JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

母の背中に

2007年03月21日 | v-x

今日は予定どおり父の墓参りに行ってきました。
いつも墓に出かけるときはそうなのですけど、母は朝から「何時に行く、何時に行く?」と何度も私に訊き、「珈琲いれるんだったら、とうちゃんのぶんも水筒に入れてくれるか」とか、「箒はもう積んだか」とか、「剪定バサミもいるから」とか、まぁなんやかやと五月蠅くてしかたがありません。

墓につけば、私がやるというのも聞かず、背中を丸くして一生懸命草をむしっています。
そんな母を見ていて、今更ながらではありますが、「母は父の墓を参ることが、嬉しいんだろうか?」てなことを考えてしまいました。

父が埋葬されて最初の頃、母は墓参りによく行きたがった反面、行ったら行ったでとても寂しそうにしていたように思います。その頃の『行きたがり』と、今の『行きたがり』には、間違いなく変化があります。
最初の頃は「とうちゃん、○×○○・・・・・」とハッキリと私にも聴き取れるほど声を出して拝んでいたのに、今は深く手を合わせて何か心の中で話しかけている様子。
時が母の気持ちを落ち着かせたと言ってしまえばそれまでですが、「やっと最近、こうして父に会いに来ることを、心から嬉しく思えるようになったのではないだろうか?」そんなふうに思えてならないのです。

それにしても、こうして未だに自分を想ってくれる妻がいた父は、幸せ者だったのだろうと思ってしまいます。
今年は十三回忌、「かぁちゃん、彼岸明けたら、坊さんと日取り決めてくんからね。」

帰宅後は春探しにでも出かけようかと思っていましたが、何だか疲れてしまい、ゴロゴロとビデオを観ておりました。『キャバレー』です。といってもライザ・ミネリのあれじゃないですよ、邦画、邦画、野村宏伸主演のヤツ、原作は栗本薫だったでしょうか、角川監督の第三作目です。当時の角川映画オールスターズみたいな顔ぶれが揃い、ジャズにのめり込んだお坊ちゃんが、ヤクザの抗争やらなんやらに巻き込まれ、大人へと成長していくといった物語です。
この映画がきっかけで「LEFT ALONE」が、ヘンに有名になったりしましたよね。

ということで、今日の一枚は、流れ的にこれになってしまいました。

 私の心を満たす愛はどこにあるの
 私のそばにずっと居てくれる人はどこにいるの
 あの人達は私を傷つけ、そして去っていく
 I'm left alone, all alone(私は残され、いつもひとりぼっち)
  ・・・・・・・・
 でも、もしかしたら死ぬ前に私たちは会えるかもしれない
 その時まで私は貴方をまっている
 I'm left alone, all alone(私は残され、いつもひとりぼっち)

マクリーンのアルトは、ビリー・ホリデイの書き下ろしの詞を思い浮かばせて余りあるほど哀愁に満ちています。
これだけA面1曲目だけが目立つアルバムも珍しいかもしれませんね。「演奏に際しても歌詞の意味を良く理解することが大切なのよ」とマルに語ったビリーの言葉は、マクリーンにも確実に伝わっていたということなのでしょう。
細かい説明は必要のないアルバムだと思います。

LEFT ALONE / MAL WALDRON
1960年録音
MAL WALDRON(p) JULIAN EUELL(b) AL DREARES(ds)
JACKIE McLEAN(as)[1]

1.LEFT ALONE
2.CAT WALK
3.YOU DON'T KNOW WHAT LOVE IS
4.MINOR PULSATION
5.AIRGIN
(6.Mal Waldron : The Way He Remembers Billie Holiday)

おまけ、
日曜日ではありませんが、時間があったもので、自家製チャーシューを作ってみました。

そこで、『料理当番、本日の一品』

自家製チャーシューのできは上々、半分は冷蔵庫へ、残り半分を刻んでネギ、ごまをかけ、チャーシューの付け汁に砂糖、豆板醤、ごま油を加えた甘辛ダレをかけてみました。ビールに最高!!!