連休最終日、少々風はあるものの、朝から絵に描いたような青空です。
「こりゃ家にいちゃあもったいねぇなぁ、どっか出かけようか。」
「ダメダメ、ガソリンは使うし、出れば出たでお金使っちゃうんだから」
自分の買い物には平気で車使わせるくせにまぁ、よくもおっしゃって下さいますよってんだい。
しかたがないので近くの公園までということで出かけました。
強い風もカラッとしていて、これだけの日差しには心地良いものでした。
公園内をぐるっと一回りしてくると、駐車場近くで若者がスケボーなどやっておりまして、
だけどね、そこはそもそもバスケを楽しむ場所なんでありますよ。
「よし、俺がちょっと言ってきてやる。」
「止めときなって」
「おっ、スケボーかぉ、オジサンだって若い頃やったことあんだよ」
キョトンとする若者。
「だけど、ここでやっちゃぁマズイんじゃないかぁ、休日だしバスケやるヤツが来んだろ」
怪訝そうな顔をするので、やっちゃいました。
いやいやケンカじゃないですよ。車に積んであった息子の忘れ物、バスケットボールを持ち出したのです。
「おめぇらもいっしょにやんべ」
悪い連中かどうかは直感で分かるもんでありまして、『ワン・オン・ワン』ならぬ『ツー・オン・ワン』に付き合ってくれました。
あははははは、付き合ってくれたといっても、まともに私の体が動くわけもなく、すぐにバテバテ。
すると近くで遊んでいた子供たちが、自分たちもやりたそうに見ているもので、バトンタッチしながら小一時間ほどでしょうか、楽しんできました。
最初、怪訝そうだったお兄ちゃん達もけっこう楽しかったようで、よかったよかった。(笑)
思わぬ運動で汗を流せば、もう動けましぇ~~ん。そ~~~っと冷蔵庫からビールを出して、グビグビグビ「かー!ウメエ~~~~~」
午後からは全く体を動かす気力が起きず、いつものビデオ鑑賞です。
今日のビデオ鑑賞は新旧豪華二本立て、日本映画「HERO」と、ちょっと前から見直したいと思っていた「ペーパー・ムーン」です。
「HERO」は、まぁどうでもいいっちゃどうでもいいんですが(ファンの方すいません。)、「ペーパー・ムーン」は、久しぶりに見ても面白い映画でした。
1930年代の大恐慌期のアメリカ中西部。
母を自動車事故で亡くして孤児となった少女アディ(テータム・オニール)は、母と付き合っていた詐欺師のモーゼ(ライアン・オニール)に連れられ、ミズーリにいる叔母のところまで旅することに・・・・・
いわゆる「ロード・ムービー」というやつですが、以前紹介した「シュアシング」もそうですけど、私はこの手の映画が好きなようです。そして、その原点にあるのがこの映画かもしれませんね。
なにしろ、史上最年少(10歳)でアカデミー助演女優賞を取っちゃったテータム・オニール(テイタムが正しいのかもしれませんが、古いパンフレットではこの表記でした。)がすばらしいんですが、1963年11月5日生まれでしょ、私より・・・・んんんん。
出演作では「頑張れベアーズ」「バスキア」は見たんですが、今どうしてんだろ?
マイケル・ジャクソンと付き合ったり、そうそうテニスのマッケンローと結婚して5,6年で別れたんですよね、たしか。
古い「ペーパー・ムーン」のパンフレットを見ていたんですけど、テータムの紹介に、
母親はライアンと別れた女優のジョアンナ・ムーア。母に引き取られていたテータムは'72年のある日、パパに逢いたい一心で家出同然ハリウッドに向かった。
と書いてあって、私が劇場でこの映画を観たときにはこんな文章どうでもよかったのでしょうけど「なんて可愛い児だったんだろう」なんて今更に思っちゃって、これも私も娘を持つ身になったればこそなんでしょう。(笑)
ともかく、見終わった後に心が優しくなれる映画、しかも、わざと白黒ってぇのがニクイじゃありませんか。私はやっぱこういうのが好きだなぁ。
この映画、内容はもちろんですが、使われている音楽がまた良いですよね。
ボール紙の海に浮かぶ紙の月でも
私を信じていれば 本物のお月様
作り物の木と 絵に描いた空でも
私を信じてくれたら 本物になる
E.Y.ハーバーグ作曲の「IT'S ONLY A PEPER MOON」はもちろん「ABOUT A QUATER TO NINE」「FLIRTATION WALK」「JUST ONE MORE CHANCE」「ONE HOUR WITH YOU」・・・・・
エンディングに流れた「LET'S HAVE ANOTHER CUP OF COFFEE」も良い、音楽でも楽しめるこれも映画の魅力です。
なんだかこの連休は、観光地に出かけるでもなく、買い物に付き合わされたり、五月人形の陰干しをさせられたりと、あまり実のない休みだったようにも思います。
それでも、初日前夜には30年物のバランタインを飲み干し、最終日の今日もへんに充実した一日だったし「最初と最後が良かったから、まっいいか」そんな感じですかね。(笑)
さて、今日の一枚は、「IT'S ONLY A PAPER MOON」をなんとか取り上げたいなぁと思いましてね。でもナット・キング・コールの「AFTER MIDNIGHT」も、マイルスの「DIG」もすでに紹介済みですから、私の数少ない80年代以降の録音CD、ディブ・ブルーベックにしました。(ジャケ・デザインもそれらしいですしね)
このアルバムは、ジュリー・バーガンジのテナーをどう捉えるかに尽きるとは思うのですが、あまりゴチャゴチャ考えずに、素直な気持ちでリラックスした雰囲気と暖かさを感じ取ればいいかな。
ブルーベックというと、どうしてもポール・デズモンドが浮かんでしまう、私のような古い頭の人は、素直な心で聴くことが肝心だと思います。
連休最終日、今宵は本物の月でも眺めながら、ブルーベックとバーボンで締めましょう。
PAPER MOON / DAVE BRUBECK
1981年9月録音
DAVE BRUBECK(p) JERRY BERGONZI(ts,el-b) CHRIS BRUBECK(el-b,btb) RANDY JONES(ds)
1.MUSIC, MAESTRO, PLEASE !
2.I HEAR A RHAPSODY
3.SYMPHONY
4.I THOUGHT ABOUT YOU
5.IT'S ONLY A PAPER MOON
6.LONG AGO AND FAR AWAY
7.St.LOUIS BLUES
おまけ、
せっかく「最後は充実?」なんて喜んでいたら、
「今日は、フランスパンもらったからご飯炊かないからね」
「???????」
この言い方は日曜日でもないのに「料理当番をやれ!」と聞こえたのですが・・・・
本当は昼間ビールを飲んだので日本酒にしようと思ってたんです。そしたらフランスパンて、あ~た。
しかたがないので、圧力鍋を使って急いで作りました。