褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 ぜんぶ、フィデルのせい(2006) 子供の視点から描いた政治コメディかな?

2009年12月28日 | 映画(さ行)
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 非常に骨太なポリティカルサスペンスを作る映画監督にコスタ=ガヴラスと言うギリシャの映画監督がいる彼の映画は3本しか観ていないが、という映画は僕の中では強烈な印象がある内容は某国Z(はっきり言ってギリシャのことだが)で、大統領選挙が行われるが、イヴ・モンタン演じる左翼系大統領候補が何者かに殺されてしまう
 それをジャン=ルイ・トランティニャン演じる予審判事が事件の真相を調べていくうちに、政治的陰謀、それに関わる証人が次々と消されていくメロドラマを排した豪速球政治サスペンス映画
 他にも彼がハリウッドで映画を撮るようになって観た映画に、ミッシングという軍事政権下のチリに息子が旅行に行くが行方不明になってしまうその息子を探しにチリにやって来る父親を演じたジャック・レモンは息子の行方を捜そうとするが、息子がCIAの陰謀による軍事クーデタによって・・・というストーリーこの映画は内容も過激だが、ビリー・ワイルダー監督の作品に出演している時のコメディ俳優だと思っていたジャック・レモンのシリアスな演技には驚いた
 そしてダスティン・ホフマンジョン・トラボルタの二大スター共演のマスコミの恐ろしさを描いたマッド・シティなど、コスタ=ガヴラス監督は社会派映画監督の第一人者と言って良いだろう

 今回、そんな今や巨匠的存在のコスタ=ガヴラス監督の娘であるジュリー=ガヴラス監督の長編映画デビュー作を観る機会に恵まれた
 確かに政治を扱った部分は父親譲りだが、父親と違って作品にユーモアがあるところは、父親の悪いところである豪速球的な部分を排した所は良かったこの映画の良いところは子供視線で描かれている所子供視線の政治映画に着目したところがこの映画の勝利だと思う
 ちなみにタイトルに含まれるフィデルとは、キューバのィデル・カストロの事を指しています
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 まだ幼いアンナは父親で弁護士のフェルナンド、母親で雑誌編集者のマリー、そして弟のフランソワの4人家族で裕福な家庭だお手伝いさんにキューバから亡命してきたフィロメラがいるバカンスの日は、ボルドーへおじいちゃん、おばあちゃんの家に行く
 ある日、スペインのフランコ政権に反対していた叔父が死んで、フェルナンドの妹夫婦が家に来てから、どうも生活がおかしくなる
 今まで裕福な生活を送り、カトリック学校に通っていて楽しい毎日の生活を送っていたアンナだったが、フェルナンドの態度が急に変わってアンナは不満だらけの毎日
 しかもお手伝いさんキューバから亡命してきたフェロメラも、フェルナンドの妹夫婦を嫌っているようであるその理由がキョーサンシュギ(共産主義)、カクセンソウ(核戦争)、フィデル(フィデル・カストロ)などのアンナにとって聞き慣れない言葉の数々がフェロメラが父フェルナンドの妹を嫌う理由であり、アンナもこの聞き慣れない言葉によって不愉快に感じるのがぜんぶ、フィデルのせいなのねとフェロメラに聞くのである


 ある日両親のフェルナンドとマリーが社会主義政権が誕生しようかとするチリへ旅行すると言って、出かけていってしまった
 しかし、両親のフェルナンドとマリーは帰ってくるのが延び延びになってしまうそして、両親のフェルナンドとマリーが帰ってきたしかし、チリから帰ってきた両親はすっかりキョーサンシュギ者(共産主義者)に変わってしまっていた
 そして家は、庭付きの豪邸から狭いアパート暮らしに変わり、お手伝いさんのフェロメラは反共産主義者ということで、クビになり新しくギリシャ人のお手伝いさんがやってくるが、ギリシャ人のお手伝いさんの作る料理はおいしくないそして、アンナは学校を転校させられることは無かったが、好きな宗教の授業は受けられなくなった

 そんな急激な生活の変化にアンナは不満が爆発してしまうが、父のフェルナンドは弁護士の仕事を辞め、なぜか家には髭を生やした男がたくさん出入りするようになり、しかもチリのアジェンデ政権の選挙の行方が気になるようだった
 そしてやがて、髭の男たちからアンナは・・・富の公平な分配を共産主義の考えを教えてもらい、アンナは少しずつ社会の言葉を知っていくダンケツ(団結)と言う言葉をフランコ政権に対するデモに父のフェルナンドや他の人達と行い、そして母のマリーの仕事に付いて行くとチューゼツ(中絶)と言う言葉を聞き、母にチューゼツって何?と問いかけるうちに、やがて父の政治活動に興味を持ち始めたアンナは・・・続きは映画を観てください

 子供の目線に立って、1970年初期のスペインのフランコ政権やチリのアジェンデ政権に対する世界的な反政府活動が展開されていた時代を時には厳しい眼差しで、そして時にはユーモアで見せるこの映画の語り口は非常に面白い
 特にアンナを演じる少女の、せっかく何不自由のない裕福な生活を送っていたのに、共産主義に目覚めてしまったために、不満だらけの生活に反抗する表情が面白い
 決してこの映画は共産主義を批判した映画ではない
 
 現在世界は民主化の流れに向かっているけれど、もう一度共産主義あるいは社会主義を見直そうという立場の映画に僕は感じたけれどね
 しかし、実際に僕も何が共産主義で、何が社会主義と言うような難しい事は説明できないから、このアンナが聞きなれない言葉によって政治に興味を持っていくストーリーというのは、大人の僕にも共感できる所があって面白い映画
 それにしても、このアンナと言う少女を演じる子役は大当たりだと思ういつも仏頂面でいるこのアンナの表情はこの映画に重要な役割を果たしているし、また子供の独特の感性が表現されていて、両親が子供のわがままぶりに振り回される姿が面白い
 政治映画だけれど、コミカル感がたくさんあってお勧めの映画です

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