褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 SWEET SIXTEEN(2002) 痛切な青春映画

2009年12月27日 | 映画(数字、アルファベット)
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青春映画はちょうど僕が青春時代の時に、アメリカ映画においてたくさんあったもうすっかり、おばさんになってしまったデミ・ムーアは、ゴースト/ニューヨークの幻で大スターになったイメージが大半の人は持っているみたいだけれど、僕にはセントエルモスファイアーの青春映画の彼女が好きだった
 他にもフランシス・F・コッポラ監督の当時のヤングスターたちが総出演したアウトサイダーランブルフィッシュ、そして切ない三角関係の恋愛模様を描いた恋しくてなど、情熱、若さ、恋愛を描いた映画が多かった

 しかし、僕が本当に楽しめた青春映画となると、前述した熱い青春映画ではなくて、どこか飄々とした面白さがあったストレンジャー・ザン・パラダイスや、もっと古い映画になるとフェデリコ・フェリーニ監督青春群像のような無気力な青年たちを描いた作品に惹かれる

 そして今回紹介するSWEET SIXTEENだが直訳すると甘い16歳という意味で、いかにも楽しい青春映画が観られるのかと思うが、監督はイギリス人のケン・ローチ
 麦の穂を揺らす風では、イギリス人には触れたくないはずのアイルランドの内戦を運命的な兄弟を通して、暗にイギリスがもたらしたアイルランド国内の苦しみを描き、最近もやさしくキスをしてでは、パキスタン人移民の子供であるイスラム教の青年とカトリックの女性の宗教的価値観から2人の恋愛が冷ややかな視線でイギリスの世界を表現し、そしてこの自由な世界ででは不法労働者を雇用することの違法に対して、イギリスの労働環境を批判した映画を作った、左翼的社会派映画監督のケン・ローチがただの青春映画を撮ることは無い
 才能があっても学校へ行けない青年たちが存在するイギリスの実態を描いたSWEET SIXTEENを紹介しよう
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 もうすぐ16歳の誕生日を迎えるリアム(マーティン・コムストン)は仲間のピンボール(ウィリアム・リアン)と学校にも行かずに煙草を売って、その日暮らしの生活をしている

 しかもリアム(コムストン)の家族事情は複雑だ実の父親は出てこなくて、母のジーン(ミッシェル・クルーター)は恋人のスタン(ゲイリー・マコーマック)が麻薬の密売人で、リアム(コムストン)は将来父親になるかもしれない、スタン(マコーマック)を嫌っている
 そしてリアム(コムストン)には子供が1人居る姉のシャンテル(アンマリー・フルトン)がいるが、彼は姉と仲が良いのだが、姉のシャンテル(フルトン)は母のジーン(クルーター)の事を嫌っている
 母のジーン(クルーター)はスタン(マコーマック)の麻薬の罪を被って刑務所に入っている

 しかし、そんな家庭環境にありながらリアム(コムストン)は母のジーン(クルーター)と姉のシャンテル(フルトン)とその姉の子供の4人で暮らすことを夢見ていた
 ある日リアム(コムストン)は海が見渡せる場所でを将来母のジーン(クルーター)や姉のシャンテル(フルトン)と暮らせる家を見つける
 とりあえずその家の権利書(?)を手に入れるが、彼は煙草売りよりも、手っ取り早くお金を手に入れる方法を考えた
 それはスタン(マコーマック)が売りさばいている麻薬を自ら売る事だったリアム(コムストン)は仲間のピンボール(リアン)と2人で麻薬を売りさばこうとするが、麻薬を売るのにも縄張りがあり、彼らが売りさばいていた場所は悪名高いビッグ・ジェイの縄張りであり、リアム(コムストン)はビッグ・ジェイから痛めつけられる
 しかし、リアム(コムストン)は逆に麻薬商売における頭脳とガッツでやがてビッグ・ジェイの手下として働くことになり、そしてビッグ・ジェイから貸し家の高級アパートをお金が貯まるまで住む事になるしかし、その事がピンボール(リアン)との親友同士の絆が崩れる事になる
 そして、やけになったピンボール(リアン)はリアム(コムストン)が家族で住む事を夢見た家を燃やしてしまい、そして自らに刃を突きつける
 やがて母のジーン(クルーター)は出所し、そして彼女と仲の悪かった姉のシャンテル(フルトン)たちと出所パーティーを開き、家族が集まった事に喜びを感じるリアム(コムストン)だったが・・・続きは映画を観てください

 それにしてもこの映画の主人公であるリアム(コムストン)は家族想いの好青年だそして彼は頭が良いのだがついに、闇社会に深く突っ込んでしまうその頭の良さを犯罪に使ってしまう人間が多いのは日本でも同じだし、世界中でも残念なことにそのような人間が多い

 そして悲しいのはこの主人公のリアム(コムストン)が16歳の誕生日を迎えようとしている時に、過酷な運命に引きずり込まれる
 15歳から16歳と言えばまさに夢や希望に満ち溢れている時期だこの映画の示すタイトルのSWEET SIXTEEN(甘い16歳)とは、ずいぶん皮肉なタイトル
 この主人公のリアム(コムストン)は殴られ、蹴られるシーンが多々あるまさに傷だらけの青春アメリカ映画に出てくる楽しそうなハイスクール生活なんかワンシーンも出てこない

 ケン・ローチは社会派映画を撮ってきているそれも、イギリスの諸問題をダイレクトに描き出す彼の映画は、まさに将来において日本が抱える問題を描いているから彼の映画を観ていると他人事では済まない気分になる
 日本という国はまさに欧米諸国の問題を後から追っていることを感じるのは僕だけかな今や日本も麻薬に犯されている国であるだけに、この映画を観ていると日本の将来に不安を感じてしまうのは僕の思い過ごしかな

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2 コメント

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Unknown (ETCマンツーマン英会話)
2014-09-03 16:59:29
スコットランド英語が勉強したくて見た映画だったのですが、そのテーマの深刻さに心を打たれました。

先進国における貧困問題。このような状況でどうやって希望を見出していったら、映画を観ながらずっと考えていました。

> ケン・ローチは社会派映画を撮ってきているそれも、イギリスの諸問題をダイレクトに描き出す彼の映画は、まさに将来において日本が抱える問題を描いているから彼の映画を観ていると他人事では済まない気分になる

全く同じ気持ちになりました。

>日本という国はまさに欧米諸国の問題を後から追っていることを感じるのは僕だけかな今や日本も麻薬に犯されている国であるだけに、この映画を観ていると日本の将来に不安を感じてしまうのは僕の思い過ごしかな

僕の同様のことを感じています。
このような社会で本当の希望を見出していくことの大切さを噛み締めています。

素晴らしい作品との出会いに感謝です。


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ETCマンツーマン英会話さんへ (ディープインパクト)
2014-09-29 13:23:18
 コメントを返すのが遅くなってすいません。ケン・ローチ監督の初期作品は見て無いのですが、彼の作品は英国の諸問題を炙り出す社会派作品が多いですね。また社会派作品の描き方が面白いから好きです。日本も西欧諸国の後を色々と追いかけていますが、日本独自のあり方をもっと追及していければ良いのにと思います。
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