褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 ライフ・オブ・デビッド・ゲイル(2003) 死刑制度がテーマ

2017年04月02日 | 映画(ら行)
 ハリウッドというのは死刑制度をテーマにした映画が多い。まあ、だいたいどれもこれも似たり寄ったりみたいなもんだが、扱う題材は同じでも他とは少し切り口で死刑制度の是非を観てる我々に問いかけるのが、今回紹介するライフ・オブ・デビッド・ゲイル。社会派映画ではあるが、娯楽作品として誰もが楽しめる映画だ。
 ちなみに本作の舞台となるのはテキサス州。アメリカっていう国は州の権限が強く、州ごとに制度が違う。例えば消費税のパーセントが違ったり、そしてさらに死刑のある州と無い州がある。とくにテキサス州は死刑を行うことに積極的。最初の方で『この辺りはスタバよりも刑務所の方が多い』なんて台詞が飛び出すが、スタバ好きの俺はチョッと笑ってしまった。そういう点ではテキサス州は死刑をテーマにした映画の舞台になりやすい。

 さて、本作のケヴィン・スペイシー演じる主人公だが、何冊か本を出しているエリート大学教授にして、死刑制度廃止を求める活動家。しかし、この主人公がある事件をきっかけに社会的地位なくし、そのことが切っ掛けで愛する妻子から逃げられてしまう。しかも、自分は冤罪を主張しているのに今やレイプ殺人事件の容疑者として死刑が迫っているという踏んだり蹴ったりの人生。死刑廃止論者が死刑執行されそうになっている状況は皮肉なんて言葉だけでは済まされない気がするが、この男が凄いのは最後の最後に大芝居を放つところ。

 前フリはこのぐらいにしておいて、肝心のストーリーの紹介を。
 大学教授で死刑廃止運動を行っていたデビッド・ゲイル(ケヴィン・スペイシー)は同僚で自分と同じく死刑制度廃止論者のコンスタンス(ローラ・リニー)をレイプ殺人した容疑で死刑宣告をされてしまう。死刑執行が間近にせまって、刑務所の中から突然に敏腕女性記者であるビッツィー(ケイト・ウィンスレット)を指名してインタビューを申し込む。
 ビッツィーはこいつは死刑になって当然だと思いながらも、デヴィッドと面会するのだが、死刑執行前の3日間のインタビューをしているうちに、デヴィッドは実は冤罪なんじゃないかと思い始めるのだが・・・

 エリート教授であったほずのデビッドの人生が転落していく様子から、酒と女には気をつけないといけないことが男性から見ればよくわかる。それはさておきデヴィッドはなぜ同僚の女性を殺すことになったのか、いや本当に殺していないのか等、興味が色々と惹かれるので見ていて全く飽きることがない。一瞬、俺は大学教授をクビにさせられ、更に奥さんと子供と別れてしまうことになって、ヤケクソになって同僚の女性を殺してしまったのか?なんて勘繰ったのだが、そんな単純なストーリーではなかった。
 デビッドが最後に見せる意地と誇りに見ていた俺は大いに感動した。その人の偉大さというのは再起不能なぐらいにドン底に叩き落とされたときにこそ発揮されるのだということが本作を観るとよくわかる。なんて言いながらデビッドってそんなに良い奴だったけ?
 観終わった後は何となく色々と疑問に感じることもあったりするが、ケヴィン・スペイシーを始め、ケイト・ウィンスレットローラ・リニー、その他の実力のある俳優陣の演技に説得力があり、観ている最中は何の違和感もなくストーリーにぐいぐい引き込まれた。それは冒頭からケイト・ウィンスレットがドタドタ走っているシーンを見て、もう少しダイエットしてから撮影に臨めよ!なんていきなりツッコミから始まったのにだ。それぐらい本作のキャストは素晴らしい。
 
 死刑制度は廃止にしたらダメだよな~と思っている立場の人間が本作を観終わった後にコロッと考え方が変わるとは思わないが、それでも死刑制度及び冤罪について問いかけてくるものがあるだろう。社会派映画にありがちな堅苦しさはいっさい無く、必要以上にあおるサスペンス感は観ていて楽しく、それでいてエロと意外性もある。誰が観ても楽しいと思わせる映画として今回はライフ・オブ・デビッド・ゲイルをお勧め作品として挙げておこう

ライフ・オブ・デビッド・ゲイル [DVD]
ケビン・スペイシー,ケイト・ウィンスレット,ローラ・リネイ,ガブリエル・マン,マット・クレイヴン
ジェネオン・ユニバーサル


 監督は社会派サスペンス映画には定評のあるアラン・パーカー。他にお勧めとして反戦映画だったのか?と思えるバーディ、人権問題に切り込んだミシシッピー・バーニング、今のどんでん返し系のサスペンス映画に影響を与えまくっているエンゼル・ハート、キッツイ描写がインパクトのある脱獄ムービーのミッドナイト・エキスプレスが良いです。





 
 

 
 

 




 
  
 
 
 
コメント (6)
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