褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 或る夜の出来事(1934) ロマンチックコメディの傑作

2018年09月05日 | 映画(あ行)
 ロマンチックコメディの名作で誰もが知っている映画となるとローマの休日が真っ先に思い浮かぶだろう。しかし、ローマの休日に影響を与えている映画となると今回紹介する或る夜の出来事が俺の頭にはパッと思い浮かぶ。しかし、この映画はローマの休日だけでなくその後における恋愛映画において大いなる影響を今でも与え続けている傑作だ。ボーイ・ミーツ・ガール 、スクリューボール・コメディといった恋愛映画によく使われる言葉は、この映画から始まる。
 合コン、飲み会、イベント等で初めて顔を合わせた男女が、第一印象が悪くてそのまま何も発展しないことが多々ある。俺もその類で何の成果も出ない合コンを繰り返しては、電話番号もゲットできずにカネだけ無駄に浪費している今日この頃。だいたい俺の良さは出会った一瞬だけではわからない。
 まあ、俺のボヤキはどうでも良いが、本作はまさに偶然にも出会った知らない者同士の男女が、最初は言い合いばかりしながらも次第に仲良くなっていく話。ところがこの男女の2人が、かなり笑わせてくれる。マイアミからニューヨークまで世間知らずのお嬢さんと、少々態度が横柄な新聞記者との珍道中。恋愛映画でもありロードムービーの趣もあったりする。

 色々な名シーン、名台詞、笑いがいっぱいのストーリーを簡単に紹介を
 富豪のお嬢さんであるエリー(クローデット・コルベール)には飛行士であるウェストリー(ジェムソン・トーマス)という名の婚約者がいた。しかし、ウェストリーの女癖の悪さは有名で、エリーの父は彼女を結婚させないためにマイアミ沖の豪華船に監禁していた。父親はエリーを何とか説得しようとするが失敗。エリーは船からダイブして逃亡してしまう。父親はさっそく探偵を雇って娘のエリーを探させる。
 エリーはマイアミからニューヨークに居る婚約者のウェストリーの所まで夜行バスで向かおうとする。そこへ居合わせたのがつい先ほど新聞会社の社長と喧嘩してクビになってしまった失業中の記者ピーター(クラーク・ゲーブル)。2人はいきなりバスの座席の取り合いで喧嘩してしまう。お互いに第一印象が悪くて何かとソリが合わないが、ピーターはエリーが富豪の令嬢だということを知ってしまい、これは大スクープになることを確信し、しばらくエリーと一緒に行動することに決めるのだが、次第にエリーはピーターに好意を寄せてしまう・・・

 世間しらずのお嬢さんの一人旅はやばい。鞄を盗まれたり、切符の買い方がわからなかったりで、もう少し勉強しろよ!なんて思ってしまう。しかし、この映画は名シーンの連発。大雨でバスが止まってしまい、2人は夫婦を装って一つの部屋で寝ることになるが、この時に二人を仕切る毛布をジェリコの壁に例えるが、聖書を少しかじっていたらけっこう笑えるし、これがラストシーンで大いなる効果を発揮する。他にも途中でバスを諦めてヒッチハイクをするシーンがあるが、ピーターが偉そうにヒッチハイクのやり方をエリーに教えるが、全く車が止まらない様子に笑える。ヒッチハイクは男性がするよりも女性にしてもらう方がすぐに車が止まってもらえることがわかる。
 それから出番は少ないがお父さんのキャラクターが良い。富豪とはいえ決してお金が大好きな人間ではなく娘のことを考えた行動が素晴らしい。これはなかなか感動した。他にもこの映画を褒めるところはたくさんあるのだが、とにかく笑い、テンポ、ストーリー展開が洗練されていて、何だか素敵な映画を観たような気分になる。
 笑える映画を観たい人、名監督の熟練のテクニックを見たい人、古典的名作映画の素晴らしさを知りたい人に今回は或る夜の出来事をお勧め映画として挙げておこう。


或る夜の出来事 [DVD]
クラーク・ゲーブル,クローデット・コルベール,ウォルター・コノリー,ロスコ・カーン,アラン・ヘイル
ファーストトレーディング


 監督はフランク・キャプラ。ハリウッド全盛期を支えた名監督。本当にどの作品も素晴らしい。ひたすら生きる気力が湧いてくる素晴らしき哉、人生!、この世の中にこういう人間は居ないのかと思わせるオペラハット、マスコミ関係の人はぜひ見て欲しい群衆、生き方に悩んでいる人は必見の我が家の楽園、キャプラには珍しいサスペンスの毒薬と老嬢などお勧め多数です。 

 


 


 

 
 

 

 

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