今日も寒い一日でした。ちょっと前のあの暖かさは何処へ行ってしまったのでしょうね。
昨晩は『お手製塩辛』を手土産に、その暖かいときに風邪による高熱にうなされていた友人S君の事務所へ、
「よし、せっかくだから全快祝いということで」
あっははははは、理由は何でもいいんですよね、軽く焼き鳥で一杯のはずが、結局は梯子酒とあいなりました。
今日の昼近く、以前私がアルバイトとして雇っていたM君から、突然電話がかかってきました。約3年ぶりの連絡です。
「なんだぁ、珍しいなお前が電話をよこすなんて」
何か用事でもあったのかと思いきや、
「べつに用事があったわけじゃないんですけどね」
つまりは、今彼が読んでいる坪内祐三著『酒日誌』の内容にふと私を思い出し、久しぶりに声を聞こうかと電話をよこしたそうなのです。
「坪内さんとバブさんって、歳近いですよねぇ。何となく同じ匂いがするんだよなぁ」
なにが同じ匂いでありましょうか。
たしかに坪内氏は私と同年代、しかし、私には彼ほどの文才もなければ、論説力もありもしないわけで
「何処がどう似てんだよ。バーカ」
「えっ?酒の飲み方が似てますよ。いちど『酒日誌』を読んでみて下さい。」
さっそく、帰りがけに本屋をまわってみました。
『酒日誌』、雑誌『ダカーポ』に連載されていた坪内氏お得意の日記を、一冊の本にまとめたものでした。
坪内氏がいつ誰とどこで酒を飲んだか、どんな話をしたかが最初から最後まで続いているという、たしかに私のブログにも類似したような内容ではありました。(もちろん、文章の上手さは比ではありませんが)
そこで、私もふと思い出したことが、
あれは一昨年だったでしょうか、とあるラーメン屋で昼食をとっているときに、『SPA!』だか『FRIDAY』だかで読んだ記事のことです。
坪内氏と・・・・・(う~ん思い出せない)・・・誰かとの対談記事だったと思います。
(えっ?よく覚えてるって?
二人がブログについて語っていたので、ブログを始めたばかりの私でしたから記憶にあるのだと思います。)
内容は「小説家やコラムニストを目指すものは、ブログを止めるべきだ」みたいな、取るに足らないものでどうでもよいのですが、そのなかで坪内氏が「日誌を連載しているが、日記をタダで書く気はない」的発言をされていたかと思います。それを思い出したのです。
「なぁ~るほど、たしかに彼は日記で金を取ってるわなぁ」
さて、文章の上手い下手は別として、皆さんが毎日タダで公開されている日誌(あえてブログをこう呼ばせていただきますが)と、大枚1600円を取られるこの『酒日誌』、はたしてどちらが・・・・・・・・・・???
話を濁したところで(笑)、今日の一枚はパブロお得意の大物顔合わせ盤です。
発売当時、すでにジャズを聴き始めていた私は、電化やクロスオーバーといった流れに、少々嫌気がさした時期でもありました。そんな中、ノーマン・グランツが新たに創設したパブロというレーベルは、一服の清涼剤でもあったように思います。
ただ、嵐のような新譜ラッシュとどれもにかよった白黒のジャケット、全てをチェックするにはいささか無理があったレーベルでもありました。
ベーシーとズートの組み合わせ、グランツはどんな仕掛けを用意して対峙させるのか?
仕掛けなどな~んもありません。ズートのワンホーン・カルテットでありながら、ベイシー節に染まっているみたいな。かといってズートが死んでいるのかと思えばさにあらず、二人がお互いに自分の色で楽しみあっている、そんな感じのアルバムだと思います。
悪く言えば、新鮮みはありません。ただ、一服の清涼剤としてはこの上ない一枚でありました。
BASIE & ZOOT
1975年4月9日録音
COUNT BASIE(p,org) ZOOT SIMS(ts) JOHN HEARD(b) LOUIS BELLSON(ds)
1.I NEVER KNEW
2.IT'S ONLY A PAPER MOON
3.BLUES FOR NAT COLE
4.CAPTAIN BLIGH
5.HONEYSUCKLE ROSE
6.HARDAV
7.MEAN TO ME
8.I SURRENDER, DEAR