褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 セブン(1995) 今さら語ることのない映画だと思いますが・・・

2014年07月07日 | 映画(さ行)
 ラストが衝撃的だったとか、犯人役の人が凄かったとかさんざん言われるように、今さら改めて語ることなど無いような気がするぐらい有名な映画。簡単に言うと、キリスト教の七つの大罪(暴食、強欲、怠惰、肉欲、高慢、嫉妬、憤怒)に基づく殺人事件を追いかける定年退職を一週間後に控えたベテラン刑事と、まだまだ荒削りの新米の若手刑事のコンビの姿を描いた映画。
 ちなみに本作は七つの大罪をすっかり犯しまくっているアメリカ本国では大ヒットを記録したし、アメリカ人以上に日常茶飯事的に七つの大罪を犯しまくっている俺は非常に反省させられる、と言うよりも心底から恐怖を感じた映画。もしも、こんな殺人鬼が居たら俺なんかは真っ先に狙われるし、既に何回殺されているか数え切れない。
 それにきっと俺のブログを見ている人ならば競馬好きが多いと思うが、そのような人にとっては非常に痛いところを突いている。そのことについては後述する。

 多くの他の映画ブログや映画関連の媒体で述べられていることの無い、俺らしい斬新的な切り口で映画セブンを紹介してみよう。そもそも、なぜこの映画はアメリカで大ヒットしたのか?アメリカ社会なんてものは少数の大金持ちである富める者と路頭に迷う大勢の貧しい人と二極化されているように非常に貧富の格差が大きい国。あの国では努力すれば誰でも報われるというのは大きなたわ言だし、だいたい富める者は貧しき者を踏みにじって成り上がっていき、貧しき者から何から何まで貪り尽くして胡坐をかいている。こんな不条理な世の中においては、真面目に生きる人間は馬鹿を見るだけ。
 そんな不条理さによって、愚直なぐらい真面目に働き、正しいモラルをもって一生懸命に生きても報われない多くのアメリカ人の溜飲を下げるかの如く大活躍してくれるのが、本作に登場するちょっとばかりユニークな殺人鬼だ。何がユニークって『人殺しをしているのは俺だよ~』っと血糊を付けて刑事達の前に登場するが、そんな登場の仕方をする殺人鬼なんて多くの映画を観ている俺でも今のところ最初で最後だ。この殺人鬼の人殺しの方法は残酷すぎて決して褒められた物ではない。しかし、この殺人鬼が後半で刑事たちに語ることをボケッ~と聞いているだけでは何をグタグタ言っているのか理解できないが、しっかり耳を澄まして聞いていると現代社会の不条理さに悩まされる人達にとっては『そのとお~り!』と納得できることをしゃべっている。そしてこの殺人鬼の決着のつけ方が、まさに俺も含めて多くの人間が抱えている七つの大罪の内の1つを見事に表現している。多くの観客はこの殺人鬼の行いに大きく共鳴したというのが、この映画の大ヒットした大きな要因だ。
 さて、この映画を観た人は俺の意見に賛同する人は果たしているのか?どう考えても居ないだろう

 この映画のジャンルはサスペンスだが、この映画の凄さはサスペンス的な面白さではなく宗教的な面を含めて哲学的な側面を感じ取れることだろう。定年退職を控えたベテラン刑事はすっかり堕落したこの世に対して絶望感を抱き、まるで今までの長年における刑事人生がまるで無駄だったかのような無常観を醸し出している。彼の長年の刑事生活で出した答えは、不正や犯罪が蔓延る世の中に対しては静かなる傍観者であること。しかし、定年間際になって出会うことになってしまうのが、自分の感覚では理解できないような殺人鬼と自分とはタイプの異なる野心家である若手刑事の2人。そんな2人との出会いが、この世の中の傍観者である事を許さない。このベテラン刑事の困惑振りから、やっぱり悪い事から目をつぶったらダメなんだということがよくわかる。
 さらに犯罪が多い都会にわざわざやって来る若手刑事のキャラクターもなかなか意味深だ。とにかく刑事として手柄を立てようと英雄になりたがる様子はいかにもアメリカ人らしさを感じる。観ている誰もが『お前が1人で解決できる事件じゃないだろ~』とツッコミを入れたくなってしまうが、なぜか自信満々。根拠無き自信あり気な様子が、いかにもアメリカっぽい。
 そしてそんな最もアメリカらしさを感じさせるこの若手刑事にラストで言わるシーンが『オ~、神よ』。この台詞を言う時のブラッド・ピットの演技は凄い。カメラ目線であの表情、行動をもっと誰か褒めてやれ。犯人役の人ばかりが褒められることの多い映画だが、ブラッド・ピットの演技を誰も褒めないのが本当に不思議だ。

 それにしても理不尽な人間が、ノウノウと生きていることが許されることが多いこの世の中において本当に神は存在するのか?なんてことを個人的に考えさせられる映画セブンのストーリーを簡単に紹介しよう。
 定年退職を1週間後に控えたサマセット刑事(モーガン・フリーマン)とまだまだ荒削りの新米のミルズ刑事(ブラッド・ピット)は殺人事件の現場に急行する。そこには恐ろしいほど太った男が顔面を容器の中に突っ込んでいる姿。何者かに銃を突きつけられ、永遠に食わされていたことが判明。そして現場には暴食と書かれた文字が残されていた。
 翌日、著名な弁護士が自分の高級オフィスの自室で血まみれになって殺害されている姿が発見される。その現場には『強欲』の血文字が書かれていた。
 サマセット刑事(モーガン・フリーマン)は犯人はキリストの七つの大罪をモチーフにして更に犯行を重ねることを断定。さらに犯人の犯行は続くのだが、捜査線上にジョン・ドゥ(ケヴィン・スペイシー)の名が挙がってくる。
 サマセット刑事(モーガン・フリーマン)とミルズ刑事(ブラッド・ピット)はジョン・ドゥ(ケヴィン・スペイシー)のアパート部屋を訪れるが、ちょうど買い物から帰ってきたジョン・ドゥ(ケヴィン・スペイシー)に発砲され、逃がしてしまった上に、ミルズ刑事(ブラッド・ピット)は大怪我を負わされてしまう。
 その後も次々と殺害を繰り返すジョン・ドゥ(ケヴィン・スペイシー)だったが、七つの大罪のうち、『嫉妬』と『憤怒』の2つを残して、突然サマセット刑事(モーガン・フリーマン)とミルズ刑事(ブラッド・ピット)の前に現われる。果たしてジョン・ドゥ(ケヴィン・スペイシー)の目的は何なのか、やはりただの頭が狂った奴なのか、そして想像を超えた出来事が2人の刑事の前に・・・

 この映画を作った人たちは、当時の傲慢なアメリカ自身に対する警句の意味を込めて撮ったと思うが、まさにそれから次々とアメリカをショックのどん底に突き落とすような出来事が続く。9.11テロ、リーマンショック、まだまだこれらはアメリカに天罰を降す予兆に過ぎないだろう。だからこそ本作は今観ても非常に楽しい。

 さて前述したように本作はアメリカ人のみならず競馬好きにも非常に色々と思い当たる所のある映画だ。俺なんかは競馬場に行った時、まさに七つの大罪を犯しまくっている。レースとレースの合間には30分間ぐらい時間があるが、その間常に俺はたこ焼き、牛丼、お好み焼き、うどん等を食いまくっているが、このことは暴食の罪に当たり、馬券を買うときは常に一攫千金で万馬券を狙っている俺は強欲の罪に当たり、自分の家族は忙しくしているのに競馬場で遊んでいる俺は怠惰の罪に当たり、馬券で儲けたら夜の街に出かけて風俗に行ってしまう俺は肉欲の罪に当たり、他の人の意見を参考にせずに自分の競馬予想が1番優れていると思っている俺は高慢の罪に当たり、他人が万馬券を取ったと聞くとその人を祝福するどころかなんだかムカつく気分になる俺は嫉妬の罪にあたり、自分の買った馬券が外れた時にジョッキーや馬に悔しさをぶつけてしまう俺は憤怒の罪に当たる。俺は何たる罪深き人間なのか、オ~、マイ、ゴッド

 何だか映画セブンについて斬新的な紹介をするつもりが、結局は俺が世界で最も罪の深い人間だということを告白しただけのような内容になってしまったが、本作の醸し出すダークな雰囲気、映像は観た者に対して大きなインパクトを残すはず。まだ観たことがない人にはもちろんお勧めだし、観たことがある人も再見することをお勧めします

セブン [DVD]
ブラッド・ピット,モーガン・フリーマン,グウィネス・パルトロウ,ケビン・スペイシー
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 本作の監督は本作のセブン以降、新作を出すたびに注目されるデヴィッド・フィンチャー。この人のお勧めはファイトクラブゾディアックドラゴン・タトゥーの女等のようなダークな感覚で刺激的な映像表現は見応え充分。他作品とは作風が異なる感動的作品としてベンジャミン・バトン 数奇な人生もお勧めに挙げておこう。

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