもイザナキ、イザナミの神話に基づく信仰の発展系なのですが、そのあたりはここでは省略するとして、ともかく災いを防ぐ『さいのかみ(塞の神・幸の神・障の神))』であり、旅の安全の神、『岐神(ふなとのかみ)』でもあるわけで、おそらくこの道祖金勢は『さいのかみ』に近いものでしょう。それにしてもじつにご立派。
「あやかりたい、あやかりたい」

でも、どうして、『さいのかみ』、『ふなとのかみ』がこんなかたちになったのか?
『ふなとのかみ』というのは、子孫を死者の数より多く生ませる霊力を持った神とされ、こんなかたちで表現されたのだそうであります。
少子化の折、『ふなとのかみ』の霊力が今まさに必要なのかもしれませんね。
「ん???ということは、オレが拝んでもダメだって事か???」
いやらしいと思わず、子宝を待ちわびる方はぜひともお参り下さい。

さて今日の一枚は、ブッカー・アービンです。
テナー二本にトランペット一本という重量感あるフロント、なかなかよろしいアルバムだと思いますよ。
「THE BLUE BOOK」がジョージ・タッカーの重ぉいベース・ソロから始まると、おもわず「イヤー」って感じ、そんでもってテーマが始まると完全に「イエーイ!」てな感じ?
真っ黒けっけのアービンと図太いズート・シムズの掛け合いもばっちり、普段は真っ黒とは言えないトミー・フラナガンまでもアービンにつられてでしょうか「ブラック・フィーリング」が要所要所に溢れてきます。
最後の「POOR BUTTERFLY」まで、いかにも「ジャズを楽しんだなぁ」みたいな満足感を得られる一枚だと思います。大好きなアルバムです。

THE BOOK COOKS / BOOKER ERVIN
1960年4月録音
BOOKER ERVIN, ZOOT SIMS(ts) TOMMY TURRENTINE(tp) TOMMY FLANAGAN(p) GEORGE TUCKER(b) DANNY RICHMOND(ds)

1. THE BLUE BOOK
2. GIT IT
3. LITTLE JANE
4. THE BOOK COOKS
5. LARGO
6. POOR BUTTERFLY


中年の冷や水

2007年03月07日 | v-x

昨日は『啓蟄』いよいよ春本番ということでありますが、日本列島全体が寒気に包まれ、気温はあまり上がらずじまい。それでもこのあたりでは宇宙の果てまで青く染まっているんじゃないかってくらいの青空で爽やかなお天気でした。・・・午後3時ぐらいまでは。(笑)

今朝の朝日新聞に「地デジ完全移行で最大6400万台ゴミ」という記事が載っておりました。
「電子情報技術産業協会(JEITA)」の予測として、現在、各家庭で私用しているアナログTVが、地デジ完全移行によって最大で6400万台ものゴミと化すのだとか。これに伴い「家電リサイクル法」の規定によって、各家電メーカーは再生利用設備の増強などを迫られるというのです。

いまさら決まったことですので、とやかく言ってもしかたがありませんが、前々から地上波デジタル化におおいに疑問を抱いていた私としては、なんとも腹立たしい記事に思えました。(昨日のブログ内容からすると、私が歳をとったせいかもしれませんけど)
リサイクルするとはいえ、わざわざ壊れてもいないものを回収して破棄し、そのために莫大なお金を使う・・・・・どうにも納得いかないのです。
「だったら、お前んとこは、テレビを買い換えないでチューナーでも買って、今のテレビが壊れるまで使ったらいいジャン」
その通り!出来ればそうしたい・・・・・・
ところがね、現実はチューナーを各テレビ用に買うくらいだったら、台数減らしてでも対応テレビに買い換えようかっていうのが本音。
結局は私もこのTVゴミ化拡大計画に便乗してしまうわけで、
つまりは、色々文句を言いながらも、大量のゴミを出しつつ便利(??)な生活に走るわけですよ。

今朝の『朝ズバ』(普段はあまり見ないんだけど)で、高速道路へのゴミ不法投棄について取り上げておりましたけど、地上デジタル完全移行時には、大量の不法投棄だって心配されますよね。
その場合、何処がどう責任をとってどう対応していくのか?
もちろん、消費者のモラルが最大の問題であって、全員が『良識ある人』であるべきですが、過去を振り返れば『良識の無い人』が多数現れることも目に見えているわけです。
もし、「今からそんな心配はしないで、そうなった時に考えればいいや」的に進んでいたとしたら・・・・・・おいおい、誰かは考えてんだろうね。

ともかく、便利(????)を得るためには、それなりのリスクを一人一人が背負わなければいけないし、それに伴う義務も果たさなくちゃいけないということ、また面倒な世の中になりそうであります。

いやいや、柄にもない社会派を気取ってしまいました。まぁたまには『中年の冷や水』もいいでしょう。

さて、今日の一枚ですが、レム・ウィンチェスター&ラムゼイ・ルイスであります。
ウィンチェスターは「ウィンチェスターって何やってる人だつたっけ?」
と言われてもしかたのないほどマイナーなヴァイブ奏者ですし、
ラムゼイ・ルイスも、「THE IN CROWD」のイメージが強すぎて、「あ~あジャズ・ロックの」みたいな感じかもしれません。
でも、バカにしちゃいけませんよ。あんがいこれは隠れた名盤かもしれません。
編成は「もう一つのMJQ」みたいな感じですけど、「本家よりこのアルバムに関してはいいかも」なんて感じてしまう私です。

クリフォード・ブラウンのトリビュートアルバムということで、ブラウニーのお得ナンバーが取り上げられています。ブラウニーと比較するのはいかにも酷ですが、じゅうぶんに期待を裏切らない演奏だと思いますよ。

私が持っているのはステレオ盤ですが、たしか、昨年だったかブログ仲間の67camperさんが、同アルバムのモノラル盤を紹介されていたと思います。モノラル盤を聴いていない私には比較のしようもありませんが、おおむねこういった場合は、モノラル盤に軍配が上がるのが常、67camperさん、今度聴かせていただけませんか?(笑)

THE RAMSEY LEWIS TRIO PERFRM A TRIBUTE TO CLIFFORD BROWN
1958年10月録音
LEM WINCHESTER(vib) RAMSEY LEWIS(p) ELDEE YOUNG(b) RED HOLT(dr)

1.JOY SPRING
2.WHERE IT IS
3.SANDU
4.ONCE IN A WHILE
5.JORDU
6.IT COULD HAPPEN TO YOU
7.EASY TO LOVE
8.A MESSAGE FROM BOYSIE