褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 メメント(2000) 時系列が逆向きで進みます

2017年04月05日 | 映画(ま行)
 アイデアは斬新で、主人公のキャラクター設定はありそうであまり見かけないタイプの人間で、次から次へと謎が出てくる楽しい映画が今回紹介するメメント
 本作の構成は時系列が逆向き、いきなり結論から始まって最初の頃に戻ってくる珍しいパターンの映画。ちなみに映画は撃たれて死んでいる男がうつぶせに倒れている場面から始まる。
 そして主人公の男のキャラクターだが、記憶障害を患っている。これだけなら多くの映画でも見られるが、その度合いがかなり酷い。記憶が保てるのがたった10分だけ。つい先ほど出会った人物のことをまったく覚えていないのだから生活するのにかなり支障をきたす。
 最近なんだか俺もAKB48のメンバーを見ても顔と名前が一致しなくて悩んでいたのだが、俺の悩みなんかちっぽけなものだということに本作を観ていたら気づいた。
 この男のハンデは致命的に思えるが、それを克服しているのが反復行為をしっかり身につけていること。出会った人物、重要な場所、物などは必ずポラロイド写真に撮って収め、名前や重要なことは必ずメモに残す。しかも、その残し方がハンパではなく、超重要事項は自分の身体に刺青として残しておく徹底ぶり。おかげでこの男の首から下は刺青のメモだらけ。
 俺はよく仕事中にメモをとりなさいと指摘されることが多いが、この男を見ているとメモをとることの重要さにきづかされた。

 それではネタバレ厳禁のタイプの映画なので、いつも以上に気をつかったストーリー紹介を。
 ある事件を切っ掛けにレナードは(ガイ・ピアース)は、その前のことはしっかり覚えているが、それ以来10分間だけしか記憶を保てない深刻な記憶喪失に陥っている。忘れてもいいように出会った人物の顔、場所の写真を撮りまくり、メモをのこす。そして彼の身体に刻まれた「ジョン・G」という名前。レナードは自らの目的を遂行するために、ジョン・Gを探すべくアッチコッチと動きまくるのだが・・・

 わずかな時間しか記憶がもたないって苦労するから可哀そうだよな~なんて思いながら見てたら、本当に可哀そうなのは物忘れが激しいことを良いことに悪人から利用されてしまっていること。麻薬、身代わり、金絡みといった悪企みに巻き込まれている様子が気の毒になるぐらいなのだが、不幸中の幸いというか俺の心配をよそに彼は自分が利用されていることを全く覚えていないのが、チョッと笑える。
 しかし、観ている最中は次から次へとネタを提供してくれるので頭の中がフル回転状態。一つネタが出てくるたびに、すぐにネタを明かしてくれるパターンだったら単純なのだが、答えが明かされないうちに「ハイ、次~」って感じでネタを出してくるものだから、手を抜いて観ている時間がない。
 また、出てくる奴らが嘘つきが多いので観ていて何が真実なのかわからなくなってくる。実は俺だって本作を何回も観ているのに未だにモヤモヤした気分になっている。そんな俺は本作の監督であるクリストファー・ノーランの術中にハマってしまっていて、何回も観直してしまうのだろう。
 本作の主人公と同様に観ている我々の記憶力も試されている気分になったりもするが、結末はなかなかの衝撃があり、観ている最中もダレルことなく面白く感じられる。
 見る人によっては面倒くさい構成に感じるかもしれないが、監督、脚本が良いと、こんなに面白い映画を作ることが出来るんだということを理解させてくれる映画メメントをお勧め作品として今回は挙げておこう

メメント [DVD]
クリストファー・ノーラン
東芝デジタルフロンティア


 監督は前述したクリストファー・ノーラン。この監督はまだ若いのにお勧め映画が多数。バットマン ビギンズから続くシリーズ物は最高に面白くて考えさせられるし、マジック対決が次第に力技になっていく感じがするプレステージ、哲学的な感じをうけるSF映画インターステラ、そしてこの監督の才能を感じさせるデビュー作品フォロウィングなどお勧め多数です。  

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