JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

飛び火話は面白い

2008年05月22日 | p-r

今日沖縄では梅雨入りだそうで、天気図に梅雨前線が現れる季節になったんですねぇ、「ジメジメムシムシ」私のようなデブ族が最も嫌う季節到来、やだなぁ~~~

ところで
「話というのは、思わぬ方向へ飛び火するから面白い」てなこと感じたことはありませんか?今日の昼休みが、私にはまさにそれでありました。

 ♪ 一つとせ 人は見かけによらぬもの できそでできない ○校生
   そいつぁ○校生 そいつぁ○校生
     二つとせ 二目と見られぬその顔で 窓から手を振る ●校生
    そいつぁ●校生 そいつぁ●校生
     三つとせ 見れば見るほどいい女 陰で何する △女生
    そいつぁ○女生 そいつぁ○女生
     四つとせ 夜の夜中に抜け出して 温泉通いは □校生
    そいつぁ□校生 そいつぁ□校生 ・・・・・・・♪

延々十番まであるこの『かぞえ歌』は、このあたりの高校に伝わっていた(各高校で少々歌詞も違いますし、現在は伝わっているかどうかわかりません)『高校かぞえ歌』です。

まさか、昼飯を食べた後にこの『高校かぞえ歌』の話になるとは思ってもいなかったのですが、さらに話は進み
「いやぁ、バブちゃん良く覚えてんねぇ、俺なんか昔教えてもらったような気がするけど良く覚えてないよ。」
すると茨城の高校出身の方が
「そういや、うちの高校にもあったなぁ、そんなの・・・・たしか曲は同じだったような」
すると、博識な方がいらっしゃるもので
「それの本歌は『豪気節』だな、旧制高知高校の寮歌だよ」
「おお~~~」(思わずメモを取っちゃったりして...笑)

 ♪ 一つとせ 一人あの娘(こ)が恋しけりゃ 潮吹く鯨で気を晴らせ 
  そいつぁ豪気だね
  二つとせ ふるさと忘りょか若き身に 桂の浜に星がとぶ
  そいつぁ豪気だね
  三つとせ 南の御国は土佐の国 革命と自由の生まれし地
  そいつぁ豪気だね  ♪

彼の話によれば、大正時代に余田弦彦という方がお作りになった歌なんだそうで、これが全国の旧制高校に広まり、各地で『かぞえ歌』が出来たんだとか。

「へぇ、その与太郎じゃなくて、余田なんとかって人は、どういう人だったんですか?」
「いわゆるバンカラだったんだと思うけど、詳しくはねぇ・・・・そうだ、石田一松って知ってる?」
また、新たな名前が出てきてしまいましたが、タレント議員第一号とされる吉本興業所属の演歌師で、戦後衆議院議員をお務めになった方だそうで、
「石田一松が流行らした歌に『酋長の娘』ってぇのがあんだけど、知らねぇかなぁ?」

 ♪ 私のラバさん 酋長の娘 色は黒いが 南洋じゃ美人
  赤道直下 マーシャル群島 ヤシの木陰で テクテク踊る
  踊れ踊れ どぶろくのんで 明日は嬉しい 首の祭り ・・・・・♪

「おいおい、マスターが知ってるよ」
「あっ、でも聞いたことあんなぁ、その歌」
(帰ってから検索したら、なんとYou Tubeに、ドリフの番組でキャンデーズなんかが歌ってる映像がありました。)
「その『酋長の娘』の原曲といわれる『ダクダク踊りの歌』っていうのも、旧制高知高校の歌、余田弦彦が作ったんだよ。」
「ほう~~~すげ~~~物知り~~~~」
「高知の桂浜には、『豪気節』の碑が建ってるから、行く機会があれば観てきてくださいよ。」

きけば、その方は高知出身なんだそうで、これって高知では常識範囲のお話なんでしょうかねぇ????

「ついでに、もう一つうんちくを、『豪気節』は余田弦彦の作詞作曲とも言われるんだけど、じつは曲は自由民権運動家、植木枝盛の『民権かぞえ歌』から取ったものだとも言われてます。これほんと」
「へへ~~~ 恐れ入りやした(笑)」
こんな田舎の『高校かぞえ歌』が、はては自由民権運動にまでつながっていくとは・・・・
ほらね、話が飛び火すると何だか面白いことになるでしょう。
(ただし、話を聞きながらメモってきたもので、個人名の漢字を一部間違っている可能性もあります。笑)

さて、今日の一枚は、レオ・パーカーです。
バップ期に活躍したバリトン奏者も、結核に冒され、7年ぶりに再起したのが1961年、今日のアルバムででした。しかも、翌年には37歳という若さで亡くなってしまったわけで・・・・ともかく、録音源が少なすぎて聴き込むまでは、どうしてもいかないプレーヤーです。


私の持っていない「BACK TO BACK BARITONES」

J.J.ジョンソンの「J.J. JOHNSON'S JAZZ QUINTETS」で、以前の演奏を聴くことが出来るのですが、どうにも特徴がつかめませんし、未だ、未聴である「BACK TO BACK BARITONES」を、是非とも聴いてみたいと思ってみてもなかなか巡り会えず、結局は今日のこのアルバムともう一枚、一度はお蔵入りになったブルーノート盤「ROLLIN' WITH LEO」で、彼を感じるしか私には手だてがありません。
ただ、ジェリー・マリガンとも、ブルー・サージとも、ブリブリ、ゴリゴリで同じようかなぁなんて思うペッパー・アダムスとも、全く違うバリトン奏者であることには間違いありません。

この二枚のアルバムを聴くかぎり、結核あがりだというに、バリトンにはあるまじき音量であるように思うし、おそらくは病気欠場(笑)前は、もっとギトギトのブリブリ・バリトンを聴かせてくれていたのではないか、との予想はつきます。
もちろん、このアルバムでも、ゴスペル調のノリもじつに良いし、バリトンのパーカー(チャーリー・パーカーの意)は確かに健在ではあります。
それだけに、私としてはもう少し「病欠前の録音がもう少し残っていてくれれば」と思ってしまうバリトン奏者です。

LET ME TELL YOU' BOUT IT / LEO PARKER
1961年9月9日録音
LEO PARKER(bs) JOHN BURKS(tp) BILL SWINDELL(ts) YUSEF SALIM(p) STAN CONOVER(b) PURNELL RICH(ds)

1.GLAD LAD
2.BLUE LEO
3.LET ME TELL YOU 'BOUT IT
4.PARKER'S PALS
5.LOW BROWN
6.TCTB

おまけ、
帰ってから『民権かぞえ歌』も調べたら、歌詞がありましたので紹介しておきます。

『民権かぞえ歌』植木枝盛 作詞作曲
 一つとせ 人の上には人ぞなき 権利にかわりがないからは
 コノ人じゃもの
 二つとせ 二つとはない我が命 すてても自由のためならば
 コノいとやせぬ
 三つとせ 民権自由の世の中に まだ目のさめない人がある
 コノあわれさよ
 四つとせ 世の開けゆくそのはやさ 親が子供におしえられ
 コノきをつけよ
 五つとせ 五つにわかれし五大洲 中にも亜細亜は半開化
 コノ悲しさよ
 六つとせ 昔おもえば亜米利加の独立なしたるむしろ旗
 コノいさましや
 七つとせ なにゆえお前がかしこくて 私らなんどは馬鹿である
 コノわかりやせぬ
 八つとせ 刃で人を殺すより 政事で殺すが憎らしい
 コノつみじゃぞえ
 九つとせ ここらでもう目をさまさねば 朝寝はその身のためでない
 コノおささんせ