JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

ガンガン鳴らす音が聴きたい

2008年05月04日 | y-その他

今日は駅前に買い物に行きたいという、私が最も苦手な要望を受け、買い物自体には付き合わないことを条件に出かけました。
車を駐車場に止め、待ち合わせ時間を決めた私は、2時間暇を潰さなければいけません。映画を観るにはちと時間が短すぎますから

1.図書館で本を読んで過ごす
2.茶店で本を読んで過ごす
3.あてもなく町中を歩く
4.久しぶりにパチンコでもする


なんとも時間の使い方を知らない私。それでも、家人の買い物の付き合いよりは、私にとってどれも良い選択となるわけでして・・・・

よく考えてみると、最近は昼間に駅前をウロチョロすることはほとんど無く、ネオンきらめく(それほど凄いきらめきではないのですが)時間にしか散策をしておりません。
ならばと私が選択したのは「案2」「案3」の合体でありました。

まるで高校生の頃に戻ったように、あてもなくウロウロすると、夜とは違ったその風景はあたりまえではありますが、高校時代とはまるで違うものでした。
私が高校生の頃は、まだ駅前の繁華街が生活の中心といった時代。それが今や休日だというのに歩いている人の少ないこと少ないこと、ちょっと道を外れれば人っ子一人いやしません。
まぁ、このあたりでは老舗といわれた百貨店の閉店、駅前開発の遅れ、大型スーパーの郊外進出等々、どこの地方にもありがちな現象に、一部道路特定財源を使った(笑)小規模な駅前開発を今更行ったところで、「焼け石に水」ということなのかもしれません。

歩きついでに高校時代、私がアルバイトをしていたジャズ喫茶の跡はどうなっているかとまわってみました。

ツタの絡まった古い建物でしたが、ちょうどこの写真のあたりにあったのでありまして、ウン十年という月日は思い出だけを残して跡かもなくなっていました。

「どうせだから、唯一ジャズをレコードで聴かせてくれるであろうお店で、本を読んでいこうかな」
私が田舎を離れてから、奇特にもジャズ喫茶を始められた方がおりまして、今は全面にジャズを出しているかどうかは分からないものの、お店は継続されております。
私も以前はマスターとも面識があったのですが、いわゆる同じジャズでも若干聴く好みが違うというか・・・そんなこともあって、途中移転された今のお店には伺ったこともなく、もうすでに10年以上ご無沙汰しております。

ドアを開けると、早い時間だということもあったのでしょう、客は私一人。マスターは不在で奥様が店番をされておりました。
ともかくはテーブル席の端に座って珈琲を注文、本を開いて読み始めました。

ご存じのとおり、私の所有するアルバムは、80年代以降の品揃えが極端に悪く(笑)、そんなアルバムを何枚か聴かせていただければなとの期待がありました。案の定、流れていたのは期待通りではあったのですが・・・・・・
時代の流れ、お客の要望の変化なのでしょうけど、なにしろボリュームが低い。私が読んでいる文庫本のページをめくる音が聞こえるくらい低い。もちろん歳のせいで耳が遠くなったのもあるでしょうけど(笑)
やっぱり今どきガンガン鳴らすなんていうお店は、こんな田舎じゃやっていけないのでしょうね、これもしかたのないことかもしれません。
「でもなぁ、せめて私が自宅で夜出すくらいの音量は欲しかったなぁ」
結局は一時間ほどで出てきてしまいました。

マスターYさんにはほんと申し訳ないんですが、私は自宅で所有盤をかけながら、珈琲・本というのが今はあっているのだと痛感しました。
そしてまたいつか、大音量でジャズをながすお店が、我が田舎にも復活してくれれば良いのにね。
「ガンガン鳴らす音が聴きたい」
と思えた一時でした。

さて、今日の一枚はM.J.Qです。
この「SOFTLY AS IN A MORNING SUNRISE」は飽きるほど聴かされました。(笑)
最後にして最高の演奏と褒め称えられた一枚ですが、個人的には初期のM.J.Qの方が好きだったりします。それはあたかもミルト・ジャクソンが主導権を握っていたかのように思うからかもしれません。(ジョン・ルイスが少々苦手という理由もあったりしますけど...笑)

M.J.Qは、1951年、当時ディジー・ガレスピー楽団のリズム・セッションであったミルト、ルイス、パーシー・ヒース、ケニー・クラークの4人が1952年からレギュラー・グループとして活動、以後1974年このアルバムが録音されたその年までの22年間、モダン・ジャズ界に君臨した誰もが認める名コンボです。(コニー・ケイは1955年2月から)

前記のように最初はミルトが主導権を持っていたものの、ルイスのヨーロッパ古典音楽憧憬を受け、室内楽のような優雅なサウンドに進めば進むほど、ルイスがリーダー的立場へとなっていったわけですが、そもそもミルトという人は、リーダーを特定される事を嫌った人であったといいますから、一つ自然な流れではあったのかもしれません。
いずれにしても、M.J.Qでのミルトそして離れてのミルト、両方の活動があってこその彼であったでしょうし、ミルトのバイブが他の追随を許さないほどの域に達したのもそのおかげであるとも思います。

私の好みは別としても、このアルバムは「ジャズ室内楽ここに完成!」と誇らしげに聴かせてくれる一枚として、名盤であることは間違いないと思います。
本日はCDでの紹介です。
(ちなみに1981年に再結成されましたが、私は「そちらはご愛敬かな」と思っています。)

THE COMPLETE LAST CONCERT / THE MODERN JAZZ QUARTET
1974年11月25日録音
MILT JACKSON(vib) JOHN LEWIS(p) PERCY HEATH(b) CONNIE KAY(ds)

DISC 1
1.SOFTLY AS IN A MORNING SUNRISE
2.THE CYLINDER
3.SUMMERTIME
4.REALLY TRUE BLUES
5.WHAT'S NEW ?
6.BLUES IN A MINOR
7.CONFIRMATION
8.'ROUND MIDNIGHT
9.NIGHT IN TUNISIA
10.TEARS FROM THE CHILDREN
11.BLUES IN H(B)
12.ENGLAND'S CAROL
DISC 2
1.THE GOLDEN STRIKER
2.ONE NEVER KNOWS
3.TRAV'LIN
4.SKATING IN CENTRAL PARK
5.THE LEGENDARY PROFILE
6.CONCIERTO DE ARANJUEZ
7.THE JASMINE TREE
8.IN MEMORIAM
9.DIANGO
10.BAGS' GROOVE

おまけ、
日曜日ですので『料理当番、本日の一品』

一昨日の鰹がバカに美味しかったもので、私は「鰹の刺身」をいただきました。このあたりではニンニク醤油で食べるのが定番でして、あとでちょっと喉が渇き気味になるので、下に敷いた水菜もいっしょに食べしょっぱさを少し押さえるようにしました。

こちらは「生ものダメ人間」用に作った「豚肉の牛蒡巻きロースト」ちょっと甘辛のタレで仕上げました。

これに今夜は「カニかまビックリサラダ」を添えて