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僕はアルフレッド・ヒッチコックの映画は好き
サスペンスの神様と呼ばれる監督なだけにハラハラドキドキする映画が彼の魅力か?と言えば、ちょっと違う感じもする
実験精神旺盛な映像表現における巧みな演出、そして今の映画監督がサスペンス映画を撮るときに欠けているユーモアが彼の魅力である
そして時にその実験精神旺盛なゆえに、今の映画からは考えられないくらいバレバレの合成の映像処理は欠点と言うよりも、ヒッチコックらしい余裕を感じる
今の映画監督は観ている人々をとにかく恐怖心を煽ることしか考えていないようで、映画作りという点で全く余裕が無いのが残念だ
実は今回の救命艇という映画は今回初めて観る
舞台は海に漂う狭い船の中に数名の男女の心理がナチスドイツを絡めて描かれているが、この設定で思い出す映画がロマン・ポランスキー監督の水の中のナイフ
まさにこの映画はほとんどヨットの中だけを舞台に1組の金持ち夫婦と、これから未来を切り開こうとする若者の3人だけが登場する傑作心理サスペンス
舞台設定は似ていても、この2作品は感じ方が大きく違う”水の中のナイフ”があくまでも乾いたタッチでありいかにも映画評論家には好まれそうな作品だが、単純に映画を娯楽として考えている人には少し物足りない作品かもしれない(是非、観て欲しい作品ですが)
その点でヒッチコック監督は観る側のツボを心得ているようで観客が何を期待しているかこの映画でもわかっているような場面が見られる
狭い船の中において、ヒッチコック監督は何処に現れるのか?それでは救命艇を・・・
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第二次世界大戦中、イギリスへ向かう旅客船がドイツのUボートから攻撃を受けて沈没する
旅客船の破片が海に飛び散っている所へ、1隻の救命艇が現れる
救命艇に乗っている女性はミンクのコートを着ていて、高価なブレスレットをしていてとても沈没していた旅客船に乗っていたとは考えられない振る舞いをしている
そんな彼女が乗っていた救命艇に沈没していた旅客船から1人の男が泳いできたその姿をカメラで撮る女性
彼女は世界中を飛び回ってスクープを探している記者であるコニー(タルーラ・バンクヘッド)
そんな1隻の救命艇に次々とイギリスへ向かう旅客船からの遭難者が現れてくるその人々は様々な職業、身分の人々であったところが最後に敵国のナチスドイツの男が乗ってきたことから、狭い救命艇の内部に居た8人?の間で緊張感が走る
敵国であるナチスドイツの男の扱いをどうしようかと議論する旅客船の人々だったが、救命艇が嵐に遭いその時リーダーシップを発揮したのはこのナチスドイツの男であった
救命艇に乗っている人々はイギリスへ向かおうとするが、彼らは今どの場所に居るのかわからない仕方なくナチスドイツの男の言う方向へ向かっていく救命艇だったが・・・果たして救命艇の乗客たちの運命は
そして、ヒッチコック映画の名物である監督自身はこの狭い救命艇においてどこに現れてくるのか映画を観て確認してください
冒頭のショットで船が沈んでいくシーンが印象的前述した映画”水の中のナイフ”では、老夫と若妻の金持ち夫婦がヨットで休日を過ごそうとしている所に、全く面識の無い大学生が一緒にヨットに乗り込んでくることによって、倦怠期であった夫婦関係の冷めた関係が露になっていくところが面白い映画だったが、このヒッチコックの”救命艇”は敵国ドイツの兵士が現れたことによって、一挙にスリルが出てくる
しかし、この映画が製作された時期が第二次世界大戦が終結しようとしていた時代のためか、やたらナチスドイツ批判しているシーンが多いのがこのサスペンスムードを白けた気分にさせてしまっているのは残念だ
狭い空間におけるそれぞれの人物の心理的葛藤、救命艇に襲い掛かる嵐、そしてこのナチスドイツ人の怪しい行動、そして乗客の中に脚を負傷した男性の存在などたくさんの見所はある
いわゆる密室劇の映画作品において、前述した"水の中のナイフ”や十二人の怒れる男に比べると、内容的に劣る気はするが、ヒッチコック監督の実験精神旺盛なこの映画はヒッチコックの映画が好きな人には非常に興味深い作品です
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しかし、最初の方のレンズのショットなど実験精神にあふれたところに興味は持ちました。
それとヒッチコックの登場シーンは当初は死体でのシーンを考えていたようですが・・・アスカパパさんの仰るようになかなか面白いシーンでした
ディープインパクトさんが言われる通りでして、確かに、ナチスドイツに対する批判が目立ちすぎて、サスペンス本来の楽しさを阻害していることは言えますよね。
ま、この時代に作られたものとして、目を瞑らなくては仕方ないと割り切って見ています。あのご本人登場場面が、そんな雑念を幾分でも和らげて呉れているようにも思います。
一本のパスに全神経を集中し、寸分の狂い、迷い、妥協を許さぬ、男の誇りを懸けた熱いドラマ。