褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 15時17分、パリ行き(2018) 今までの人生が無駄ではないことがわかる?

2020年01月20日 | 映画(数字、アルファベット)
 ちょっと最近だが、東海道新幹線の車内で刃物を持った男が乗客3名の男女を切りつけて殺傷する事件があった。走行中という新幹線という逃げ場所も隠れ場所も限られている中で、刃物を持っている男が突っ立っていることを想像するだけでも恐ろしい。
 日本のような治安が良い国でこんな事件が起きるとはショックだが、やっぱり海外でも似たような事件があった。アムステルダム発フランス行きの高速鉄道タリス内で起きたイスラム過激派の男による銃乱射事件。今回紹介する映画15時17分、パリ行きは、偶然にもその場に居合わせてしまった3人のアメリカ人の若者を描いた映画。この時の列車内の様子を描くだけでもスリリングな内容の映画が出来上がると思うのだが、本作の監督はクリント・イーストウッド。彼ほどの巨匠ともなると我々のような凡人とは着眼点が違う。相変わらず彼の映画は色々なテーマを内包しているだけに観終わった後に色々と考えさせる。
 そして、本作で触れておかなければならないのは、3人の若者を演じるのが俳優ではなく、実際にその場に居合わせた3人を本人役に起用していること。果たしてその効果は?

 実際の事件を描いた映画なだけにネタ晴らしオッケーの作品。今回は非常に簡単にストーリーの紹介を。
 アメリカ人の3人の若者が休暇を利用してヨーロッパ旅行にやってきた。その3人がイタリア、ドイツ、オランダを回って、アムステルダム発パリ行きの高速列車タリスに乗るのだが、フランス国境内に入った後にイスラム過激派の男が銃を乱射。多くの乗客たちがパニックになり逃げまどう中、3人の若者が敢然とテロリストに立ち向かう。

 この3人の若者は小学校時代からの友人。彼らの小学生時代からの様子が描かれているが、実はこの3人はけっこうな駄目っぷりを披露してくれる。少学生時代の学校に迷惑をかけ、親を泣かせてしまうシーンが描かれたりする。夢に向かって頑張る姿も描かれていたりするが、何かと欠点が現れてしまい思い通りにいかない。休暇中の旅行時の行動にしてもメインは女の子のナンパかよ、なんてシーンも多くあったりする。大して社会の役に立つことが無さそうだった彼らが、なぜ銃を撃っているテロリストに立ち向かうことができたのか?その答えとなるようなヒントが色々と散りばめられている設定がなかなかニクイ。
 俺が本作から特に感じることが出来たのは、今までの人生は決して無駄ではなかったということ。まあ、俺なんかは今までの人生の50年近くを目的もなく、ボケ~と過ごしていた。しかし、そんな俺でもここぞという時には力を発揮する場面があるように思えて自信が湧いてきた。これは俺だけではなく、すべての人に当てはまるはずだ。
 なんだか若者のロードムービー的な要素があってリラックスできたり、ヨーロッパの名所を楽しめたり、宗教との接し方を学べたり、誰しも英雄に成りえることがわかったりする。そして3人の若者を当事者に演じさせた奇抜なアイデアはきっと昼飯を食っている最中に思い浮かんだ程度のことだったと思うのだが、意外にもその効果がラストへ向かって効いてくる。
 特に俺って何のために生きているんだよ、なんて嘆いている人に今回は15時17分、パリ行きをお勧め映画として挙げておこう。

15時17分、パリ行き [DVD]
アンソニー・サドラー,アレク・スカラトス,スペンサー・ストーン
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント


 監督は前述したクリント・イーストウッド。今や90歳の一歩手前の大御所。未だにその情熱は冷めやらず日本でも新作リチャード・ジュエルが公開中。お勧め映画となると多すぎるのだが、個人的に一番好きな映画としてミスティック・リバーを挙げておこう。


 

 

 

 

 
 

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