JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

酔いどれバブは、天使か悪魔か?

2008年05月11日 | p-r

「今日もまた暇な一日になりそうだなぁ、何しようかなぁ・・・」てなこと考えていたのですが、S君からの電話で彼の事務所へ出かけたり、Mさんの呼び出しで出かけたりとそこそこ用事が出来きて、「まぁ、一日家でゴロゴロしているよりは良かったかなぁ」なんて思っています。

それでも、時間が全部つぶれたわけでもなく、先日録画しておいた黒沢明監督の「酔いどれ天使」を見る時間は充分にありました。
じつは、昨日も言ったように、私は邦画をあまり得意としません。ですから黒沢作品も有名どころしか見ておらず、今回のNHK-BS『没後10年 黒沢明特集』を密かに楽しみにしていました。

「酔いどれ天使」もそんな中の一本。三船敏郎を始めて起用した作品ということもありますが、マイク・モラスキー著「戦後日本のジャズ文化」で<天からの視点~黒沢明の『酔いどれ天使』>というかたちで取り上げられていたこともあって、見てみたいと思っていた映画だったのです。

おっと、勘違いしないでください。私はこの映画に、例えば「死刑台のエレベーター」のような、あるいはもっとストレートに「ラウンド・ミッドナイト」のような「ジャズ映画」を期待したわけではありません。
モラスキー氏も戦後日本に於けるジャズの捉え方(つまりジャズ=ダンス音楽、あるいは流行歌以外のポピュラー全般といった)の一例としてこの映画を取り上げているだけで、つまりそれは現在認識されるジャズとはかなりかけ離れたものであるからです。

それでも、ジャズのビック・バンドらしき前で歌い踊る笠置シズ子の「ジャングル・ブギ」(いわゆる服部良一によるブギウギ・シリーズの一曲でありますが)なんか聴くと、それが本来のブギウギではなくとも、ジャズと呼べるのか?との疑問符が付こうとも、当時の「ジャズをながすダンスホール」のエネルギーを感じるには充分でありました。

まぁ、そんなことは別にして、やはり黒沢作品というものは引き込まれる何かを持っていますね。そして、白黒であればこその迫力を特に感じました。
松永(三船敏郎)が真っ白になって死んでいくさまなど、今の映画には出せないリアリティーというか、強い印象をかき立たせるというか・・・・

NHKでは今年いっぱいかけて黒沢作品30本を放映するそうですし、すでに「野良犬」「わが青春に悔いなし」も録画済み、見るのが楽しみです。

ところで、いつも酔いどれの私は、天使か悪魔か?
どっちでもいいか(笑)

そんなこんなで、黒沢作品に酔いながらも料理当番は逃れられないわけでして・・・
『料理当番、今日の一品』です。
「酔いどれ天使」に時間を取られましたので、簡単に出来る和洋折衷メニューにしました。

まずは私のつまみ兼用「タコのマリネ」です。オリーブ・オイル、ワイン酢、塩、胡椒、醤油(ほんのちょっと)にタマネギのみじん、大葉を混ぜ込みマリネしました。

こちらは、厚揚げ、白ネギ、シメジ、アスパラを網で焼き、とろみを付けたみぞれ餡をかけました。
これに味噌汁、キュウリ揉み、30分もかけずに作ったわりには好評でした。

さて、今日の一枚は、ソニー・レッドです。
モードといってもモードを演ってるわけじゃないんですけどね。(笑)
レッドの魅力は何かと考えると、迫力があるわけでもなく、極端に上手いわけでもなく・・・やはりメロディアスなところなんだと思います。
そういった意味でジョージ・タッカーのベースにのったレッドは、じつにメロディアス、「MOON RIVER」「I LIKE THE LIKES OF YOU」二曲聴いただけで、そんな魅力を感じ取れると思います。
彼の魅力を充分に味わえる一枚ではないでしょうか。

THE MODE / SONNY RED
1961年5月29日[2,4,6,7], 12月14日[1,3,5]録音
SONNY RED(as)
CEDAR WALTON[2,4,6,7],BARRY HARRIS[1,3,5](p) GRANT GREEN(g)[1,3,5] GEORGE TUCKER(b) JIMMY COBB(ds)

1.MOON RIVER
2.I LIKE THE LIKES OF YOU
3.SUPER-20
4.BYE BYE BLUES
5.THE MODE
6.NEVER NEVER LAND
7.KO-KEE